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みなさんの現代語俳句 ~作品・記事集~

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現代語俳句の会の作品・記事集です。 #現代語俳句の会 のタグをつけて頂いた作品・記事を納めています。 2019年12月分より。
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#季語

コンビニへ釣瓶落しよ急ぎ足

コンビニへ釣瓶落しよ急ぎ足

季語:釣瓶落し(三秋)

こんびにへつるべおとしよいそぎあし

季語|釣瓶落し
鶴瓶ではありません。釣瓶です。

釣瓶とは井戸の底から水を汲み上げるための容器です。ロープの一方に水を汲むための釣瓶を括り付けられており、井戸の上に作られた滑車を経由した手元のロープを引いたり緩めたりして釣瓶を上下させます。

ロープを緩めれば釣瓶は井戸に落ちてゆき、中に水が入ります。ロープを引けば、釣瓶が上がってきて

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秋の空ゆらり一片の舟浮く

秋の空ゆらり一片の舟浮く

季語:三秋

あきのそらゆらりいっぺんのふねうく

ゴミ出しやふと見上げて胸がすく俳句っぽい語調に整えてみましたが、季語もないのでシャレのようなものです。

たまにご近所さんとゴミ出し時にすれ違いますが、朝早いし、荷物は重いし、時に臭うしでだいたいみなさん憂鬱そうな雰囲気です。おそらくわたしもそう見えていることでしょう。

憂鬱気分を振り払おうと背伸びして、空を見上げると澄んだ青空が広がっていまし

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うなじやく名残の西日影長く

うなじやく名残の西日影長く

ほおら、俳句放題。といいつつ、うまく書けないもどかしさよ。

実感する季語選びの難しさ影長くや影長しで秋の季語があるかな、と思ったらありませんでした。はて、どうしたものかと調べたところ、「西日」が晩夏の季語でした。ということで、俳句としてはかろうじて成立。

ただ、気分的にはもう少し遅い時期を表現したかったので、消化不良の一句です。

例によって夕方の散歩に出たら、西日が思った以上に暑かった。でも

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【俳句エッセイ】星合

【俳句エッセイ】星合

星合よ脳内再生される曲 白月季語 星合《初秋》

突然ですが、音楽は好きですか?

 僕は、多少ギターをしてみたことはあるけれど、Fがクリアに響いてくれないくらいの聴く専です。

 さらに、これというジャンルもなく、邦楽洋楽、古今東西、その時々のいわゆる流行曲を幅広く聴いている感じの、「趣味は音楽鑑賞」と言ったものの、何聴くのと言われたら、「えっと…音楽」としか答えられない聴き方です。

 そんな

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【俳句】処暑

【俳句】処暑

 藤原敏行の和歌こぼる処暑 白月 昨日寝落ちした俳句です笑

 我ながら凡句なので、悩み続けていたのですが、そうこうしているうちに処暑(8月23日)を2日も過ぎてしまったので、もう上げちゃいます笑

 藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)の和歌というと、百人一首の一枚札の1つとして有名な

住の江の岸による波よるさへや
夢の通ひ路人目よくらむ

がありますが、僕の句で言う和歌は

秋来ぬと目

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【俳句】稲妻(いなづま)

【俳句】稲妻(いなづま)

稲妻よ帰途で初めて気づく意味 白月季語 稲妻《三秋》

三秋というのは、初秋・仲秋・晩秋のどの時期でもOKよという意味です(多分)

 つまり稲妻は秋の季語なのですね。ちなみに雷は三夏、つまり夏の季語です。

 同じ事象でも、呼び名の違いで季節も違うという面白い季語ですよね。

 さて、それではなぜ「いなづま」が、秋の季語なのでしょう。

 これは、いなづまの漢字表記『稲妻』にヒントが隠されていま

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【俳句】二つ星

【俳句】二つ星

二つ星今日のみやげのチョコレート 白月季語 二つ星《初秋》

 僕は仕事帰りによくコンビニに寄って、嫁におみやげを買って帰ります。

それだけ笑

夏の果て

夏の果て

三叉路を右に曲がるか夏の果て 白月

季語 夏の果 《晩夏》

 日頃からお世話になっているインターネット歳時記「きごさい」には、このように書かれています。

夏果/夏終る/夏の限り/夏の別れ/夏の名残/ゆく夏/夏惜しむ/暮の夏
夏の終りである。果てる、終る、の語には物悲しい思いがつきまとう。帰省や避暑などが終わり、去り行く夏が惜しまれる

 確かに子季語の「夏の終わり」とか「夏の別れ」なんていう

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【俳句エッセイ】天高し

【俳句エッセイ】天高し

シェーバーのてこずる朝よ天高し 白月
 季語 天高し・秋高し 《秋》

 おはようございます。

 今日は、僕にとっての最後の夏休み。

 嫁が仕事なので、夏休み中の子どもたちの夏期課題見届けを仰せつかりまして、年休取りました。

 本県は例年通りの二学期スタートなので、本日安心して育児に邁進しております。

 自分にとっての夏休みが終わり、外出する時はマスクをすることもあり、ついつい無精をして、

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恋心って詠めるかな

夜の秋また会える日はいつと君 白月

季語 夜の秋《晩夏》

今日はですね、センチメンタルな俳句を詠もうと思いました。

久々に大学時代の写真を何枚か見て、あの頃のアオハルな日々に想いを馳せたもので。

「夜の秋」は秋と入っていますが、夏の季語です。まだまだ夏なんだけど、夜にちょっとした秋の気配を感じるような夜のことです。

 もう夏も終わりかー、なんて少しもの寂しさも伴うような季語だと思います。

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炎ゆ

炎ゆ

在りし日の鎮魂行よ道着炎ゆ 白月

季語 炎ゆ《晩夏》

 大学時代、少林寺拳法をやっていたのですが、この夏の暑さの中ふとその頃のことを思い出しました。

 あの頃の僕は、道着に着替えるとスイッチが切り替わり、鎮魂行によって拳士になる、そんな濃密な時間を過ごしたなと。

 鎮魂行というのは、詳しくは別記事で書こうかなと思いますが、少林寺拳法の練習を始める前に必ずすることです。

 周りの拳士たちか

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向日葵

向日葵

ひまわりの開いて歓声あげる子よ 白月

季語 ひまわり《夏》

 出勤前、昨日まで蕾だったひまわりが、半分だけ顔を出していました。小3の娘が棚から育てたひまわりで、娘は蕾が開くのを心待ちにしていました。

 見送りに出てきた娘が、そのひまわりを見つけ歓声をあげて、僕にそのことを教えてくれます。

 そんな一句なわけですが、

 開きゆくひまわり我が子声あげて

 愛し子の指す向日葵や半開き

と、

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百日紅

百日紅

百日紅今日という日がすぎて行く 白月

季語 百日紅(さるすべり)夏

 今年はコロナ感染症による臨時休業の穴埋めとして、7月31日まで1学期でした。

 例年は夏休みを迎えるとなんとなく開放感があります。

 よーし!今年の夏はやるぞー!みたいな。

 いろいろと自分に貯金をして二学期を迎えるぞ!みたいな意気込みが湧き上がるんですよね。

 教師の仕事はなんといっても生徒が中心。それだけに、学期

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