投句会に参加しました

kusabueさんの主催される投句会へ参加した俳句を、個人でも出したいと思います。

春を待ち母が手にする日めくりよ
【春待つ】

静寂を海に放つか冬の月
【冬の月】

待たせては味もしみるかおでん種
【おでん】

冬枯れを抱きあげ仰ぐ一天ぞ
【冬枯れ】

女こそおしくらまんじゅう押し返せ
【おしくらまんじゅう】

今回の投句会では
・全て現代語である
・新仮名である
・現代語の切れ字を使用する

俳句　冬　十句

一
誰よりも孤独が似合う冬の月

二
着ぶくれて嬉しい夜の散歩道

三
風邪ひいた理由が君のこそばゆさ

四
冬鷺の凛々しい影を追いかける

五
筆跡にかぶせた母の古ショール

六
冬の虹たったひとつの夢がある

七
儚さを乗り越えてゆけ冬の蝶

八
とがらせたくちびるに冴ゆくすり指

九
街じゅうがダイヤモンドだ犬踊る

十
寂しさもおでんとともに煮込まれる

晴れやかに成人の日をまず半歩

500字くらい小説ふう【成人式だもの】

　まずは生ビール用のピッチャーにカシオレを作る。味より量だ。
　成人式。ここは手頃なホテルのバンケット。

　さあ、どうやって誤魔化すか、わたしの腕の見せ所だ。酔いが回ればどんどんお酒を薄める。器物破損、アルコール中毒。明日の朝「人生終わった」と後悔しないように、これは親切なのだ。

「日本酒ください！」「はいはい」わたしは仕込み済みの徳利を手にする。中身

「初日の出すべて吸い込め令和の思ひ」