ロンドンの朝
すきな食べ物なに?
そう聞かれてすぐに答えられないぼくには、夢がある
雨がしとしと降る6月の朝6時20分の10分後の6時半
目覚ましにしているアップルウォッチの振動で起きる
湿気で天パの髪は爆発しているし、ベッドサイドに置いていた
本は少し湿っている
梅雨は本当に大変な時期だと改めて思う
おもむろにテレビをつけると、寝る前に観ていたトラムが街を走る
番組の影響でBSになっていたチャンネルが流れてくる
そこには男性の芸人と女性のタレントの方、アナウンサーらしき
進行役の方が家電を囲んで絶賛している
梅雨の時期のジメジメがなくなる!
カラッと晴れた爽快な空気!
などと大袈裟な言葉と口調で話している
除湿機
知ってはいたけどそんな家電なんてものに頼れるかと長年思って
毎年、少しだけ気分の晴れない梅雨の朝を迎えている
ぼくも家で使ってますけど、ほんっとにいいですよこれ
これがない梅雨の時期は考えられません!
そんな煽り言葉のようなもので誰が買うんだと通販番組を観るたびに
思ってきてもう長い
突然大きなゴミ箱のようなダンボールが届いたのは、その3日後だった
いつも通り少しだけ気分の晴れない梅雨の朝を過ぎ
今日は休みだからと趣味の明太子のつぶつぶ数えをしようかと思っていた
そんな矢先、ピンポーンと鳴り響いた
なんだこの大きな箱は…
そう思いながらも受取人が自分であることを確認して受け取る
送り主はだれかと伝票を確認すると、あの通販番組の最後に書いてあった
会社の名前が書いてあった
ピンポーンときた
違う、ピンときた
ぼくは
誰が買うんだ、のフリを自ら回収するという高等テクニックを
使って除湿機を購入してしまっていた
つづきは、Webで。