服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.35~ジャケットを試着するときにみるべきポイント~
久しぶりのnote投稿ですが、みなさまいかがおすごしでしょうか
前回の投稿が9月………
「時間たちすぎやっ!!」
「なんぼ前やねんっ!!」
おいでやす小田さんも突っ込んでしまいますね
はい、こんなんもはさみつつ
本題に入ります
以前にジャケットを試着するときにどこを見ればいいですか?
って聞かれて、noteのテーマにいいなと思ったので、
パタンナー目線のポイントをまとめました
ちなみにvol.28あたりも参考になると思いますので是非
1.シワ(タスキジワ、ツキジワ)
2.肩まわり
3.前裾
4.衿まわり
5.ラペルとまり
6.後裾
ざっと以上になります
あくまで一般的なテーラードジャケットを対象としたものであって、
デザイン性の強いジャケットなど当てはまらないものもあるので、
ご了承ください
1.シワ(タスキジワ、ツキジワ)
テーラードジャケットにおいて、基本的にシワは引っ張られてたり余分に余っているということなのでアウトです
そのなかでも、タスキジワとは
衿ぐりから脇にかけて発生するシワです
ぶっちゃけスーツ屋さんのスーツは毛芯や肩パットが入っていて、
胸・肩まわりががっちり補強されているので、
ほとんどタスキジワがでることはありません
いわゆるアンコン(毛芯、肩パットが使用されていないもの)のジャケットだと稀にタスキジワがでてますので要チェックです
次にツキジワとは
後えりぐりにでるシワです
このシワはたまに見かけますね
首が衿に食い込んでるとこうなります
2.肩まわり
肩まわりがしっかりフィットしているかですね
おもに肩幅なんですけど、
まぁ肩幅があってるかはみんさん見ると思うんですけど
袖のここの幅
ここもフィットしているか大切です
ここがパツパツだったりブカブカだったりする人けっこう見ますね
3.前裾
業界用語でフロントの裾が拝んでいる、とか逃げている、と言うんですけど
どういうことかといいますと
ボタンを外した状態で見ます
↑のは問題がない状態
拝んでいるのは
左右の裾が覆いかぶさってきている状態です
パターンがそもそもよろしくない時もありますが、
着ている人の肩傾斜とジャケットの肩傾斜が合っていないときにも、
こうなったりします
これでボタンをとめると、少し前身を広げることになるので、
ブカッっといらないゆとりが胸まわりや脇に生まれてしまいます
逃げているというのは、逆の現象で
裾が脇に逃げていく状態です
これもパターンが良くなかったり、身体とジャケットとの相性が悪かったりすると起こります
これでボタンをとめると、ギュッと引っ張ることになるので、引き連れたシワが生まれたりします。また、やや持ち上げることになるので胸元に余分にゆとりが生まれたりします
ちなみに昔のヨーロッパのジャケットとかはわざとこうしてたりしますね
4.衿まわり
首まわりのフィットですね
ここが首に隙間なくフィットしているか
こういうのはよくないですね
あと
ここですね
このようになってるのもよくないですね
専門用語でヌキエモンって呼びますw(ヌキエモンって何だよwって感じですがw)
最近レディースではわざと衿を抜いているのが流行ってますけど、何が流行るかわかりませんね~w
5.ラペル止まり
ラペル止まりとは、ラペルの返りの起点です(黄色の矢印)
ラペル止まりがきっちりボタンの位置にあっているか、です
これは若干下ですけど許容範囲ですかね
ラペル止まりが下にきてたり(ボタンが傾いてしまってますね)
上にきてるものは不格好ですね
ちなみに「段返り」っていう三つボタンジャケットで、第一ボタンと第二ボタンの間にラペル止まりをデザインとしてわざと設定するものもあります
上記のはあくまで二つボタンのお話なのであしからず
6.後裾
横から見たときに
このように裾がハネているものはよろしくないです
体にフィットせず、ヒラヒラしてしまいます
このようにS字になって体にフィットするのが理想的ですね
以上になりますが、いかがでしたでしょうか
通勤の電車とかで、これらのポイントを気にして見ていると
あちゃ~………ってジャケットに気付くと思いますw
このnoteが、みなさんのお買い物の手助けになれば幸いです
ではでは
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