らんこちゃんのランラン物語 胎児編1卵子、自然消滅していく運命
私の名前は、らんこ
歳は19週
今、私のいるところは、カコちゃんのお腹の中
カコちゃんのいるところは、カコちゃんのママ、ハラ子さんのお腹の中、妊娠19週
そう、3世代同居しているのよ!
つまりハラ子さんは、らんこのおばあちゃん!
ここは、温かくて気持ちがいい
ハラ子さんが栄養や酸素をたっぷり送ってくれるので、快適
らんこも安心して眠っていられるの。
らんこの周りには仲間の卵子がたくさんいてね、700万個の仲間がいるの、カコちゃんの人生の中で今が一番数が多いわね。
特に何かをするわけではなく、じっとしているだけ
でもカコちゃんが、まだお母さんのお腹にいるのに、仲間の卵子は減っていくんだ
昨日まで、隣にいた仲間と、おしゃべりしていたのに、今日になったら急に小さくなって消えていくの。
せめてカコちゃんが、生まれるまで一緒に残っていようねと言っていたのだけれど・・
でも、これが私たちの宿命
正直、今度は自分と思うと、心底怖い
こんなに早く何もしないうちにいなくなるなんて、厳しいよね。
自然淘汰という説もあるけれど、本当はどうしてなのか私たちさえ知らない
700万個の仲間は、カコちゃんが生まれるまでに200万個になるのよね。
生まれてからも卵子は減り続けるの
卵子は、いままでもこれから先も増えることはない
そして、カコちゃんよりママのお腹にいる分、らんこは年上
カコちゃんは生まれてから成長するけれど、私たち卵子は年々、歳をとっていくだけ。
以前「卵子の老化」という言葉が、センセーションを起こしたことがあったわ
厳しい、道のりだけど生き延びることができるように、がんばる!
らんこの夢はいつか、一つの命のもとになるように立派な卵子になること
その日が来るまで、しばらく眠っていよう・・💤
💤💤💤
あれ?眠っていたのだけれどハラ子さんの泣き声で目が覚めた・・
ハラ子さんが泣いているのでお腹が揺れて、カコちゃんが揺れているから、らんこもゆるやかに揺れている・・
どうしたんだろう・・・
・・・・・・・・・・・
続く
<ミニ解説>
* 卵子の数は下図のように、女性の加齢とともに数が減少します。
なぜ減るのか、どういう卵子が消滅するのか、詳しいことはわかってい
ません。胎生5ヶ月が700万個と一番多く、出生時には、約200万個となり、初潮が来る頃には30万個まで減少します。
そのうち、排卵する卵子の数は400~500個(1%以下)です。37歳頃を過ぎると急速に減少し、卵母細胞の数が約1,000個以下になると閉経します。
*「卵子老化の真実」 河合 蘭 著
卵子の数が減ることに加えて、卵子は加齢とともにその質が低下してきます。老化した卵子は受精してもうまく分裂できないケースや染色体異常や流産などのリスクが高まり、高齢になるほど妊娠・出産できる確率が下がるなど、不妊症治療の難しさを書いた著書
佐藤みはるのプロフィール
助産師・ウィメンズヘルスアドバイザーの佐藤みはるです。
自分は1980年から助産師・看護師として札幌市内の大学病院で耳鼻科・小児科・婦人科で看護師として勤務、後半は北海道内の高度周産期医療を提供する産科周産期科・NICUの看護師長として妊娠・分娩・産褥期のケア、新生児集中治療、不妊症治療に携わってきました。
しかし、40歳代後半自分が更年期になって症状に翻弄されたときに、正しい知識を得る場がないという現状に気がつきました。
助産師は、本来女性の一生の健康に寄り添う医療の専門職です。
これまでも出産前後のケアだけではなく、性教育も助産師が担ってきてはいましたが、更年期に関してはほとんどケアが提供できていないのが現状でした。
そこで、誰かがもっと助産師として更年期ケアを担わなければと考え、2013年33年間勤務していた大学病院を辞めてハイジアを開業しました。
ハイジアは女性それぞれのライフステージに沿った健康教育や相談、サポートを受けることができ、更年期以降も健康でイキイキと働き続けることができる社会の実現をめざしています。
2022年1月 助産院ハイジアとする。
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