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父になる&父の記憶

前回の投稿で無事に結婚式も終わり数日経ったある日、奥様から子供が出来たと報告されました。

私は遂に父親になる日が来たのかと思いました。
まだこの時は自分が父親になる実感が余り湧きませんでした。

私は自分の父を思い出しました。
私の父は物静かでちょっと、だらしない人でした。

いつも髪の毛は余りセットせず無精髭だらけで顔の彫りが深くやや外国人みたいでした。

子供に優しく母との関係も良好でした。
父は休日になると家族を連れ出して色んな所へ遊びに連れて行ってくれました。

小学3年生の時に平日にも関わらずいきなり
「今日は休み」と言ってディズニーランドに連れて行ってくれたのを今でも良い思い出です。

そんな父ですがギャンブル好きで仕事が終わると毎日のようにパチンコに行ってました。
パチンコ以外にも競輪が好きでテレビでよく
競輪の結果を見てました。

子供の頃は知らなかったのですが父はギャンブルに狂い借金を作っていたみたいです。

小学4年生の冬の金曜日、父は家族が寝ている朝の時間に家を出ていきました。
仕事で早く家を出たのだと思っていました。

父と金曜ロードショーを見る約束をしていました。
21時になっても帰ってこず、私はまたパチンコにでも行ってるのかと思い1人で観ました。
映画が終わるまで父は帰ってこず寂しさを感じながら布団に入りました。

眠りにつくと夢を見ました。
夢の中で父がにっこり笑い私の頭や頬を撫でました。
夢の中で父に話かけたかったのですが話しかけられないまま夢が終わりました。

朝になっても父は帰って来ておらず私は不安な気持ちになりました。
電話が家にかかってきて母は祖母を呼びました。

母から父は仕事で怪我をして警察署にいると言われました。
母と私と妹と生まれたばかりの弟と祖母で警察署に向かいました。

警察署に着いても車の中で待たされるばかりで父には会えません。
待っていると家に帰ることになりました。

家に帰ると叔父が家にやって来て居間に置いてあるテーブルを母と片付け始めたりして何がなんだか分かりません。

私は祖母に
「いつお父さんに会えるの?」
と聞くと祖母は顔をしかめながら
「お父さんはね、会社の車の中で死んでいたの」
と聞かされました。

私は祖母が何を言ってるのか分からず悪い冗談でも言っているのかと思いました。
しかしそれは悪い冗談ではなく家に葬儀会社が来て棺が運ばれました。

そこで初めて変わり果てた父と対面しました。
人生で初めて見た遺体は父でした。
目は開いたまま何処か遠くを見つめるような目でした。

私と妹は訳が分からず、とにかく泣きました。
私は
「何でこんなことになったんだ」
「何で俺のお父さんが」
と。
その日の夜は眠れずに起きていると私が寝ていると思っていた母と祖母が会話をしていて
「何で自殺なんか…相談してくれれば」
と話していました。

私は何で自分で死ぬことにしたのか意味が分かりませんでした。

お通夜も終わり火葬され骨になった父を母と
一緒に骨壺に入れ葬儀は終わりました。

私の今までの人生は周りの友人と比べると失敗ばかりの駄目な人生かもしれません。

けれど、どんなに嫌な事があっても産まれてくる子供の為に悲しい思いはさせないよう生きようと思いました。

今回の投稿はここ迄にします。
貴重な時間を使い読んで頂き誠にありがとうございます。



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