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五山の送り火と餃子

父の新盆なのにコロナで実家に帰れない。
母には心疾患があるから京都から帰るには躊躇してしまう。
困った。
どう父を供養しようかと考えていたら
私の餃子を美味しそうに食べる父が頭に浮かんだ。

よし!餃子をたくさん作って父を迎えよう!
実家に帰ってくるなら、京都にもちょっと立ち寄ってくれるだろう。
だって幽霊なんだから自由自在に動けるはずだし。

数年前に父が1人で京都に来て1週間ほど滞在したことがあった。
まだ比較的体調もいい頃で、伊勢神宮に行ったり神社仏閣を回ったり
近所の銀閣寺に散歩したりした。

その時夕食に作った餃子を父はすごく気に入って
何個も食べてくれた。夫に残していた分まで食べた。

それから帰省の度に、あの餃子が食べたいとリクエストしてくれて
私も作るのが楽しみになっていた。
父がまだ入院する前、、、最後に帰省した去年のお盆。
食欲がかなり落ちていたけれど
餃子だけは美味しい美味しいと食べてくれた。

父が亡くなった時も父を想いながら餃子を作った。
父がいなくなった家族で、哀しさを隠すようにワイワイと賑やかにみんなで餃子を包んだ。

なんかもっと高尚な食べ物だったらかっこいいけど
餃子ってとこが色気がないなと1人で笑ってしまう。

得意な料理はなんですか?と聞かれると
餃子です。と答えると思う。(聞かれたことはない)
得意というより餃子を作るのが好きなのだ。
無性に餃子が作りたくなる。
刻んで包んでそこには考える隙がないから、ちょっと頭を休ませたい時は餃子を作る。

私の餃子はなんてことない普通の食材で作るのだけれど
大葉と生姜をこれでもか!というくらいたっぷり入れる。
あとはお肉よりお野菜が多い。
そんなことくらい。
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「父の好物のわたしの餃子」 レシピ

豚挽肉  200g
キャベツ 4分の1
白菜   8分の1(適当に)
大葉   20枚〜
生姜   ひとかけ(大きい)
醤油   大2
酒    大2
ごま油  大1
オイスターソース 小1

①豚挽肉と調味料をよく混ぜてしっかりと粘りが出るまで混ぜる
②キャベツ白菜はみじん切りにして、塩を少し振り水を出す
③大葉と生姜もみじん切りにする
④キャベツと白菜の水をよく絞り、全てを混ぜてこねる


あっさりしているので焼きも美味しいけれど、水餃子もおすすめ!
個人的には酢醤油にナンプラーを足して水餃子が好き。

元々は餃子のタネに胡麻油は入れなかったのだけど、薬膳スクールの劉先生が餃子は絶対胡麻油を入れて!あとセロリ!セロリ入れると美味しいよ。と教えてくれてから胡麻油は必須にした。

因みに私の餃子は薬膳的に名付けると
「ストレス解消餃子」だろう。
無心で包む工程は勿論のこと
大葉は身体の邪気を取り除き巡りを良くするし、香りが良く気を巡らせるので悶々としている時にはぴったりの食材だ。
豚肉は気を補いキャベツは胃腸を整え、生姜は温め発散させる。

冷えて胃腸が弱り夏バテになったり
ストレスが溜まりやすい夏にこそ
ぴったりの餃子!だと思う。


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そんなこんなで父の写真をテーブルに置き
一緒に餃子を食べて迎えた新盆のクライマックスは五山の送り火!

今年はコロナの影響で縮小され点々としか灯らなかった大文字。
なんだか寂しいような気もしたけれど、きっと後世に語り継がれるであろう
レアな大文字の送り火で父を見送れたので良しとしよう。





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