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みなさんの現代語俳句 ~作品・記事集~

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現代語俳句の会の作品・記事集です。 #現代語俳句の会 のタグをつけて頂いた作品・記事を納めています。 2019年12月分より。
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2020年8月の記事一覧

【Twitterに投稿した俳句】

秋雲よ『ウェルテル』めくる手には染み

落陽の弧に倣ってか秋の蝶

町並はおぼろサルビアの魔力で

#俳句 #haiku #詩歌 #現代語俳句 #現代語俳句の会

ゆうづきよたれそつぶやくそらのあお

ゆうづきよたれそつぶやくそらのあお

水ようかんがなくなった腹いせに、散歩に出たのですがその帰り道に淡い夕月に対面しました。暑い、暑いとはいえ、季節の移り変わりを感じ、思わずスマホでパシャリ。

すると、同じように夕月の写真に季節を感じておられる方が。

一方的にシンパシーを感じて、水ようかんよりも上品っぽく一句考えてみました。晴れた日の多いこの時期。月の出が早いので、夕月鑑賞には絶好の機会です。明るさの残る時間の月は、淡くぼんやりし

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「秋の声」の巻

「秋の声」の巻

「歌仙表六句」矢口さんと巻きました。

……と、力強く言うものの、ドタバタでした。
秋は他からすると若干イレギュラーで、初っ端からの勘違い。
「あれ?秋はやったことが無い」と言ったものの、探したらやってた🥺
しかも過去、その勘違いした部分を偉そうに自ら記載していたと言うお粗末さ。
「秋に関しては、月を脇か第三で詠みます」
開いた口が塞がらない←

今回初めての矢口さん、こう言っては失礼な程、お見

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【俳句エッセイ】星合

【俳句エッセイ】星合

星合よ脳内再生される曲 白月季語 星合《初秋》

突然ですが、音楽は好きですか?

 僕は、多少ギターをしてみたことはあるけれど、Fがクリアに響いてくれないくらいの聴く専です。

 さらに、これというジャンルもなく、邦楽洋楽、古今東西、その時々のいわゆる流行曲を幅広く聴いている感じの、「趣味は音楽鑑賞」と言ったものの、何聴くのと言われたら、「えっと…音楽」としか答えられない聴き方です。

 そんな

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歌仙〜表六句「秋の声」

歌仙〜表六句「秋の声」

吉田翠さんにお声をかけて頂き「歌仙」というものに挑戦してみました。

本来は36句を詠み繋いでいくなかなか大変な文芸なのですが、今回は冒頭の6句「表六句」のみ。五七五と七七を交互に連ねていきます。

その中にも季節の流れ、詠まなくてはいけない内容、詠んではいけない内容、前句との関係、一句の格調・調べ・完成度、など様々な制約がついて回ります。

正直、始める前は「難しそう〜」以外の気持ちがなかったの

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いつぞくる炎風迎えてバスを待つ

いつぞくる炎風迎えてバスを待つ

問題は交通手段メガネを買い換えた。度もすすみ、乱視も混ざり、盆休みもあったため、注文から完成まで2週間近くかかった。それだけに、今日の受け取りの儀式(予約)には遅れずにきちんと着きたい。

問題はどうやって行くか、である。

近所の眼科で処方箋を作ってもらい、引っ越したばかりなのでいいメガネ屋さんを教えて欲しい、とお願いした。紹介してもらったメガネ屋さんは、えらい遠かった。

いや、車を運転できれ

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【俳句】処暑

【俳句】処暑

 藤原敏行の和歌こぼる処暑 白月 昨日寝落ちした俳句です笑

 我ながら凡句なので、悩み続けていたのですが、そうこうしているうちに処暑(8月23日)を2日も過ぎてしまったので、もう上げちゃいます笑

 藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)の和歌というと、百人一首の一枚札の1つとして有名な

住の江の岸による波よるさへや
夢の通ひ路人目よくらむ

がありますが、僕の句で言う和歌は

秋来ぬと目

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【俳句】稲妻(いなづま)

【俳句】稲妻(いなづま)

稲妻よ帰途で初めて気づく意味 白月季語 稲妻《三秋》

三秋というのは、初秋・仲秋・晩秋のどの時期でもOKよという意味です(多分)

 つまり稲妻は秋の季語なのですね。ちなみに雷は三夏、つまり夏の季語です。

 同じ事象でも、呼び名の違いで季節も違うという面白い季語ですよね。

 さて、それではなぜ「いなづま」が、秋の季語なのでしょう。

 これは、いなづまの漢字表記『稲妻』にヒントが隠されていま

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【俳句】二つ星

【俳句】二つ星

二つ星今日のみやげのチョコレート 白月季語 二つ星《初秋》

 僕は仕事帰りによくコンビニに寄って、嫁におみやげを買って帰ります。

それだけ笑

雲の峰隠れてもなお富士は富士

雲の峰隠れてもなお富士は富士

一週間遅れで父に会いに行ってきた。
祖父母も同じ墓に眠る。

実際は車だが、この駅を見ると思い出す。
小学二年生。三歳の弟の手を引いて、たったふたりで東京からここまでやってきた事はやはり忘れていない。
母の出産予定日が近づき、わたしと弟はここに預けられた。
八歳と三歳の道中だ。この駅に着いた時、緊張がゆるんで泣きそうになった事は忘れられない。
曽祖母が亡くなり、町の集会所として使用して貰っていた祖

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◯俳友も楊枝をするり水ようかん〔俳句の日に〕

◯暑き日よ陰をジグザグたどる道

◯四人目のアイスコーヒーたのむ声

#俳句 #haiku #習作 #現代語俳句 #現代語俳句の会

夏の果て

夏の果て

三叉路を右に曲がるか夏の果て 白月

季語 夏の果 《晩夏》

 日頃からお世話になっているインターネット歳時記「きごさい」には、このように書かれています。

夏果/夏終る/夏の限り/夏の別れ/夏の名残/ゆく夏/夏惜しむ/暮の夏
夏の終りである。果てる、終る、の語には物悲しい思いがつきまとう。帰省や避暑などが終わり、去り行く夏が惜しまれる

 確かに子季語の「夏の終わり」とか「夏の別れ」なんていう

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