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俳句になると思えば、梅雨もいいもんだ

梅雨入りしましたねぇ。

宮崎は横殴りの雨でした。そんな中、夫はがんばって髪切りに行ってました。


  梅雨入ついりして髪の短くなる夫  二川智南美


季語だとちょっと省略して「ついり」と読むことがあります。


梅の実が熟す頃なので「梅雨(つゆ、ばいう)」と書きますが、かびの発生する頃なので黴雨ばいうともいいます。

人によっては、黴雨の方がしっくりくるかも?(読めないし書けないけど)


梅雨にもさまざま派生した季語があります。

たとえば、梅雨入りから梅雨明けまでの期間が長ければ長梅雨ながつゆ、雨がほとんど降らなければ空梅雨からつゆとか旱梅雨ひでりづゆといいます。

降り方が激しければ荒梅雨あらづゆですねぇ、なんていうと、一目置かれるかもしれませんよ。

(上記の太字はすべて季語です)


ところで、「梅雨」という言葉が時期のことも指すのに対し、梅雨に降る雨のみを指す季語が五月雨さみだれです。

  五月雨をあつめて早し最上川  松尾芭蕉
  五月雨の降り残してや光堂(※)   松尾芭蕉
  さみだれや大河を前に家二軒  与謝蕪村

などなど、世に知られているのは梅雨の句よりも、五月雨の句が多い気がします。

※光堂・・・岩手県平泉町にある中尊寺の金色堂のこと。名の通り、全体に金箔が押されており、日本の国宝建造物として第1号の指定を受けた。現存なので、芭蕉が見た姿をそのまま残しているから、圧巻&萌える。


あれ、「五月の雨」って書いてあるけど、今6月だよ?


と思ったあなたは鋭い!

五月雨の指す5月は、旧暦の5月。つまり新暦(現在)の暦では6月にあたるんです。

旧暦と新暦ってなんだよややこしい!と思った方、クレームは明治新政府までお願いします。(いつか解説します)

だから、五月雨=梅雨の雨です。現在の5月に降る雨ではないので、ご注意ください!


同じ理由で、五月晴さつきばれという季語も、5月の晴れの日を指すのではなく、梅雨の合間の晴れ(梅雨晴つゆばれ)という意味です。

むしろこれから使いたい言葉ですね。誤用多いのでお気をつけを〜。



梅雨ひとつでこれだけ話が広がるし、俳句もできるし、と思ったら、梅雨も楽しそうじゃありませんか?


それはそうとして、髪のうねりは気になりますけどね!ボンバー!

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