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21歳、深夜イートインにて。〖エッセイ〗

⒈ 21歳になりました。今までの感謝と今後の目標を綴ろうと決意してから二週間も経ってしまった。これをやんなきゃ、スッキリした気持ちで21歳を始められない。ので、遅ればせながら述べさせていただきます。

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⒋ 深夜マクドナルドにてぼっち・ざ・ろっく!の音MAD(1)を聴いていたらうっかり泣いちゃった、高円寺駅前店のカウンター席。やけに喉が渇き、ホットコーヒーのみで済ませるつもりがコカ・コーラを追加注文。しぶってSサイズにしたのを早々悔やみながら、氷が溶けた水をすすり居座っている。

⒌ 自分の時間を生きることは難しいとよく感じる。昔から何度もそう実感しているから、何度も思い出している、といった方が正確だ。カウンター席の目の前は全面ガラス窓になっており、白い壁と直面し続けるよりずっと解放感がある。最近はトラッシュボックス近くの角席がお気に入り。ここを間借りして、月極のコワーキングスペースにしてしまいたい。いや、そうするとかえって寄り付かなくなる気がする。先客に座られてしまうかもしれないドキドキと、夜な夜なチェーン店でパソコンをおおっぴろげるという造形が、特等席たらしめているんだろう。そんな当たり前を書いていて、つまらなくって溜息が出る。ボクにとっての当たり前だから、誰かは不思議がってくれるかも。音MADのあと続いて数曲再生され、今は富山県のローカルCMソング「ヨーデルの女」(2)柴田理恵さんと目が合っている。そんな夜です。

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⒍ シャワー中に思い浮かんだ内容を、体を拭いて、パソコンを開けて、Wordを開いて……なんて遠回りする間に忘れてしまいそうだったので、体を拭き、すぐに服を着て録音ボタンを押した。以前、インタビュー記事作成のためにインストールした優秀な文字起こしアプリ。性能の高さは十分知っていたから、演じ続けた。四十分ほど喋っていた。録音終了ボタンを押す。アップデートされた音声は、即文字データ化される。こりゃ良いハコ書きの資料だわ。まだまだブラッシュアップが要るけれど、一人で即興劇とか。よくやるわ。来年の夏にまた招集かけるからね、青春の仲間たち。誘いっぱなしで何にも稼働させない、なんてことにはしないからね。脚本、書くしかなくなっちゃったなあ。

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⒏ 守乃まもさんの「いちごジャムにチーズ」(3)はとてもいい歌ですね!歌声もギターの音色もとても良いです。ぼっちざろっくが好きなことがそろそろバレてしまいそう。

⒔ 鳥貴族行きたい。大学生の味方、な印象強いけど、その割には結構高値じゃないですか。昨今の物価上昇のせいでしょうかね。ボクの金銭感覚のせいでしょうかね。行きたいなあ。ワッフルと焼き鳥といちごミルクが飲みたい。
 カラオケバンバンに行きたい。あそこはいちごパフェが美味しいのです。あとジョイサウンドがあります。パフェを食べるついでに歌も歌えます。

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⒊ 体から接客が抜けない。抜ける髪の毛は日ごと束になって落ちる。毟る癖はいつからだっけ。抜けるならまだいい、ちぎれると枝毛が厄介だから、やめて欲しい。ボクはひどい猫背だ。ひっつめ髪が姿勢の悪さを6割増しに醜くさせる。安すぎる有線イヤホンは鼓膜から耳たぶ、果ては頭にまで痛みを与える。眼精疲労なのか眠気なのか低気圧なのか、はたまた地球の重力がすこーし強まってしまったのか、なんにも不明な午前一時。

 『砂漠で生きる路面電車』Full Album(4)聴き心地いいです。

 あ、先日エッセイを投稿しました。学校の課題で書いたものを、noteに投稿できるように編集したものです。よければぜひ。

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⒉やりたいこと・やれること・やるべきこと

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⒎ 家が好きじゃない。一人暮らしの家なんてシロモノ、自分だけの城じゃん!とは思う。実際好き勝手やらせてもらっている。でも家が苦手だ。帰りたくなくて、マックのメニューを開く。浪費とはこういうことを差すんだろうな、お腹は減ってないけどチキン食べちまおうかな。
 爽健美茶Mサイズとシャカチキを受け取ったタイミングで、店内飲食は二時までだと告げられた。午前一時五十分だぞ。相棒のパソコンを連れて、またさまようことになるのか。この夜じゅう探しても、居場所なんてどこにもないのに。二時までですが大丈夫ですか?はい。ボクも店員も、お互い「大丈夫な訳ねーだろ!」と心の中で叫んでいたに違いない。

 家にいると、やらなければならないことが分かるから嫌なのかもしれない。休息できる空間だからこそ、澄んだ頭はぶれることなく現実を鮮明に映す。家事やら課題やら、机上の書類群を無視するわけにいかない。ほっと一息ついてみたい。自身について、ソレを取り巻く環境において、思いを巡らせない日は一日たりとも無い。微かな夢に名前を付けるとしたら、どんな風に呼べるだろう。バームクーヘン・エンドこそ、愛国者であるボクが得うる幸せの頂点だと信じていた。ブートニアにはブルージャスミンが相応しい。

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⒐ 深夜四時ごろ、類似した性別の友達が鼻炎で眠れないからと枠(ネット配信のこと)を開いていた。フラッと入る。こんな時間に人が来るなんて、と驚きながら喜んでくれた。他愛のない、けれど僕たちにとっては重要な、そんな話をした。美しくなりたい。ただ生きてみたい。住んでいる地域は離れているし、よって交通費が高くつくし、来年の予定なんてほとんど未確定事項だけれど、一緒に遊びに行く話で盛り上がった。僕らはこうしていつも、どこかに行きたい話をする。こういう服が着たい、ああいうメイクがしたい、これは好きだ、それは嫌だ、スタイルは好きだ、骨ばって嫌いだ、コンプレックスが消えない、自信が無い、ここじゃない遠くへ連れ出して欲しい……。友達は、誰もが振り返るほど美人だ。友達に化粧をすすめたのは、他でもないボク。ああ、また遊びに行きたいな。どこへ行こうか。どこへだって行けるはず。知り合って五年以上経つ、まだ二回しか会ったことのない、これからも長く付き合っていく予定の、最高な友達。

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⒑ 朝陽を浴びてチャリを漕ぎ図書館にこもって一日中課題を進める有意義な時間、と予定をたてて予定に終わって家から一歩も出ず、バイトをしに夕闇とろとろ溶けていく……そんな日がもう一週間続いている。嫌気が差す。自分事なのに、うまくコントロールができない。やたらとお腹が減るし、なぜかお金が無い。時間と心と気圧の切迫感。暁山瑞希*¹の行く末を見届けなければならないのに、ただのゲームストーリーなのに、心が強く揺れてしまって少しづつしか読むことができない。ゆるく滲みだす夜に、少しずつ溶かして飲みこもう。

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⒒ ボクのことをさっくんと呼んでくれる場所が恋しくてたまらない。
 
  いつからこうなってしまったんだろう。

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⒓ 成人式の日が、人生で一番顔が浮腫んでいた。
人生まだ半ばですけれど、今後のお祝い事にはすっきりした顔で挑みたいから、顔が浮腫んでいた最高記録日は成人式でとどまって欲しい。
 まるごとかぼちゃプリンが食べたい。
 クアトロフォルマッジマカロニチーズシカゴピッツァニンニクカレーハンバーグマシマシスペシャル大人のお子様ライス全部乗せ、が食べたい。

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⒕ 人生はミュージカル!ショーマストゴーオン!ショーは終わらない。
演劇は終わらない。いつになれば、一体、いつになれば。

ドス黒い感情ばかりが飽和している。
体の中で風船が割れはじける。
パチ プツ  バツン。

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⒖ 兎にも角にも追われている。自分がやりたくて始めたはずなのに。いや、やらざるを得なかった?やるべきことを一つ一つ片づけなくちゃ。不動産の書類に判子を押して控えは受け取った、マイナンバー情報も更新した、あとは、ええと、確定申告と扶養について調べて、源泉徴収票と給与明細を受け取って、シフトの相談をして。とその前に、まずは学校のレポートを書かなくちゃ。レポートに取り組むために授業のシラバスと事前課題と導入動画を観て、そして図書館で資料を借りなくちゃ。あれま、図書館に欲しい本の取り扱いが無いらしい。仕方ない、ブックオフとメルカリで中古を探して、ありゃま、ここにもない。仕方ない、本屋で新品を購入。ありゃりゃ、こんなに高価なのね本っていうのは。作る過程に何人もの人がいて、時間がかかって、材料が必要で、ああ、働くってのは、お金と人と信用とが幾重にも重なり、複雑につながり合い、何をするにも責任ある行為なんだなぁ。ああ、働くって、来年から就活始めないといけないな...…

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⒗ どこまで知っているの。何を話したの。離さずいられるの。ボクは今、あなたの胸中のどこにいるの。どんなふうに振る舞えば、あなたの周りの人たちは、笑ってくれるだろうか。

もしも変わってしまったら。

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⒘ 短歌を詠めていない。先々月も、先月も、一昨日も、今日も。
もっと歌会に出席したい。短歌の公募にたくさん応募したい。

バーテンダーになりたい。

女の子になりたい。

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⒙ 人が倒れるときは、こんなに静かなのだと驚いた。目の前にいた人が突如、ペタンと一瞬小さな音を立て、力無く倒れた。空っぽの花瓶のようだった。人が倒れるのを、二回目撃したことがある。一度目は、電車で熱中症の人が倒れた。二度目は、コンビニ前で何の前触れもなく倒れた。どちらも大きな音を立てることなく、トサっと一瞬で、立っていた人の顔面が地面にあった。ナフキンがテーブルから落ちるのと大差ない。すぐに近くの人が駆け寄り「大丈夫ですか!聞こえますか!」と意識を確認する。どこかにいってしまいそうな、何かを、必死につなぎとめる。自分の周りの誰もかれも、お願いだから倒れないでいて欲しいと思う。倒れるときは頼むから、大きな音を立てて欲しい。助けにいけないなんて嫌だ。すぐに駆け付けるから、あなたをここへつなぎとめるから、だからどうか、健やかでいて欲しい。笑っていて欲しい。無理に笑うくらいなら、静かに座っているだけでいいから。

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⒚ 昼間はコーヒー、夜はホットティーと決めてある。夜にカフェインを多く摂取して、良かった日は無い。モンスターエナジー缶とブラックコーヒーを飲み干して作業した日は確かにあったのだが、何をしていたのかさっぱり覚えていない。ホットティーにもカフェインは入っているが、コーヒーよりも気持ちが落ち着く。覚醒しすぎないこの状態が、かえってバイト終わりにはちょうど良く作業できる。マクドナルドのイートインにて、最近の発見だ。やっかいなのは、空腹なとき隣にハンバーガーのセットをかぶりついている人がいたら、作業の難題さとは別の戦いが始まってしまうことだ。こうなったら、変に我慢せず夕飯を食べてしまうか、さっさと家に帰って冷凍庫のおにぎりをチンしてしまうのが吉。ポテト、ナゲットの匂いに包まれては課題の進捗が悪くなるし、我慢しすぎると食欲が暴れて爆発するからだ。
 お気に入りのカウンター席は今回も埋まっていた。

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⒛ 美味しいものを食べると幸せな気持ちになる。幸せな気持ちになりたければ、美味しいものを食べればいい。そうすれば、きっと良くなる。お腹がいっぱいで苦しくても、味がよく分からなくても、脂質と糖質が高いものを食べて、身体に詰めこめば、よくなる気がするんだ。あの日食べたケーキみたいなときめきを感じられるよね。ケーキを摂取したことで得られたのは虚しさだけだった。食べても食べても、胃に穴が開いたように痛む。飲んだジュースが肋骨から垂れ落ちる。ベルトの上に内臓が乗っている。深夜化けの皮が剥がれる。冷蔵庫の前で獣になる。喉が渇いて、のどごしの良いパンを飲みこむ。冷蔵庫が空っぽになってしまったので、仕方なく調味料に手を伸ばす。毛むくじゃらな己の手に気がついた途端、身体が芯まで一気に冷え、急いでさする。鼻から海水が出る。シンクにぽたり落ちる。鋭く伸びた爪先には錆が溜まり、赤く汚れている。しゃがれたうめき声しか発せなくなっていた。鏡は割ってしまった。枕は引き裂いてしまった。シーツに零れた野菜ジュースが、恐ろしい悪夢へ連れ去ろうと、部屋をガサガサ揺らしてくる。カーテンの向こうに、真っ白な胡蝶蘭の鉢植えが四つ、月明かりに照らされて光っていた。その奥ではハナカマキリが静かに眠っていた。紅茶はすっかり冷めている。朝日が昇ると、私はすっかり人間の姿に戻っていた。しかし爪だけは赤錆で汚れ、鉄の匂いを漂わせている。頭の打撲傷をさすりながら、頭痛薬を飲みこむと、鈍器の如きリンゴを芯まで残さず食べきった。

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21. 結局、何を書けば良いのか分からないまま、ここまで来てしまった。書きたいことは沢山あったはずなのに、もう何も思い出せない。これもまた言い訳だろうか。よく分からない。埼玉の山奥の宿坊に行きたい。海水浴場と名付けられていない、漂流物で溢れた浜辺に行きたい。レイトショーが観たい。閑散とした浅草寺や、人気のない巣鴨へ行きたい。
 絵は言葉で表せないことを形に残すための手段だ。
 音楽はずっと心の代弁者だ。今までは神様の音楽を聴いていれば、どんな心のざわめきも落ち着いた。ボクにはそれしかなくて、それだけが救いで、光って見えた。だけど、ボクも神様も時間が経つうちどんどん変わっていった。変化は悪いことでは無いけれど、寂しさが募ってしまうことも、必然で許されていることだ。音楽を聴いて、三日間気ままに過ごしてうんと長く眠れば、どんな不調も治っていた。不安な三日間を乗り越えるたび、ボクは脱皮して、更に成長できていた。バニラアイスと神様のカーステレオが、日常の賛歌だった。
 父から受けた影響は大きい。父は定期的に、ブックオフの百円コーナーから、文庫より大きくて絵本より小さいサイズの漫画を大量に買ってきた。同級生と語るにはマニアックなタイトルばかりだったが、面白く読んだ内容は、多少中身が難しくてもよく覚えている。初めて宮沢賢治を読んだのも、父がきっかけだった。たまたま与えてくれた「注文の多い料理店」は、今ならその本選びのセンスの良さが分かる。父のことはずっと、嫌いたくないと思っている。まあしかし、そこは良い塩梅で仲良くしていこうと思う。上京後、文芸コースに入学してすぐ、広辞苑を買ってくれたのも嬉しかった。表紙にミルクティーを零してしまったのだけれど、中身は綺麗に大切に使わせてもらっている。ありがとう。
 我が家では、両親…主に母にプレゼンして納得を得れば投資を受けられるという、保護&放任、もとい責任感&信頼度で動いているシステムだ。報連相をしっかり行えば、基本的に自由にさせてくれる。転んだらその痛みから学びを次にいかせ、反抗期はこちらも全力で反抗するぞ、サンタさんはいるよ、という家だ。ボクは母の教えが好きだし、かっこいいクイーンだと思っている。親孝行は既に、メゾン・マルジェラをリクエスト頂いている。これまたセンスが良い。大成するから待っていてねマイ・クイーン。
 来年横浜アリーナに行く。初めて行く会場、約五年ぶりのライブ、視界に映す神様、隣にいる君。まともに受けたらおかしくなってしまいそうで、チケット当選の実感を、一度に感じないようにしている。共感とか感動とか、喜びとか、自分の心が揺さぶられるのが面倒臭くて、まともに食らうのが怖い。恐怖で動いていることばかりに思える。いつも何かに怯えている。足が宙ぶらりんで、どこにも定まっていないような心地が常にある。ボクの名前の在り方も袖の振り方も歩く姿勢も不安定で、低音を失った代わりに得られたものを未だ見つめて精査してしまう。顔を覆って蹲りたい情動が、肺に張り付き黒く濁る。水槽の中で生きる妄想をする。エラ呼吸の軽やかさを想像する。気の抜けた日中に得られた学びは、蛇にはペニスが二つあることくらい——
 図書館に来ている。ボクが図書館に行く日は、いつも雨だ。濡らすわけにいかないものを多数抱えて必死に行かねばならないものだから、雨の日を選りすぐっているわけでは無い。天気雨が外にいる時間に限って降ることなんて、本当に腹が立つ。やるべきことをやるために、やりたいことをやっている。これを終えたら、やるべきことをやって、余裕ができたらボクにやれること・やった方がよいもの・伸びしろがありそうなこと、をやる。まあ、今日はやるべきことで手一杯だろうが。
 バーテンダーという仕事は、新たな表現方法の獲得だと今は考えている。お酒一つ一つに、原材料を創る人やプロデュ―スする人、名前を付ける人にパッケージデザインをする人、マーケティング、広報イベント、瓶を売る人、カクテルにして提供する人、などなどエトセトラ。多くの人の想いと歴史が背景にあって、それはお酒だけじゃなく日常生活に必要なあれやこれ、その全てに当てはまること。道具も技法も、作り手がどうしたいのかにかかっている。美味しいやり方、正しい使い方は、手段・選択肢としてそこにあって、使う人が何を選び取るかという、表現が完成を決める。短歌も音楽も、綺麗な正しさとか、通例とか、こうするとこんな効果が得られるとか。たくさんの技法があるなかで、何を選び取るかが一番大事だ。伝えたいことを届けるためには、沢山選択肢を持っておいた方がいい。短歌ならば季語、カクテルならばお酒。ボクは、想いを言葉にするため、うまく伝えられるようになるために文芸を学んでいる。そこからさらに想いと情景を記憶に残すため、短歌を詠んでいる。言葉にできないモヤモヤを整理するため、音楽から受けた感動を放出するため、絵を描いている。バーテンダー見習いとして、美味しいは楽しいんだ!と感動した気持ちを、いつか他の人にも知ってもらいたい。一日の疲れが少し軽くなって欲しい。良い香りと見た目に癒されて欲しい。バーテンダーから教わったことを余すところ無く身につけて褒められたい。お店のファンを増やしたい。やるからには積極性と向上心を持ち、不器用で鈍くさいけれど、野心をもって挑みたい。言葉や歌や絵ではうまく表現できないことを、カクテルを使って表現できたら素敵だと思う。ボクにできること、ボクの表現手段がひとつ増えたら、世界の見え方が少し広がる気がする。まだ何にもうまくできないし、失敗ばかりだけど、伸びしろしかない成長過程を自分自身で楽しみたい。
 本当は一日中眠っていたいし、突然空から20万円舞い降りて欲しい。チョコレートだって食べたいし、こたつでミカンと筑前煮食いながら日々を終えたい。疲れは取れないし、胃に穴が開きそうな事件ばかり起こる。毎日、毎日、毎日、頑張っても頑張っても正解の頑張り方が分からない。あーうー、叫んで何も考えず、日差しを浴びてぬくぬく竿に干されてたい。
 はぁーっと大きな溜息を吐いた。仕方あるめぇや。一進一退なこの日々を、ボクはまだ愛してやまないから。

21歳も変わらぬご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。
野々瀬 雀


〈注〉
暁山瑞希 | プロジェクトセカイ攻略Wiki

(1)ぼっち・ざ・ろっく!音MAD

(2)ヨーデルの女

(3)守乃まも「いちごジャムにチーズ」

(4)『砂漠で生きる路面電車』Full Album


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