【連載】~勤務時間(と1日の流れ)~
始めてみて第2回。こうやって発信できる機会を生かせるのも、
今だけだと思うので、喜びと感謝です。
宜しければ、ご興味のある方はこちらも併せてどうぞ!
僕について自己紹介を最初に投稿しました。
随時更新する予定です。
毎度、自分のことですが。
全てのお店がそうではないので、参考までにご覧ください。
ー勤務時間についてー
本題です。
僕の場合は出勤9時30分、退勤23時過ぎが付きの大半でした。
拘束時間だけで言うと...考えたくもありませんね(笑)
もっと長い人もいますし、通勤で時間がかかったら、家にいる時間なんて。寝るだけのために帰ってたりしますよね。
もちろん、これは36協定など関係なかった頃のお話し。
<<勤務時間が話題になると、実際の給与形態も気になりますよね?
雇われ料理人の(正社員だった)場合、基本給、役職手当、勤務手当などを頂いていました。
「勤務手当」=「見なし残業代」で毎月の合計勤務時間が法律で規定されている時間以内になるように勤務し、超えた場合に残業代が発生しました。
拘束時間と書いたのも、実際には休憩のあるお店が多数。
ランチタイムのオーダー時間を11時30分~14時30分とします。
ディナータイムの営業は17時~23時。
ラストオーダーはフードが22時、ドリンクが22時30分と決まっていました。
ー勤務実態 内容ー
少し詳細を。実際にどんな流れで働いているのか気になりませんか?
出勤は、ランチタイムの準備(立ち上げ)があるので9時30分や遅くても10時には動き出していたいかと思います。
通勤時間にもよりますが、遅くても8時30分には家を出ます。
(朝食は現代人らしく摂っていませんでした。
後述しますが、夕飯の時間が24時近くなることもしばしばだったので。)
朝一番に仕込みをしなければならない日もあったりします。
ピークタイムがオープンから13時前までだとすると、その時間から片付けと仕込み、段取りがあり、その上で掃除やゴミ捨て、納品物の片づけなど。
人数がいればそれは、営業班、仕込み班、片づけ班など分担できますが。
常にメンバーが揃っている訳もなく、毎日営業をするお店は、フルメンバーが集まるのは週末などの集客が見込める日だけだったりします。
賄い後、15時過ぎから16時30分くらいまでは、各自で休憩します。
伝票の整理など事務作業を行ったり、お客様からの問い合わせのお電話対応や来客、テナント管理会社からの訪問、飲食店を扱うサイトなどの営業。
ずっと休憩中に静かなのは、コロナ禍になってからだと思います。
さて、これらはグレーゾーンでやっていましたが。休憩は休憩。
人数もいないお店であったり、自営の方はどうでしょう。
分担しようにも人がいません。ですから誰も、「自分の休憩時間が!」とは言いません。(いや、実際言ってましたw)
特に独立を考えたり、管理する側になりたいのなら通る道だと思います。
それがきっかけで、そこから顧客を獲得していかなければならないので。
そしてディナータイムの営業時間が17時から22時や23時まであり、お客様がお帰りになっても洗い物がお店に残ります。
途中で夜ご飯の賄いがあったり、お店を閉めるための掃除、ゴミ捨て、洗い物、消毒、発注、明日以降の予約の確認や仕込みの打ち合わせ。
もちろんこれらは業務をしながらなので、メモを取る時間も無かったりが、当然あります。
などやっていると、「あら?もう終電?」とか(笑)
拘束時間14時間とか。
<<特に昔気質な諸先輩方の中には、就業時間後のミーティング(コンビニからお酒を買ってきたりして)を好む人々もいました。
確かに仕事中には話せない内容の話や、モチベーションの話、反省、雑談など、1日の半分以上を共にし、家族よりも長く一緒にいる仲間ですから、ないがしろにはできないのですが。
それが苦痛だった時も無くは無く。しかも僕は下戸という…
(このnoteが元上司に見つかりませんようにw)
でも、そこまでやらないと続かないお店も沢山あります。
(あ、就業後のミーティングではなく、業務ですよ)
夜ご飯を食べ、家に帰って、お風呂に入って。
2時、3時になるのも当然あります。
営業で動き回る皆さんも体力を使いますが、飲食業はそのほとんどの時間で立っていました。間に休憩をまわす店舗もあります。
新人で、体が慣れない頃はふくらはぎがパンパンに張っていたり、姿勢が悪いと体のあちこちが痛くなったり。
そのため、休日は寝て終わるなんてこともしばしば。
なんで続けるのかと聞かれたら、
「料理が好きでいつか自分のお店を持ちたいから}
それが僕を支えてくれていました。
色々な業務を覚えていくにつれ、気付いたら脚の張りなど感じないような体になっていました。
ーまとめの前にー
今回、言いたかったのは。
「ここが飲食店の悪い所だよ!」ではなく、そこまでして、自分の時間を
犠牲にして、それでも大好きな飲食業を、あなたの食卓を支えている人達がいるということなんです。
僕は飲食店の従事者としては26歳という遅いデビューでした。
それまでは、料理人はみんな中卒でガラの悪い、
行く当てのない人がなる職業だという偏りに偏った見方をしていました。
しかし、学力というものが通用する部分以外に、地頭(じあたま)の強さ、柔軟性、対応力、アレンジ力、想像力、おもてなしの心、美味しいものを作る感覚。
学校では指標のない部分でのエキスパートが沢山いる世界です。
いい大学を卒業し、飲食以外の会社に就職し、飲食店を利用する側になった方には、理解できない部分があるかも知れません。
(僕は地元の私立4年生大学(理系)を卒業し、一度IT関連企業に勤めた後の転職でした。)
人の気持ちを考えられない、1か0かの超デジタル思考の人間でしたが、
人の気持ちという数字にならないものを沢山学ばせて頂きました。
TOP画の写真について。
当時、カナダへ就職した後輩が、”SUSHI”をカナダの同僚に見せたい。
とのことで、動画にしたことがあったので。
一応動画リンクも張っておきます。こちら
ーまとめー
拘束時間が14時間超で、大好きな料理だけをやっている場合じゃない。
そんな(僕なりの)飲食店経営の実情を少しでも理解していただけた様でしたら、この記事を書いた価値もあるのかなぁ。
と思いました。
エピソードには個人差があるので、もっと沢山のタスクを抱えていた方も
いらっしゃるかと思います。
帰る時間を惜しんで、仕込みをしていたことのある方の話も窺ったことがあります。
料理人はどちらかというとマゾヒストな方がいいのかな。
(最後に勤務した店舗のLINEグループ名は「チーム・ドM」でしたw)
勉強させてもらいながら働いているとはいえ、IT企業に比べれば賃金も高くはなく、耐えられない人も多いかもしれません。
僕は、2つの会社で得たノウハウを、これからの自分に繋げていくことで、自分のこれまでを意味のあるものにできると思っています。
見習いたいキャリアの積み方ではないかもしれませんが、これから飲食業をしたい。特に人を雇って飲食に携わりたい方には、出入りの多い業界でもあるので、現場では何が起こっているのか心得て頂いたら嬉しいです。
本日もご拝読ありがとうございました。