俳句「暗誦」
諳んじて春は「あげもの」子は「わらび」
天麩羅といえば春。そう言われればそういう気もする。実は、私は国語専科の学習塾を開いているのだが、小学校低学年の生徒には、「雨ニモマケズ」と「枕草子」を覚えてもらうようにしている。
子どもにとって、聞いたことのないことばを覚えるのはなかなか大変なことで、これは漢字の読みでもそうだが、知らないことばを自分が知っていることばに置きかえて覚えてしまう子どもは少なくない。
で、小2の女の子が唱えたのが「春はあげもの」。私もこんな間違いがしてみたいが、古びた知識にまみれた頭では、とてもこんなふうにはいかない。せいぜい「童」を「わらび」と言いかえて、苦しまぎれの季語とした。
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