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「男系男子の天皇」は続けられるのか(天皇マニアが語る・外国との違い編)

一昨日昨日に続き、天皇について好き勝手に語ります。

今回は、外国の王室との違いから、今の日本の皇室に迫りたいと思います。

外国の王室との違い①:皇位の継承の仕方

現在はエリザベス女王を筆頭とする、イギリス王室。この王位の継承権を持つ人が、何人いるか知っていますか?

なんと5000人弱! 次の王様どうしよう、なんて心配とは無縁そうです。

なぜこんなに多いのかというと、1701年に「ハノーファー選帝侯妃ゾフィーという人の子孫に、長子優先で王位継承権を与える」とされたからです。(例外あり、概要は下記リンク先へどうぞ)

「長子優先」ということは、次男以下にも女性にも王位継承権はあり、女性が嫁ぎ先で産んだ子どもにも、王位継承権が与えられるということです。

そのかわり、王妃以外の女性が産んだ子ども(非嫡出子)には、王位継承権は認められませんでした。

王と王妃の間の子にしか王位継承権が与えられない代わりに、性別や身分に関係なく、子々孫々まで資格を持つイギリス王室。

一方、日本の皇室は父(父方の先祖)が天皇であれば、母親が誰でも皇位継承権を持った代わりに、臣籍降下(皇族でなくなる)すると権利を失い(※)、娘の嫁ぎ先が皇族以外なら、その子どもに皇位継承権はなし。

※史上ただ1人、例外として、臣籍降下したあと皇族に復帰し天皇となった59代・宇多天皇がいます。

王(天皇)の子であるという前提は同じですが、継承権の与えられる範囲の違いが、2つの王室・皇室の違いを生み出したといえるでしょう。

外国の王室との違い②:実権を持たずとも存在してきた

外国の歴史を見ると、Aという王家や国がBという国に敗れたら、Aの国は破壊され、家は断絶されます。新しい国に変わったことを民衆に知らしめるのに、古い国の文化や人間は邪魔でしかないからです。

ところが日本では、天皇以外の者が実権を握っても、天皇はそのまま残されました。

「征夷大将軍」という位に就いた人が幕府を開ける、と習った記憶があると思いますが、この征夷大将軍は天皇に任命されないとなれません。でも、実際の政治力や軍事力を持っているのは幕府です。

幕府は天皇に逆らえない、でも天皇は幕府がいないと満足な生活すらできない。そんな、お互いが寄りかかっているとも、「名」と「実」が異なるともいえる、変な構図がずっと続いていたんです。

やろうと思えば、藤原氏は天皇家を乗っ取れたでしょうし、鎌倉・足利・江戸幕府の将軍たちは武力で天皇家を倒せたでしょう。

でも、やらなかった。わざわざ天皇家を倒すメリットがなかったから。

歴史ある天皇を倒せば、大きな反発を生み出してしまいます。無駄な争いを生む原因となるくらいなら、天皇にうまく取り入った方がいいでしょう。

天皇をなくしたら、ゼロから仕組み作りをする必要があります。それなら利用した方が好都合でしょう。

ザ・日本人っぽい、事なかれ思考ですよね〜。

こうして天皇家は、武力や政治力は持たないまま、現在まで存在し続けたのです。


まだまだ続くよん!

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