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JR北海道完乗まとめ②初の北東パス旅編

 あけましておめでとうございます。2週間くらい投稿をしないでいたら年を越していました。今回の年越しは帰省も外出もせず家にこもっていたので、noteの更新はしようと思えばできたのですが、先送りにした結果、気づけば成人の日が近づいている頃合いです。
 という前置きはさておき、今回もJR北海道乗りつぶしの記録を記すのですが、この行程に関しては、道内に入るまでの部分も印象深いものだったので、例外的にしっかりめに書くことにします。結構長くなってしまいましたが、読んでもらえると投稿主が非常に喜びます。

旅行の目的

 2022年8月ごろ、乗りつぶしオンラインへの自己記録登録をきっかけとして、JRの全線完乗を目標に旅行をしたいと考えるようになった。当時すでに6割ほどの乗車記録があったものの、乗車済みのほとんど私の住む関東周辺の路線であり、東北や北海道は新幹線を除くと乗った路線が0であった。長期休暇をとれたのでチャンスだと思い、8月20日から26日まで、7日間有効な北東パスを期限いっぱいに使う旅行を計画した。
 当時の北東パスは、特定のエリアの普通列車に7日間乗り放題なことに加えて、JR北海道の特急列車自由席に1日乗り放題のオプション券もあったため、これを活用した。1日分だけでは限界があるので、JR北海道のエリアは函館線(函館~長万部)、室蘭線(長万部~苫小牧)(※1)、千歳線(苫小牧~南千歳)(※1)、石勝線(南千歳~新得)の区間の乗りつぶしを目指した。
 さらに、本州四端踏破RTAの動画を見た影響で、本州最北端である大間崎を訪問したいと思っていた。見た動画ではレンタカーでの訪問だったが、バスでも到達可能なことがわかった。そのため、私は公共交通機関縛りで大間崎まで行き、到達証明書を取得することも目指した。
(念のため、当時視聴した動画を掲載しておく)

大間崎へ

 8月20~21日にかけて、東北線・IGR線・青い森鉄道、大湊線と順調に北上し、本州最北の駅である下北駅付近にて宿泊。大湊線の終点は隣の大湊駅なのでそこももちろん見学したが、本筋から逸れるので割愛する。
 翌朝、7時35分発の下北交通のバスでむつバスターミナルへ。なぜか下北駅前からむつバスターミナルへ向かうバスが2台、同時刻に発車するダイヤになっていた。私は先に駅前に来たバスに乗車したが、もしかしたら後続のバスが先にむつバスターミナルに到着していたかもしれない。

むつバスターミナルのバス停 

 むつバスターミナルは、建物は老朽化にともない2022年5月31日に営業終了になったらしい。そのため、私が下りた場所はかつてターミナルがあった付近の道端であった。そこはバス停が複数並んであって、かつては立派なバスターミナルがあったのだろうと推測できたが、営業終了のことを知らずに降り立ったため、予想とは全く違った場所であった。
 10分ほど待つと、大間崎を通る佐井行きのバスがやってきたので乗車した。大間崎までは約1時間半と長いためか、途中の大畑駅で5分程度の休憩時間が設けられていた。
 大畑駅はかつて下北交通大畑線(※2)の駅で、本州最北端の駅であったが、2001年4月に廃止され、現在はバス営業所として駅舎などがそのまま残っている。休憩時間が短かったためあまり内部を見学できなかったが、待合室の真ん中にストーブが設置されていたのと、壁に当時の大畑線の運賃表が掲載されていたのが確認できた。(写真は他の方もいたので撮らなかった。)

大畑駅の停留所にバスを停めて休憩。
大畑駅の待合室の壁に、本州最北端の駅だった証が掲載されている。

 小休憩を終えるとバスは発車し、海沿いの道を進む。途中、下北半島の自然豊かな景色や津軽海峡をはさんでちらっと見える函館山を楽しみつつ、高低差でそれなりに揺れるのに驚きつつ過ごすと、9時26分大間崎に到着した。ここで降りる人もたくさんいたと記憶している。むつバスターミナルからは1900円で、支払い方法は現金のみであった。運賃箱にお札を入れる経験は初めてだったので新鮮な気持ちだった。

大間崎 天気に恵まれ津軽半島の対岸の景色もよく見える。

 大間崎では次のバスまで2時間半もあったので、海を見たり、到達証明書を取得したり、マグロを食べたり、近くを散歩したりした。

まぐろづけ丼・まぐろの煮つけ・まぐろのつみれ汁のまぐろ尽くし
本州最北端 大間崎到達証明書 近くのお土産屋で購入可能

函館へ

 13時01分、暇を持て余していたがようやく大間のフェリーターミナルへ行くことのできるバスがやってきた。フェリーターミナルへは徒歩だと45分程度と意外と遠く、スーツケースを運びながら歩くのは大変なので、バスがあるのが大変ありがたい。10分ほどの乗車であったが、途中にあるマエダストアー前という停留所で乗客がかなり入れ替わった。地元の買い物客が足としてバスを利用しているのだろう。場所によっては空気輸送にもなりうるバスがしっかり地元民に利用されているのを見ると嬉しい。
 13時12分、大間フェリーターミナルに到着し、函館行きのフェリーチケットを購入する。予約はせず当日の購入であったが、徒歩での利用ならば無問題であった。

大間から函館へのチケット

 船内にはすでに先客がたくさんいたため、甲子園を観るために狙っていたテレビ付近を逃してしまった。そのため、テレビから少々離れた雑魚寝スペースに寝ころんだ。90分間と短い乗船であったが、テレビがよく見えない上に船酔いが怖かったため、昼寝をした。

大函丸 函館のフェリーターミナルにて

 あっという間に、函館に到着した。函館のフェリーターミナルは函館駅から少々離れている。隣の五稜郭駅の方が近く、徒歩で向かってもよかったが、乗船したフェリーと接続している函館行きのバスがあったためそれを利用した。

函館行きのバス 乗車率は高めだった

 無事に函館駅に到着し、徒歩圏内にあるホテルで宿泊した。函館にはラッキーピエロやハセガワストアなどの人気ご当地チェーンがありそれを堪能してもよかったが、食欲があまりなかったので、大好きなコンビニセイコーマートで夕飯を購入した。

函館線の「8の字区間」の攻略

 函館付近は路線がやや複雑であり、乗りつぶしの難易度が少々高い。というのも、下図のように、七飯~大沼と、大沼~森の2区間において、路線がそれぞれ2つずつ分岐しており、網羅するのに苦労するからである。

函館付近の路線図 コンパス時刻表2024年3月号より引用、加工

 赤い線で示した特急「北斗」も通るルートに比べ、緑や青の線で示した支線は普通列車しか通らず、本数も少ないため、乗車難易度が高い。そのため、せっかくはるばる函館まで乗りつぶしをしに来たのだから、この8の字のような部分をまとめて全部乗ることにした。
 8月23日、函館5時49分発の藤城支線経由(青い線)の森行きに乗車。もしも早朝のこの列車を逃すと、次は函館を12時35分に発車するものまで無いのである。乗り逃がしたら7時間近く目当ての列車に乗れないので、ものすごく頑張って早起きをした。無事に乗車できたので一安心。

新函館北斗駅に行かない列車の案内 つまりこの表にある列車が目当て

 藤城支線(青い線)は新幹線駅の新函館北斗駅を経由しないため、珍しく特別な感じがする。景色も本線?(赤い線)より高いところを通るので景色もよかった。新函館北斗駅の目印は、新幹線駅付近によくある東横インである。それが遠くから見えないかとスマホで動画を撮りながら車窓を眺めていた。自分の目ではよく見えたが、動画を確認するとあまりよくわからなかったので残念。
 さらに早起きを頑張って乗ったこの列車は、大沼駅から先は砂原支線(緑の線)も通ってくれる大変ありがたいものであった。藤城支線(青い線)・砂原支線(緑の線)の両方を経由して森に行く列車は2022年にはこの1本しかなかったのである。素晴らしい。しかし、早起きをした反動か目的の列車に乗れた安心感からか、大沼から先でうっかり寝てしまった。そのため、この先の写真や記憶がない。勿体ないことをしたが、仕方がない。いつか時間があるときにリベンジしたい。

特急「北斗」・「とかち」・「おおぞら」で乗りつぶし

 函館線の難所「8の字区間」のうち2つの支線をクリアし、列車は終点の森駅へ到着した。ここからは、北東パスのオプション券を活用し、特急列車で道内路線の乗りつぶしを進める。
 森駅では40分ほど時間があったため、名物のいかめしを購入しようと考えていた。しかし、到着したのは7時43分。朝早すぎていかめし屋の営業時間外であった。残念に感じながら近くのセブンイレブンに行くと、駅前のお店とは別のいかめしが売られていた。ありがたくお土産に購入。

森駅を出てすぐあるいかめし屋、柴田商店 9時オープン

 8時24分、特急北斗3号に乗車。車内で車掌さんにオプション券を見せると、下車駅を聞かれたので「南千歳です」と答えた。フリーパスをよく活用する人にとっては当たり前のように感じるかもしれないが、私にとっては初めての体験だったので、下車駅を答える体験は新鮮だった。北斗のほかにも、他に乗った特急とかちやおおぞらでも同様に下車駅を確認されたので、オプション券を使う際はこういうやり方なんだな、と知った。
 北斗では、南千歳まで2時間半だなんて、北海道はでっかいどうだなあと感じつつ、右側にずっと見える内浦湾の海を眺めながら、自動放送の大橋ボイスにうっとりして過ごした。途中の白老での自動放送では、ウポポイが近いためか、アイヌ語が聞こえて驚いた。

特急「北斗」 森駅にて

 10時53分、ようやく南千歳に到着し、特急の乗り継ぎである。特急を乗り継ぐなんてなんて贅沢な旅行なんだろうと感じる。
 11時05分、とかち3号に乗車。後ろに先客のおじいさまがいたため「座席を少し倒してもよろしいでしょうか」と尋ねると、私の声が聞き取りにくかったからなのか、「なんですか?」と返ってきた。もう一度言い直しても再び「?」と返ってくる。そのやりとりを何度か繰り返し、ようやく座席を倒せるようになったころ、列車は次の停車駅の追分に到着していた。
 追分を過ぎると、だんだんと列車は山の中へと入っていく。山の中は豪雪地帯だからか、スノーシェッドの役割を果たす短いトンネルがたくさんあった。

特急「とかち」 南千歳にて

 新夕張の付近でエゾシカを発見した。北海道の路線に乗っているとエゾシカをよく見かけるが、当時は初めて見かけたのでとても新鮮だった。エゾシカはお尻が白くてかわいいが、よく列車を遅らせるため厄介ともいえる。
 険しい山で駅間が非常に長いゾーンに入るとうとうとしてしまった。目を覚ますと、車掌さんの放送で、「先を走る列車が鹿と接触したため、この列車は〇分遅れて走行しております。」と聞こえた。慣れない一人旅だったので行程崩壊は怖いと思ったが杞憂であった。新得に到着する頃にはほとんど遅れが解消されていて、従来の1分遅れの12時41分の到着であった。

 この旅程での乗りつぶしは新得までである。なぜなら、1日のみ有効のオプション券でさらに先に進むと、宿を予約した青森に戻れなくなるためである。また、新得からは路線が分岐しており(※3)、今後また別の路線の乗りつぶしを行う時に来ることになるだろうと予想していたためである。
 新得といえばお蕎麦だろうと思い、駅そばを昼食とした。蕎麦を食べながら目を壁にやると、地元の新聞で新得の駅そばが評判だと紹介された記事が掲示されていた。北海道の駅そばで最初に思い浮かんだのが、結局私は食べられなかった音威子府の黒い駅そばだったが、新得の駅そばもそれに負けずとも劣らないであろう美味しいものであった。折り返しの列車まで時間が限られている中、手ごろに食べられてありがたい。いつかまた機会があったら新得のお蕎麦を食べに行きたい。

新得の駅そば かけそば

残りの「8の字区間」の攻略

 帰りは13時33分のおおぞら6号で南千歳に行き、15時12分の北斗16号で新函館北斗へ向かう。行きとほぼ乗車区間が重なっているため、その部分は割愛する。
 行きの乗車区間と異なる場所は、先ほど「8の字区間」の際に説明した、「8の字区間」の赤い線の部分である。特急北斗は函館線の本線(赤い線)を通る。そのため、森駅を過ぎてもそのまま北斗に乗り続けていれば乗りつぶしをクリアできるのである。
 今回は新函館北斗まで乗車する。なぜならば、新函館北斗~函館の区間は、以前紹介した旅行の時に乗車済みだからである。そのため、新函館北斗で北海道新幹線に乗り換えて青森の方へ戻る計画を立てていた。
 無事に新幹線へ乗り換えることができ、目的の区間の乗りつぶしを果たした。

北海道新幹線 急いでいたためか、非常に大雑把な写真

まとめ

 今回の旅程で、JR北海道において新たに完乗を達成した区間は以下のとおりである。

  • 函館線 新函館北斗ー長万部

  • 函館線(藤城支線) 七飯ー大沼

  • 函館線(砂原支線) 大沼ー森

  • 室蘭線 長万部ー沼ノ端(※1)

  • 千歳線 沼ノ端ー南千歳(※1)

  • 石勝線 南千歳ー新得

 乗車率やキロ数は割愛するが、乗車難易度が低いが新千歳空港からは遠い渡島半島の部分や、乗車難易度の高い「8の字区間」を乗車できたので、完乗の進捗はかなり進んだ感覚である。
 また、使用した切符の画像も掲載する。

北海道&東日本パスと北海道特急オプション券

 今後もこのようにまとめた旅行記を投稿するので、ぜひとも読者には楽しみに待っていただきたいところだ。

※1 室蘭線と千歳線との分岐点は、正確には苫小牧の隣駅である沼ノ端である。目的の部分ではわかりやすさを重視し、特急停車駅の苫小牧を採用したが、まとめの部分では正確さを重視し、沼ノ端を採用している。

※2 大畑駅は下北交通に転換される前は国鉄が管轄であった。1985年7月に管轄が変更されている。

※3 現在は廃止されているが、当時は根室線の新得ー富良野間が営業していた。その一部区間である新得ー東鹿越は2016年の台風に伴う大雨に被災したため、2022年当時はバス代行がなされていた。

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