サハリンロック
アイヌには文字がなかったのでその歴史や重要なことなどはすべて、ウポポ(歌)で伝承された。沖さんによると北海道アイヌには縄文時代には楽器もほとんどなく、あったのはムックリ(口琴)ぐらいだったという。沖さんが想像するに、ウポポはその場にいる人々が輪になって手と手を取って回りながら歌ったのであろうと。私は与那国島でこの縄文式の歌がいまだに存在するのをこの目で見た。それは「どぅんた」と呼ばれている。まさにその場にいる人が輪になり、隣の人と両の手をつなぎ歌に合わせてゆっくりと回る。そしてつないだ手を掛け声と共に天に向けて高く上げる。
私は一度これに参加したことがある。その時は「原始的舞踊」と理解したが、今思い返してみれば確かにあれは「唄」だった。縄文的唄を体験したことを今後の活動に生かしたい。