らんこちゃんのランラン物語 胎児編3お産の方法が決まる
今日は守さんと一緒に産科を受診しているハラ子さん
らんこにもハラ子さんの緊張が伝わってくる。
受診のたびになんか、ハラ子さんの子宮全体をググッと押される。
腹部超音波検査というらしい。
今日は特別時間をかけてみてくれた後、産科医がハラ子さんと守さんに話す声が聞こえた。
医師 「この間から赤ちゃんの卵巣は大きくはなっていませんので、今のところ経膣でのお産が可能と考えています。
急激に卵巣が大きくなったり、赤ちゃんの元気がなくなるようでしたら帝王切開でのお産になりますが、今のところ大丈夫そうです。
先日、新生児を担当する小児科の医師と助産師とも話し合いをしてハラ子さんの情報を共有しています。
生まれたあとは、小児科の医師が、超音波検査をして経過をみます。
多くの場合は自然と腫れがおさまります。
心配かと思いますが、こちらの体制は整っていますから安心してください」
守さん 「赤ちゃんに何か影響が残るということはないですか?」
医師 「ほとんどは、自然に腫れがひいていきます。ごくごくたまに卵巣が捻れてしまい手術が必要なことがありますが、今の大きさだとその心配はないでしょう」
守さん「少し安心しました」
医師 「お父さん、今日は、一緒に受診していただき良かったです。妊娠中は、早くに陣痛がきたり、破水したり出血したりといろいろなことが、突発的に起きたりすることがあります。そんな時はお父さんの助けが入ります。そして動いてもらわないといけないこともたくさんあります。お母さんの不安を軽くするためにもなるべく早くお仕事から帰ってお母さんと一緒にいてください。いつ何があるかわからないからお酒も控えてくださいね。」
守さん 「わかりました。そうですね、ハラ子さんは、たくさんのことを我慢してお酒を飲むのもがまんしているのだから、自分もですね」
ハラ子さんの気持ちが穏やかになってきたのが、らんこにもわかった。
さらに助産師さんが、二人に話してくれた。
「今日の医師からの説明で質問はありませんか?
心配だと思いますが、陣痛が始まったり、出血、破水、赤ちゃんの胎動が少なくなったなど何かあったら、いつでも電話をください。外来がない時は、病棟に電話が回りますが、ハラ子さんのことは、他の医師も助産師もわかるようになっています。
質問や不安なことがある時も電話してくださっていいですよ」
それから、ハラ子さんのお腹に、子宮の張りをみる装置とカコちゃんの心拍数を測る装置をつけてカコちゃんが元気か見てくれた
らんこには、カコちゃんがポコポコ動いて元気なのはわかるけどね。
帰り道、ハラ子さんが、守さんに話していた。
ハラ子さん「覚悟を決めていたの!自分のことで手術するなら迷うけど、カコちゃんのためなら、お腹を切ってもいいって!とりあえず帝王切開にはならない可能性が高いけど、何があっても産んで育てるわ!」
守さん 「ホント女の人は強いね!僕も何があっても二人を守るよ!」
あー、らんこも安心した!
そろそろハラ子さんや守さんの顔を見たいなー
<ミニ解説>
妻が妊娠している従業員のために夫と会社がすること
今、父親(夫)の育児休暇取得が進みつつあります。
でも、妊娠中からすでにサポートは必要になりますから、なるべく夫には妻のそばにいてほしいですね。
会社は、妻が妊娠した社員に出張させてはいけません。
残業も。
飲み会に誘うのもです。
可能なら、妻の産休と一緒に夫も産休が取れるといいですね・・
助産師として33年病院で働いてきて実感するのは、妊娠中もお産の時もいつ何が起きてもおかしくないということです。
陣痛(私は、第1子のとき妊娠19週でお腹が張り、以後4ヶ月入院していました)も破水も出血も、感染症にかかることもあります(私は第2子妊娠中におたふく風邪になりました、今なら新型コロナ)妊娠中どの時期でも起こりうることです。
入院や手術になることもいつ何時起こるかわかりません。
病院がかわり搬送されることもあります。
手術の時は、医師からの説明を聞き同意書にサインしてもらいます。
何より妻の不安が大きいです、私たち助産師も不安を少しでも軽減できるように努力はしていますが、夫に勝るものなしです(夫婦の関係性にもよりますが)
どうかいつでも、そばに駆けつけれるようにしておいてください。
また、予定日はあくまで40週と0日ですよ・・というだけで、この日に生まれる方が少ないのですよ。
妊娠37週0日から41週と6日と約5週間の幅があっても正常範囲です。
よく、「お産後のお手伝いをするから、予定日から2週間休みとりました!」と聞くことがありましたが、いえいえズレる可能性の方が大なので、
望ましいのは生まれてから休みを取ることですね。
生まれてからの手続きがたくさんありますからね・・
このあたりの融通を、異次元の少子化対策に入れておいて欲しいと思います。
働く側は、いつでも休めるように準備しておくことも必要です
(引継ぎとか、物の場所とか、情報共有とか・・です)
ミニ解説が長くなりました、というか、熱い訴え届きましたか?
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