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みなさんの現代語俳句 ~作品・記事集~

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現代語俳句の会の作品・記事集です。 #現代語俳句の会 のタグをつけて頂いた作品・記事を納めています。 2019年12月分より。
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2020年9月の記事一覧

ゴム段を跳びきれなくて赤とんぼー九月句会

ゴム段を跳びきれなくて赤とんぼー九月句会

駐輪場みおくる声に秋の空

二膳目は梅干しひとつ新米よ

地球ごとあらうか白い秋の波

ふるさとを何処に決めるか渡り鳥

ゴム段を跳びきれなくて赤とんぼ

地球ごとあらうか白い秋の波
を、句会で手直ししていただきました。

地球ごときよめているか秋の波

断然良くなりました。ありがとうございます😊

句会はワイワイと楽しく、率直な意見もいただけるのでありがたいです。

わたしがいつも利用している

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賑わいの影に寄り合う露草よ(第9回現代語俳句メール句会参加)

賑わいの影に寄り合う露草よ(第9回現代語俳句メール句会参加)

空がさまざまな表情を見せるようになりました。雲の顔つきを眺めていると、ひとこと「空」とだけ言った空間に無限の奥行きと広がりがあることを思い知ります。風もそう、空気もそうです。この一語の枠に収まらない自然の豊かさを表現したくて、俳句を細々と続けています。
季節はすっかり秋になりました。センチメンタルな季節、と使い古された表現だけど、そうとしか言いようがありません。せめてセンチメンタルにも幅と奥行きを

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現代語俳句(九月投句分と投句しなかったぶん)によせて

ひりひりと右肩が泣く秋の蝶

りりりりとなにが悲しい鈴虫よ

どんぐりと寂しさ分かつ手のひらよ

驟雨まで私を責めるため降るか

アキアカネ恥じらい消えてしまうまで

厳かに影を伸ばしてひらく桔梗

白亜紀も湿らせたのか秋時雨

見上げれば初恋を知る星月夜

栗ひとつ笑顔ふたつの牽制ぞ

空き缶のからんと響く秋の空

ススキまで去りぎわに手を振り返す

***

ようやく秋めいてきましたね。今月は

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俳句の作法を知らずにピンチだった話

俳句の作法を知らずにピンチだった話

わたしの投稿記事の中で、おそらく1番多い内容が「俳句+エッセイ」です。それにもかかわらず、俳句の作法(基本ルール)を知らずに危うく恥をかく、というかみっともないことになるピンチを救っていただいた話です。

現代語俳句でも作法は大切わたしは古文は得意ではありません。高校のテストくらいはごまかし切って見せましたが、名作(枕草子や源氏物語)をそのまま読もうと思ったこともありませんし、あくまで試験勉強のた

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【俳句エッセイ】冷やか

【俳句エッセイ】冷やか

鳩の巣の下に殻落つ冷え冷えと 白月
季語 冷え冷え 仲秋

冷え冷えは冷やかの子季語(同じグループみたいな意味かな)

冷やか(ひややか) 仲秋
【子季語】
冷ゆ、ひやひや、ひえびえ、下冷え、秋冷、朝冷、雨冷
【解説】
秋も終わりに近づき、冬が迫ってくると肌に触れる物や空気をひんやりと感じることがある。この皮膚の感触が冷やか。人のものいいや態度にもいう。これにたいして、冬の季語「寒し」は体全体の感

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カタコトリ機織り深く荒い息

カタコトリ機織り深く荒い息

テレビや映画で機織りのシーンをご覧になった経験はないでしょうか。あるいは、地方の民芸館などで機織りの実演をご覧になったことはありませんか?

機織り機の基本的な構造うーん、あまり記憶にないなぁという方のために実演映像をさがしてみました。

高崎市歴史民俗資料館で実演されているボランティアさんの映像です。

実にリズミカルで心地よい響きです。上下に分かれた縦糸の間に、横糸をついた器具を滑らせて通り抜

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椰子の葉の揺れる異国よ夏帽子 白月

この間、俳句道場風でかこちゃんの俳句に対する返句をしたんだが、フリー素材に合わせて、ニシキゴイに投句。写真とコラボするとまた違うね。

うなじやく名残の西日影長く

うなじやく名残の西日影長く

ほおら、俳句放題。といいつつ、うまく書けないもどかしさよ。

実感する季語選びの難しさ影長くや影長しで秋の季語があるかな、と思ったらありませんでした。はて、どうしたものかと調べたところ、「西日」が晩夏の季語でした。ということで、俳句としてはかろうじて成立。

ただ、気分的にはもう少し遅い時期を表現したかったので、消化不良の一句です。

例によって夕方の散歩に出たら、西日が思った以上に暑かった。でも

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足跡よ微かに残り秋の雨 白月
俺の大好きなnoterであるゴリちゃんが、一線から退くようだ。温かさに裏打ちされた軽妙洒脱なトークが好きだった。願わくば、時折俺のコメントにでも遊びに来てほしいものだ。

ハヤブサの影 深閑の湖畔林

ハヤブサの影 深閑の湖畔林

正直に言うと、ハヤブサと鷹の見分けも付きません。

申し訳ありませんが、なんとなくハヤブサかな?と

思えた鳥が見えた物で。

写真は、先日の支笏湖行の際に写した写真です。

【Twitterに投稿した俳句】

秋気澄む遠林の葉の形まで

ざらつきをまた確かめて梨と夜

かまきりの眼のせつな前世は僧

#俳句 #haiku #現代語俳句 #現代語俳句の会

【俳句エッセイ】秋桜

【俳句エッセイ】秋桜

振り返す手を見送りて秋桜 白月季語 秋桜(あきざくら・コスモス)《仲秋》

体育大会の代休でのんびりしている白です。

 去年までは、この日子どもは学校に行って夫婦水入らずになるので、デートを楽しんでいました。

 ところが、今回は一番上の子と、俺の学校の体育大会が同じ日にありました。

 というわけで、今日の休みは息子も、それから学校休んだ娘もいっしょです。

 だから、代わりに日頃遊べない友達

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一里塚UVクリーム塗りなおす

一里塚UVクリーム塗りなおす

今回の俳句は、意味深で挑戦的で個人的には自信作(奢らない、奢らない)の一句ですが、それだけにちょっとクドクドと言い訳を書かせていただきます。どうか最後までおつきあいください。

季語はUVクリームってあり?俳句には季語が必要です。まれに例外もありますがそのようなものに挑戦するには100年早い。というわけで、まず主題としての季語の選定がポイントになります。

セオリーでは「日焼け止め」で夏(三夏)の

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