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【FP1級学科試験】マイナス金利解除を踏まえて抑えておくべきポイントは?

FP1級学科試験の難しさの一つには、「過去問で対策できない論点」が出題されることが挙げられます。
「え?何?問題集になかったんだけど!」というやつです。

例えば、ライフプラン(A)、タックス(D)、不動産(E)、相続・事業承継(F)各分野の場合は法改正
2024年1月試験でも、法改正論点として相続登記の義務化、特定盛土等規制法、さらには相続土地国庫帰属法が出題されたことは記憶に新しいですね。(まぁ随分ぶっこんできますね)

では、金融(C)の場合は?
金融でいうところの過去問で対策出来ない論点、それは時事問題ではないでしょうか。

金融財政事情研究会が公表している試験範囲においても、「最新の金融資産運用について詳細な知識を有すること」と明確に記載されています。
このことからも、試験対策としては、世界の金融市場の動き一つ一つをつぶさに確認する必要まではありませんが、大きなマーケット環境の変化くらいは抑えておく必要があるかもしれません。

そして直近で起こった大きなマーケット環境の変化、それが先日の金融政策決定会合です。


1.日銀「金融政策決定会合」のポイント

2024年3月18・19日に日銀の「金融政策決定会合」がありました。そこでは、2%の物価安定目標が見通せる状況になり、量的緩和政策とマイナス金利政策は役割を果たしたことが示されました。
早速、メディア各社では「金利のある世界に!」なんて報道されてますね。
金融政策決定会合の概要については、各テキストの解説に譲ることとして、FP1級試験対策的に今回決定されたポイントを抑えておきましょう。

マイナス金利解除
②長期国債の買入れ継続
③ETF・J-REITの買入れ終了

日本銀行ホームページ「金融政策決定会合の運営」より要約(https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2024/k240319a.pdf


①マイナス金利解除
いわゆる「マイナス金利」が解除され、2024年3月21日から日銀当座預金に0.1%の金利が付利されるようになったこと。

②長期国債の買入れ継続
これまでと同程度(概ね月6兆円)の長期国債の買入れを継続すること。

③ETF・J-REITの買入れ終了
・ETFおよびJ-REITについては、新規の買入れを終了すること。
・CP等および社債等については、買入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに 買入れを終了すること。

試験対策的には、ここまで覚えておく必要はなく、囲みの部分だけ抑えておけば十分でしょう。

2.過去問ではどう問われたか

過去問でも、大きなマーケット環境の変化が起こった際には、基礎編で問われることがあります。
例えば、2022年1月試験では、アメリカ経済の金融政策の変更について問われました(2022年1月学科試験 問16)。
※掲載許可を取っていないので、問題は各自お調べください。

正解となる肢は「FRBによるテーパリングの実施」についてでした。
※ちなみにテーパリングとは、中央銀行が金融緩和策からの出口戦略の一つとして、量的緩和策による資産買い入れ額を徐々に減らしていくことです。

2021年11月に、連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの開始が示唆されたことが問われた問題。
選択肢(エ)は「テーパリングが終了したことが示された」として不適切な肢でした。
※正しくはテーパリングが開始

本問では、ほかの肢も明確に○×を選択するのが難しい問題?で、日ごろの情報収集が出来ていた受検生が正解できた問題だったかと推測しています。

さて、今回のマイナス金利解除。
先に例示したテーパリングの開始と同レベルのマーケット環境の変化であり、2024年5月試験に向けて、現在、肢の差し替え作業が行われているかもしれません。

3.勝手に予想問題


今回の金融政策決定会合を踏まえると、例えばこんな問題が選択肢に紛れ込むかもしれません。

①「2024年3月の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度に促すことを決定した」
⇒いわゆるマイナス金利解除のことで ○

②「2024年3月の金融政策決定会合で、マイナス金利解除と同時に長期国債の買入れを終了することを決定した」
⇒長期国債は買入れ継続なので ×

いかがでしたでしょうか。
FPは最新の法改正・時事問題等で知識のブラッシュアップが必要です。範囲が広くて大変なこともあるかと思いますが、楽しみながら知識の習得を進めていきましょう。

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