服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.27.5~ZOZOでオーダーしたスーツ~
桜が開花してすっかり春ですね
電車でデカイ声でひとり言をいうヤバイ奴が現れるようになって春ですねw
私でしたらここ数日花粉症?が悪化してお花見どころではなく…(泣)
さて今回は前回のおまけと言いますか、長くなりすぎるので二回に分けた残りの分になります
内容的にはメインが前回なので今回は軽い感じで
前回の終わりに書きましたように”ジャケットの袖”と”パンツ”について少し
まずはジャケットの袖について
直立の着用画像なんですが赤丸のところシワが溜まってますよね
なぜかというと、袖が前に振りすぎていて、腕を真下におろした状態だと袖が後ろに戻されてシワが発生するわけです
画像でわかりやすく説明すると
手で袖を前に引っ張ると袖が収まります(シワが消えます)
つまりこの袖はこの状態で身頃に縫われています
手を離すと
袖が後ろに戻されてシワが発生します(腕を真下に下ろした状態)
人間は直立不動で立っていることは少なく腕が前にある状態が多いので、そういう意味では袖が前に振れているのはいいのですが、ジャケットは基本的に直立不動で着て美しいことを前提にしているので、そういう点ではあまりよろしくないと思います
でパンツなんですがこれはふつうに良いです
股付近に変なシワもないですし
少しヒラメ筋ところで後ろに引っ張られるようにしてシワができてますが、これは仕方ないと言いますか
パンツって基本的にただの筒なんで、細いとヒラメ筋のように出っ張りがあると引っ掛かるんですよね…
これを解消しようとするとアイロンで頑張ってセンタープリーツのラインをカーブにすればいいのですが、これはテーラーがするような高度なアイロンテクニックになるので技術的にもコスト的・時間的にも難しいでしょうね
(尾作さんや鈴木健次郎さんのパンツはヒラメ筋の部分がカーブしてます(全部じゃないけど)
話を戻して
最後に後ろ身を
ヒラメ筋のあたりですが、多少シワがありますが、まぁひどいシワではないのでよいんじゃないでしょうか
いちばん特筆すべきはヒップ
お尻に食い込むことなくちょうどよくフィットしていますね
これはさすがZOZOスーツで採寸しただけのことはあると思います
パンツってパターン的にはウエスト・ヒップ・わたり…と各サイズが決まればほぼパターンが決まる(というか決まってしまう)のでZOZOスーツ向きなアイテムだと思います
以上、前回載せきれなかった分になります
いろいろ書いてきましたが、
これからZOZOがどうなっていくのかわかりませんが、どんどんイノべーションを起こしていってもらいたいと思います
アパレルの生産現場ってアパレル業界全体が不景気なのもあって?現代の科学技術から取り残されてる感あると思いますし(ホールガーメントや3DCADなど技術革新しているものもありますが)
それでは最後までご覧いただきありがとうございました
以下おまけ
胸ポケットはややバルカポケットですね
バルカポケットとは平行四辺形ではなく上辺と底辺がカーブになっているポケット(ですよね?(汗)で、カーブのほうが縫製は難しいです
まつり縫いが細く美しいですね
身頃とポケットにほとんど段差がないことがすごいと思います
お台場仕立てに汗止めまでついて高級志向ですね
お台場仕立てとは内ポケットの周りまで見返し表地を延長してくる仕様です
裏地を交換するときに内ポケットまで取り替える必要がなく、
またペラペラな裏地に内ポケットを縫うよりも表地に縫うほうが丈夫で安定します
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