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俳句「珍客」

父逝きてもの言ひたげな蛇出でし

 生まれ育った山間と違い、いま住んでいる場所ではほとんど蛇を見かけない。平地や丘陵で石垣などが少ないうえ、最近はコンクリートブロックなどを用いるから、蛇の住める場所も少ないのだろう。

 ところが、父が亡くなったその年は珍しく蛇を何匹か見かけた。裏庭を1メートル以上もある青大将が這っていたこともあった。この辺りで1メートルを超える蛇を見たことがなかったのに、それが裏庭に来ていたのだから驚いた。

 一番驚いたのは、種類は分からないが小さな蛇がガレージへ下りる扉のところから廊下まで上がってきていたことだ。何か知らせに来てくれたのだろうか。

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