劇場版アイカツプラネット!/アイカツ!未来へのSTARWAY感想
※見出し画像は上記予告動画より
はじめに
2022年7月15日より公開を開始した『劇場版アイカツプラネット!/アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』を友人と観てきました。
アイカツシリーズは非常に大好きな作品であり、特に『アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』は予告、あらすじの段階から大きく感情を動かされるだろうことが予見され、わくわくとドキドキでいっぱいでした。
結果として、『劇場版アイカツプラネット!』、『アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』共に期待を十二分に満足させる内容でした(劇場版アイカツラストのいちごの言うところの「大大大満足!」である)。
この熱が冷めないうちに(既に記憶は飛びつつある…)、1回目を観た時点での感想を書いておこうと思います。この先ネタバレあります。
1.『劇場版アイカツプラネット!』感想
1-1.ストーリー全体を通して
あらすじや予告の段階で『ねらわれた魔法のアイカツ!カード』のような賑やかなお祭り作品になるのだろうと思って臨みました。
その予想通り、舞桜/ハナをはじめとした8人それぞれにスポットがあたり、各々の「個性」(『アイカツプラネット』が大切なものとして描いてきた部分)が見える物語になっていたように思います。
TV放映25話同様に、『アイカツ』シリーズであることを意識させられる斧、崖登り、パラシュートダイブもあったのは嬉しかったです。
ただ、生身の人間が斧を持つと途端にはらはらしましたね…。
お祭り的な物語でありつつ、「みんなの心に花を咲かせる」という22話で明かされたハナに込められた願いを再度描き直す話にもなっていました。
今回はアイカツプラネットと現実世界、いずれにもまたがって手形による花が作成され、最終的にハナに還ってくる構図となっていました。
「みんなの心に花を咲かせる」という在り方自体がハナにとっての「花を咲かせる」ことであり、同時にそれはアイカツプラネットの世界に留まらず、舞桜自身にとっても意味があることが見えるようでいい描写だったなぁ、と思います。
『アイカツプラネット』は復習が足りず、まだまだ素敵なところを見逃してしまっているような気がします。
1-2.個々の良かった!ポイント
ここからは雑多にここよかったなぁ、を列挙していきます。
キューピット/アンのステージ
何より良かったのはやはりステージです。
アイカツプラネットのステージ演出はやはりとても好きなのですが、今回のキューピット、アンのステージもめちゃくちゃ良かったです…!
曲調もダンスもとても可愛く、「パッパッパリラ パッパッパッパラレラ パッパラパッパ」の箇所なんかもとても楽しかったです。
劇場じゃなければ何度か「うっわ可愛い~~~!」と漏らしていましたね…(静かにガッツポーズを何度かしていた)。
ハナ/ローズのステージ
ハナ/ローズのステージはかっこよかったですね。
クラップがめちゃくちゃ気持ちよく、劇場じゃなければ(以下略)
お馴染み舞桜の同級生トリオ with 瀬川ァ!
TV版シリーズからとても好きだったのが舞桜の同級生3人組です。
今回は感謝祭のスタッフに大抜擢(?)され、瀬川さんと一緒にわちゃわちゃしていたのがとても、とても賑やかで楽しかったですね…。
瀬川さんによる喧嘩両成敗 with 熊手→「ステイ、っすか…?」「ステイ」の流れ良いよね…。
響子先輩のドラム演奏
あれはご本人ががっつり叩いていらっしゃる…?
びっくりしたし、カッコよかったですね。
ビートではなく、響子先輩として大勢の人がが観ている中でドラムを叩く、というのも意味深いものだったと思います。
紗良さんプレゼンツのファッションショー
あゆみさんがかっこよかったです。
……いや、本当に、めちゃくちゃカッコよかったですね、あれ(予告でもちらっと映っているやつです)。さすがに「やば…」と声が漏れました…。
2.『アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』
2-1.感想に先立って
同時上映でありながら、こちらへの期待が本当に本当に大きかったです。
178話+αの物語を駆け抜けた作品です。
そして、そのなかで何度も積み重ねた物語が、繋いだラインが大きく感情を揺さぶってきた作品です。新作、しかも「卒業」を描くとなれば期待は高まって仕方ありませんでした。
私の場合、『アイカツ!』および他『アイカツ!』シリーズを一昨年完走したばかりでしたが、それでも記憶が薄れてきた部分はあり万全を期して復習してから臨みましたが、やはりやっておいて良かった気はします。
復習も完全には間に合いませんでしたが、以下のエピソードは観ておいて良かったと思います。やはりソレイユの物語という側面は強いので。
もし、再度観に行く方や、これから観に行く方がいればご参考までに(ほかにも観ておくといいエピソードある気がしますが…)。
37話「太陽に向かって」
50話「思い出は未来のなかに」
71話「きらめきはアクエリアス」
75話「アゲイン♪オフタイム」
87話「ソレイユ☆ライジング!」
88話「伝説をつむぐ場所」
96話「レッツ!あかりサマー!」
97話「秘密の手紙と見えない星」
125話「あこがれの向こう側」
146話「もういちど三人で」
そして、半分予習でしたが、以下を事前に聴いておいたのが効きました。
まぁ、コスモスに焦点化するならそうなりますよね(当時フォトカツをやっていなかったのでコミュを見られなかったのが悔やまれる…)。
2-2.ストーリー全体を通して
『アイカツ!』の178話+αの物語を追うことは、この3人の歩みを、絆をずっと追ってきたことを意味すると思っています。
だから、ソレイユというユニットを抜きにしても、いちご・あおい・蘭の3人はやはり特別です。少なくとも私にとってはそうです。
だからこそ、「卒業」とそれに伴って道が分かれ得ることは不安で少し寂しく思う気持ちもありました。
しかし、ソレイユの3人は早いうちからこの点を意識していました。
いちごのアメリカ行きに伴う一時的な別れがあり、また、いちご帰国後はそれぞれがそれぞれの得意分野でアイカツをし、初期の頃のように一緒にいることは少なくなっていることは度々明言されてきました。
そこで効いてくる「約束」がいちご渡米前のステージ直前に語った「思い出は未来のなかに」でした。
その「約束」はWMとのユニット対決で果たされ、そして、更に未来へ、未来へと続くものとして再び契られました。
それは3人が3人ともますます忙しくなるなかでも変わらず、125話に至る時点では「ソレイユを続けること」が3人の夢になりました。
本作『アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』はソレイユのこうした歩みの延長に確かに位置づけられていました。
寂しい気持ちはありつつ、安心して観ることができたのはソレイユが結んだ絆、約束をよくよく知っていたからだと思います。
もちろん、それを何より知っていたのはいちご・あおい・蘭の3人です。
あおいが臆することなくアメリカへの留学を決意して話せたことも、その背中をいちご・蘭がためらわず押せたことも、全部、全部3人が紡いできた足跡によるものだと思うのです。
ところどころに目をやれば、50話を思い起こさせる描写が少なからずありました。
あおいの留学先がアメリカであること、食堂でいつの面々に発表すること、それを聞いてショックを受けるおとめ、そして何より、OPではアメリカへ向かう50話いちごの後ろ姿が登場します。
あの涙の別れから4年。ソレイユ復活からは2年ほどでしょうか。
より強固に結び直された「約束」が、「卒業」という節目を前にしてしっかりと見える物語になっていました。本当にありがたいね…。
ただ、主眼はソレイユ3人の「約束」が強固であったことを示す、ではないでしょう。
「MY STARWAY」の歌詞にある通り、「時を越えて、きっと会えるその日まで頑張る約束」を結び直すことこそ大事だったと思います。
これはソレイユ再結成以降に何度か描かれてきたことでもあります。
87話で再結成にあたってそれぞれの仕事ぶりを見たなかで、あるいは146話で、それぞれがそれぞれのアイカツを頑張ることで、ソレイユはより輝くユニットにできる、と。
だからこそ、いちごが最後に語ったなりたいアイドル像は「次に会うのが楽しみなアイドル」なのだと思います。
それぞれがそれぞれのアイカツを頑張ることで、未来のなかでもう一度ソレイユとして輝こうという「約束」を描き切った素晴らしい物語でした。
その点で、主題歌「MY STARWAY」の歌詞が非常に効きました。
OP映像で描かれていた通り、3人の「STARWAY」は分かれていきながらも、最後は合流するのです。
そして、そんなソレイユ3人が駆けていく日々はまた「トクベツになる」のです。
ああ、カレンダーガール…。
2-3.個々の良かった!ポイント
OPの「MY STARWAY」
ごくごく普通に涙が止まりませんでした。
既に歌詞に言及している通りですが、ソレイユのこれまでの物語、これからの物語がよくよく見える内容、そして、それを映像に落とし込んだOPと隙がなく、もうダメでした…。
OP映像にたっぷりこれまでの物語が詰め込まれていましたが、全部拾えたか、覚えているかという既に怪しいですが、以下は特に良くて記憶に残っています。
50話ラストで飛行機へ搭乗するため駆けていくいちご
77話ラストで「これは私のストーリー」と髪を切るあかり
OP「SHINING LINE*」ラストのいちご・あおい・蘭の繋いだ手から空へと駆けていく光
また歌詞の「今別れも気づかないの 特別になっていく予感」は当然「カレンダーガール」を意識したものでしょう。
「カレンダーガール」が歌う「何てコトない毎日がトクベツになる」は50話や、1番の「オトナはそう言うけれど、いまいちピンとこないよ」を踏まることで、別れや振り返りのなかで、過去の何気ない日々が「トクベツ」であったこと実感するものだと思っています。
だからこそ、「MY STARWAY」の上記歌詞は、ポジティブでありながら別れを感じてどうしても寂しくなってしまうのでした…。
もちろん、再会を意図した曲ではあるのですが、それでも、それでも…。
EDの「カレンダーガール」
ちらっと感想で「最後が…」みたいなことを見かけて恐らく、と身構えていたんですが、身構えていても、もうどうにもなりませんでした…。
感情が溢れすぎて、イントロ流れた瞬間に頭を抱えていました。
50話だし、125話だし、「MY STARWAY」だし、それだけ込められて殴られてしまったらもうダメだ…。
いちご「一緒に住む?」
幻覚?
「ソレイユの3人が卒業後、一緒に住むとかあったらいいな~!!!」と妄想を重ねていたわけですが、さらっといちごからその話題が出て、2人ともどこか好意的に受け止めていて狂ってしまいました…幻覚じゃないよね?
いちご「おやすみ。おやすみおやすみおやすみ!」
幻覚?(2回目)
寮を出るということは、すなわち、いちご・あおいの6年間の共同生活、というよりは一緒に寝る時間が終わることでもあります。
少なからず、いえ、大いにここに寂しさを感じていたのですが、それがいちご・あおいの関係性らしさを込めたやりとりで表現されていて、本当に本当によかったです…。
いちごは「1人じゃ起きられないかも!」と言っていましたが、次のシーンでは1人で起きていますし、カロリー計算のことだって、アメリカで1人でやっていたことを考えればきっと問題ないのです。
お互いにそれをきっと分かりながら、それでいてあのやり取りをした、という事実に2人がこの生活を愛しく想っているだろうことを読み取って悶絶していました。
そういえば、あのシーンでいちご・あおいがあおいのベッドで一緒に寝ている描写が挟まったと思うんですが、これは幻覚ではないですよね???
本当????????
あおいを訪ねる蘭
とても良いシーンだったと思います。
いちご・あおいの部屋でありながらいつも蘭がいる、という光景はTVシリーズの段階から本当に好きでした。
あおいが午前中オフと聞いて当たり前のように訪ねてくる蘭の描写にもその関係が見て取れてとても嬉しかったのです。
蘭とあおいの関係は、当然いちごとあおいのそれとは違います。
いちご・あおい間に流れるそれとは違う形で、同じように強固に信頼していることが、進路をめぐるやりとりによく見えました。
アメリカに発ついちごを見送り、いちごの居ない1年間を過ごした2人だからこそのコミュニケーションのようにも思えた描写でした。
ミヤとヒメの電話
進路を考えるいちご達について電話で語り合うミヤとヒメの描写はとても良く、また強い意味を持ったシーンだったと思います。
2人はそれこそ互いの道が大きく異なった2人であり、現在のソレイユが辿り着きうる1つの可能性でもあります。
もちろん、3人の今の夢は「ソレイユを続けること」なので道は同じではないでしょうが。
この2人が示すのは、たとえ道が異なったとしても関係は続いていくこと、そして、47-48話で描かれたように、離れた時間が長かったとしても、その隣に立てばどんなときでも輝けることです。
あのやり取りの後ろで「Wake up my music」が流れていたのは素晴らしい演出でした…。
それはそれとして、バスローブ姿でワインをくゆらす織姫学園長の絵面がちょっと面白かったですね…(髪巻いてない織姫学園長もお綺麗であった)。
Yes!かえユリ!
かえユリが好きなんです(自己紹介)。
OPでかえユリが2人で登場して、人体切断マジックで驚くユリカ様、という構図は単純に面白くて良かったです。
やはりユリカ様、リアクションが良い。
これで満足だー、と思っていたらかえでからの連絡を受けるユリカ(やはりそこに連絡するんだ…)、ユリカのためにパラシュートダイブでにんにくラーメンを持ってくるかえで、と仲の良さを見せつけられてとてもにこにこにしていました。にこにこ
その後「あかりちゃん家」から三々五々に帰って行く際も、かえユリが同じ方向に帰って行ったのを見て、こう、にこにこですね、していました…。
……全員寮だから三々五々に別方向に帰るのはおかしいのでは???
ぽわプリツッコミ劇場
おとめちゃんがお菓子を引き継いだ、と言っていた際、誰しも「賞味期限は大丈夫なのだろうか?」と思ったはずですが、そこでちゃんとツッコミが入ったのは楽しい描写でした。
星宮世代
我々はいちご達をずっと見てきたわけで、彼女たちがとてつもないことはよくよく知っています。
しかし、あくまで我々が観ているのがいちご達だけだからなのかも、という気持ちもありました。
今回、「星宮世代」とジョニー先生が表現し、彼女たちの卒業がスターライト学園にとっても1つの節目になる、と織姫学園長から明言されることで、やはりいちご達は凄かったのだなぁ、と感じ入っていました。
あおいの夢
あおいが後輩たちから頼られ、慕われていることは度々描かれてきました。
71話では、織姫学園長をしてスターライト学園の柱になれると言われていたのもあおいでした。
いちごを見出し、豊富な知見から的確にアドバイスを送るあおいの将来像として、先生という選択は誰しもが1度は考えたことがあると思います。
それに加えて、先生になりたい動機としてあげられたのは97話「秘密の手紙と見えない星」で描かれたそれに重なるもので、とても感動しました。
見えないけど星はいつもそこにある。
これはいちごからあかりへと送られ、あかりを支えた言葉ですが、元を辿るといちごに向けてあおいが認めたものでした。
そのあおいが、この言葉のままに進んでいくのはとても素敵なことだと思います。
これはまっっっっったくの余談ですが、「見えない星」と「アメリカの大学に進学」、「勉強をしたい」という発言で、『少女歌劇レヴュースタァライト』の星見純那がめちゃくちゃに重なったりなどしました…。
いちごとあかりのステージ
言わずもがなでしょう。素晴らしいステージでした。
「星空のフロア」をこうした形で聴くことができてとても嬉しかったです。
フォトカツ当時にアイカツをちゃんと履修しておらず、フォトカツ文脈を抑えられていないことが心残りでなりませんが…。
そういえば、178話で描かれたあかりからの「いちご呼び」は今後ある、って感じなのでしょうか…?
おわりに
以上、『劇場版アイカツプラネット!/アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』を観てきた感想でした。
既に色んな記憶が漏れている気がして、語り残している気もしますが、上映期間中にもう一度観に行って補完できるといいな、と思います。
本当に嬉しいことに『アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY』は続編も決定し、こちらはいちご世代揃い踏みになりそうで、とてもワクワクしています(そして少し寂しい)。
こちらではソレイユのステージが観られるといいな、なんて期待しています。
「星空のフロア」も来たし、今度は「Sunny Day Little Sunday」来ませんかね?期待していい?
そして、『アイカツ!』の新作物語が来たのと同様に、スターズ、フレンズ、オンパレ、もちろん、プラネットにも新作が来てくれたら、と願ってやみません。
個人的には特に、特にスターズの続編が観たい…。
最後に、特典フィルムですが、私は50話「思い出は未来のなかに」から、いちご・あおいの別れの直前のカットがあたりました…。
上に書いた通りの感情を持って観ていたので、ちょっと嬉しすぎます…。
友人の1人は37話ソレイユ結成回から蘭が「Tristarを脱退しました」と宣言するシーン、もう1人は89話はユリカ様が棺桶から目覚めるCMのシーン、といずれも素晴らしいシーンばかりでした。
本当に本当に、観たいものがたくさん見られた映画でした。
素敵な作品に出会えたことに改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうアイカツ!
2回目感想も書きました