偏質的俳句鑑賞-第二百二十四回 闇鍋に闇どばどばと注ぎ足しぬ-抜井諒一『金色』
闇鍋をやったことない自分にこんなにも共感させる力を持っているこの句は素晴らしいと思う。
確かに足りなくなった食材は「闇」であり、優しく投入されるわけでなく、「どばどば」と足されなければならない気がする。
そして何と言っても「注ぎ足しぬ」という六音が効いている。「注ぎ足す」でも成り立つが、それでは余韻があまり残らない。
「ぬ」がくっついていることによって、闇鍋の禍々しさがより強調されていてとても面白い。
次回も良ければ読んでください。