妖怪マラソン
妖怪マラソンっていうとなんか水木しげる先生ゆかりの街とかでやってそうだよね。
はいこんにちはグレーさんです。
前回の記事でマラソンを予告していたシチュエーションCD幽幻ロマンチカシリーズ(公式サイト)ですが見事に走破いたしました。わーわー。
順番どおりに聴いていくといいよというアドバイスに従い順ぐりに聴いていきましたが、なるほどなるほど。少しずつ舞台設定が明かされていくのでたしかに順番どおりに聴いていくのがベストかもです。でも話がわからねぇ!とまではならないので、お気に入りの子がいたら即聴いてみるかでOKだと思います。ただしハナヲさんは後にしとけ。
シリーズ共通の舞台は七霧学園という学校。その学校で噂される七不思議に「囚われた」6人の妖怪たちとの恋がテーマです。全員ぶん走破したわけですが、見事にどれもそれぞれに「妖怪と恋をする」を様々な視点から描いていました。それぞれの結末に至るストーリーは全然違うのでシリーズで聞いても飽きがこないね。あとやっぱビジュアルが素敵です。
そしてもうひとつ特色(?)が。
すべてのルートにがっつりアニメイトがでてきます。
(ひとつはアニメイトカフェだったけど。)
ええー!北海の魔獣あざらしさんグッズも置いてるっていうアニメイトさんにですか!?(ダイレクトマーケティング)
いやアニメグッズショップとかじゃなくてマジで「アニメイト」とはっきり明言されます。それぞれ外出にいたる経緯はあるものの、なにがなんでも実年齢数百年越えの妖怪をひっ憑けたままアニメイトへ連れて行くヒロインちゃんが剛の者すぎる。連れていくってか、妖怪ズが憑いたままで離れないから仕方なくそのまま友達と遊びに行く流れがほとんどなんだけどさ…。つよい。
さてそんなわけでせっかくなので幽幻ロマンチカの感想を順番に書いていくよ。少しばかり「ここがよかった」的なバレはするけどがっつりなストーリーネタバレは書かないようにするので、気になったらぜひ聞いてみてね。6人いるので前編と後編に分けます。
まずは『第壱の謎 攻め攻めな鴉天狗さま ヒフミ』。
(公式サイトから画像お借りしております)
攻め攻めて。正体は「鴉天狗さま」。ウィキ情報によると鼻が長い天狗のイメージは近代にはいってから定着したもので、本来は猛禽類の翼をもった天狗が主流だったんですって。
CVはKENNさんです。わかりやすいところでいうと逆転裁判のオドロキくんの声とか。(わかりやすいか?)wikiをみたところ色んな作品でレギュラーキャラを演じていらっしゃるので、きみの知っている作品にもでているかもだぞ。
ストーリーはまさに王道です。さすがシリーズトップバッター。攻め攻めというか、悪戯好きな年相応の男の子といった爽やかな感じでした。
まあ年相応いうても実年齢578歳だけどな。
キャラ設定にもあるように好きな子に意地悪したくなっちゃうタイプまんまでした。
本人曰く、「七不思議に囚われたゆえに恐ろしい天狗様にならなくてはならなかった」とのことでしたが、本来は人懐っこい性分らしくヒロインちゃんと触れ合っていくうちに全然そんなの風になれていないのがわかってきて微笑ましいです。アニメイトの外にあるワゴンのクレープを食べに行くシーンでのひと悶着とかもうただの青春謳歌中のカップルばりのイチャつきが見れます。お前らもう付き合っとるやろとわしの口から生クリームでそうになったわ。
とまあそんなツッコミとかこっち側がしているうちに、ヒフミくんの七不思議の依り代たる旧校舎の取り壊しが決まっていることをヒロインちゃんが知り…。焦るヒロインちゃんに対してヒフミくんはもう出会ったときから取り壊しの件を知っていたとのこと。七不思議に囚われた自分は旧校舎がなくなれば消えてしまうことも、全部知ったうえで最期の時間を楽しんでいたと告げます。前半の無邪気な青春っぷりから一変、切ない後半からは先は本編をお楽しみください。ラストシーンのとあるタイミングにある、
「なあ、それでも、ついてきてくれるか?」
の振り絞るような切ないセリフが胸にきた。
普段の明るい口調からのギャップがーッ!
幽幻ロマンチカのシリーズキャッチコピーの「おじょーさん、地獄の涯てまで憑いてきまっせ。」のセリフがここに絡んでくるかと。
とにかく王道かつ爽やか。青春×妖怪の切なさ(?)を味わいたい方におすすめ。
んで『第弐の謎 ツンデレな妖狐さま ザクロ』。
CVはさすがに声優さんに疎い私でもわかるぞイケメンボイス櫻井孝宏さん。いや全員イケボだけど。わかりやすいところだと最近だとおそ松さんですかね。
正体は「妖狐さま」。尻尾が9つあるけどいわゆる「九尾の狐」とは違うっぽい。
トップバッターのヒフミくんが悪戯好きとはいえ、そこそこ友好的な感じで出会ったのですが、こちらのザクロくんは七不思議の怪談のせいで寝床である理科室に肝試しにくる輩に辟易しており、おなじく肝試しに連れてこられたヒロインちゃんにマジギレモードでの出会いでした。ドスのきいた声で「食い殺してやる」「馬鹿女」という脅し文句も吐かれるわ、やれ鬼火やら骸骨の模型で襲われるわで妖怪パワー全開で威嚇されまくりです。
「あー、デレるまで時間かかって聴いてるのしんどいタイプかな?」と思ったら、人間に化けて生徒に紛れている時に、偶然とはいえ困っていたヒロインちゃんをぶっきらぼうに助けてくれたり、学食のきつねうどんを「うめえええ!」とはふはふ食べたり、わりかし早めにギャップ萌えをぶちかましてきます。ちょっと油断してたわ!やるな貴様ァ!(心臓をおさえながら)
過去のとある出来事から、人間を見下して信用していないから貸し借りを作らない主義でいるらしいですが、どちらかというと何かしてもらったらそのぶんの恩を返すという感じの義理堅さの面が強い硬派な子です。そんなわけでヒロインちゃんにも強めの言葉や態度で一定の距離を置こうとはするものの、結局なにかと文句言いつつ面倒見がいい兄ちゃん性分が透けてきてしまうのがほっこり。油揚げ系料理でめっちゃ餌付けされちゃうしな!
「いいか、お前は…。凶悪なお狐様を手懐けたんだぞ?人間の男どもなんか怖くねえだろ?」
後半、ヒロインちゃんのピンチに駆けつけ、取り憑いて安心させようとしたときのこのセリフがとても好き。ずっと口悪く素直じゃなかったのに、ここぞというときにはストレートに心を開いていたことを伝えてくるとか卑怯やんけ。さらにラスト近くのプライドをかなぐり捨ててヒロインちゃんを助けようとしてくれるザクロくんはマジかっこいいぞ。
諸事情でそのときはちょっと声カン高いんだけどさ。
そのあとキメるときはキメるから!
んで『第参の謎 気怠げな八岐大蛇さま イリヤ』。
正体は八岐大蛇さま。急に妖怪としてランクアップしすぎでは。神話に語られるレベルやないかい。(まあかのヤマトタケル伝説に語られる八岐大蛇とは別物という設定なのかもしれませんが)
CVは立花慎之介さん。ハイキュー!!の夜久衛輔とかやってらっしゃる方。(ハイキューみたことないのでどんな塩梅かわからないですが…)
いや彼がね! 最初のキャラ紹介から180度印象が変わったキャラでしたわ。シリーズの中で一番「妖怪との恋」について真正面から描かれていたと思います。
気怠げといいつつなんやかんやと主人公にちょっかいだしてきて、わりとアグレッシブな気がする。公式サイトのサンプルボイスが恥ずかしくなっちゃうようなえっろい感じで身構えていたのですが(実際ヒフミ、ザクロと聴いたなかで一番リップ音というかペロペロ的な音声は多かったですが…PCの前で顔を覆ってしまったよ)、蓋をあけてみたら色っぽいけど優しい先輩キャラでした。まあ先輩いうて実年齢763歳だけどな。(2回目)
他の七不思議の妖怪にはなかったはずの「取り憑いた相手の願いごとを3つ叶えてあげないといけないんだ」という言葉からすでに不穏でしたが、中盤からラストにかけての展開はまさに妖怪の恐ろしさと、その恐ろしい相手と恋に落ちる意味をはっきりと示してきます。そんななかでも妖怪としてできるイリヤの優しさが交錯してもうさぁああああ!このへんめっちゃ言いたいけどストーリーで一番ゾクゾクくるところだから聴いて!いやマジで!
「そんなの…もう呪いだ」
イリヤのこのセリフが重く響きました。ちょっと泣くかと思ったわ!
妖怪と恋をするというファンタジーだからこそ、異種の切なさを味わいてぇんだよ!という方におすすめ。幽ロマ第一シリーズのなかで一番ストーリー好きかもです。
短くまとめたはずなのにも全然長文になっちまったよ。後半に続きます。そのうち書くから待っててー。