BEST ALBUM The Right Path発売決定
今日はお知らせがあります。
タイトルにもあるとおり、自身2枚目となるベスト盤をリリースする運びになりました。
このベスト盤は前回のベスト盤以降に出た、
EP『ETERNITY BLUE』
6thアルバム『Rappelle-toi』
7thアルバム『HAIIRO DE ROSSI』
8thアルバム『The Time Has Come LP』
8th(CD)アルバム『The Time Has Come(Deluxe)』
の中から厳選して18曲を収録しました。
というのも最近制作していて、
「果たして俺のやってきた、ないし、やっていることは間違いのないことなのだろうか」
と常に考えていました。
もっと初歩的なとこで言うと「果たして俺はリリカルなのか」と言うのはかなり考えるようになりました。
これ、サラッと言いましたけどめちゃくちゃ大変なことで、
それは自分の半径の話じゃなくて、日本語を扱う人々の中での話です。
そして自分はそうあるべきだと、強く思うようになりました。
まあでもそれは作っていくうちにある程度確信が持てたのですが、
次に「もっと聴く人を楽しませる方法はないか」
とも考えるようになりました。
フと思い返した時にここ数年、年に1枚ペースでアルバムを出してきたけれど、
自分にとってヒップホップをやる上でのテーマみたいなのがある気がして、
上記のアルバムたちを聴きなおしていました。
軸といったらいいのでしょうか。
いや、なんかこう、見てくれとかではなく体の、心の芯にあるようなもの。
そう聴き返していくうちに、これは各アルバムごとにあるストーリーとは別のストーリーの見せ方も出来るのではないかと思ったのです。
やはり共通していたのは社会問題に対しての自分のアティテュードもそうですし、
何より弱者の立場に近いところの表現を大事にして来たように思います。
そこは本当にそれで良かったし、これからもそうでありたいと思います。
特にそれは今回のベスト盤で前回のベスト盤と大きく変わったというか、一番色濃く表れている部分じゃないかな、と思います。
例えばセルフタイトルのアルバムは個人的に今まで出したアルバムの中でも一番といっていいぐらい好きなムードの作品です。
ただ、あそこで描かれたストーリーに、その前後の作品や感情、エッセンスが加わることにより、
そのストーリーは色彩を変え、また違った感情を私に齎してくれたのです。
近頃やっと世の中がセルフケアの重要性について考えるようになってきて、
例えばLeave Me In PeaceやLifeline、Attitudeなどの楽曲は、
やっと届く時期に来たのかもしれないです。
ただ、私が望んでいる世界はこんなものじゃなくて、
語るべきことももっともっとあると思っています。
あるとき知り合いに
「例えば一枚も売れなくてもいい曲ができればそれで満足なんですか?」
と聞かれたことがる。
私は「はい」と答えた。
次に「もっと沢山の人に聴いて欲しいとか思わないんですか?」とも聞かれた。
私は「そうなったら素敵だね。」と答えました。
続けて「でもそれを目指して作ることはないよ。目的は音楽をやることだからね」
と答えました。
それは今も変わっていません。
お金がなくなってボロボロの生活になったとしても、逆に好きなものを何でも買えるぐらい稼いだとしても、音楽に対する取り組み方は変わらないと思います。
少し話はそれますが、今回の収録曲を選ぶにあたり、
Golden Bantamという曲があるのですが、
それはカセットテープのみ収録だった曲で、
音質もカセットの粗い感じだったのですが、
リスナーであの曲が好きという人が結構いたのもあって、
2022verとして再録音しました。
それにはもちろんリスナーの声も大きかったのですが、
ボクシングの井上尚弥選手の活躍も大きく影響を与えました。
曲名が直訳すると「黄金のバンタム」というボクシングを題材にした曲なので
当たり前と言えば当たり前なのですが、
昔からボクシングは好きで、ずっと追いかけているのですが、
井上選手は歴代最高のボクサーだと思います。
他分野ながら本当に力をもらっています。
あとはジャケットですね。
今回もムッチーさんにお願いしたのですが、
私がずっと頭にあったアイデアがありまして、
Sonny Redの某アルバムのサンプリングなのですが、
そのアルバムデザインが秀逸で、
Redの部分が赤色でデザインされていて、洒落てるんです。
どうせサンプリングするなら名前も掛けてそこをグレー(HAIIRO)にしたかったんですね。
形にしてくれて感謝してます。
元ネタ気になる人は探して見てください。
話を戻しますが、
日本に生まれて、ヒップホップと出会って、
20年近く続けてきて、満たされた部分もあれば、
今もまだ足りないと思うこともあります。
満たされた部分で言うとヒップホップがここまで大きくなったことは、
この文化に関わってる全ての人にとってプラスだと思います。
ただ、それとは別に私には私の基準があります。
それは人や世の中に求めてしまいそうになることもあるけれど、
結局は対自分なのです。
先にも書いた通り、目的は音楽をやることであって、
音楽を使うことではないのです。
それは今後私が出す作品でより明確になるでしょう。
今回のベスト盤は今年起こす動きの、一個目だと思ってくれれば
より楽しんでいただけるのではないかと思います。
7月下旬予定ではありますが、ズレる可能性もあります。
ただ、今回に関してはフィジカル優先で、
ストリーミングやダウンロードよりは先にCDが手元に届くようにしようかなとは思っています。
今まで聴いてきた人もそうでない人も、一度通しで聴いてみてくれたら嬉しいです。
ご予約はこちらから
それでは。HAIIRO