服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.33~イッテコイって何？~
みなさまこんにちは
いかがお過ごしでしょうか
最近、アパレルは嫌なニュースばかりで辟易しますね…
まさに正念場
はい
からの
はいこれ
みなさん頑張りましょう
（見切りをつけるのも大事ですけどねｗ）
「例のブルゾン、袖口はイッテコイにしてそこでどんでん。裾は毛抜き合わせで、ちょっと変やけど裏は台場にしてもみ玉・松葉も付けといて。」
はい、この文章を理解できますか？ｗ
業界人は理解できないと困るんですけど
今回は、アパレル縫製用語でなんじゃそれ！？っていう変な名前のものを紹介していこうと思います（いっぱいあるんで一部をｗ）
・イッテコイ始末
・どんでん
・毛抜き合わせ
・天地ミシン（裾びき）
・松葉カンヌキ
・もみ玉
・台場仕立て
・パンチェリーナ
・天狗
・メンコ
まずはイッテコイ始末から
”イッテコイって何？”
これアパレル新人あるあるだと思うんですけど
初耳だと
「は？行ってこい？どこに？」
ってなりますよねｗ
多分パイピングが行って戻ってきている（往復している）から、行って来いなんだと思いますけど、ほかに名前なかったんか！って思いますｗ
これです
どうなってるかというと
切り込みをいれて、パイピングして、片方を裏返しています
↑こんな感じです
あんまり見ない仕様だと思いますｗ
弱い生地でやるとパイピングが外れたり、切り込み先が破れたり、問題が起きやすいんですよね
次は「どんでん」
どんでんとは、一箇所だけ縫い残して縫い代を全部縫って、最後に全部をひっくり返すことを言います（予め裏向きで縫って最後に表に返す）
これで縫い代を中に隠します
言わずもがなですけど、どんでん返しのどんでんですね
ちなみに画像はわざとほどきましたｗ
だいたいコバステッチの部分や袖裏の内側を残しておいてひっくり返します
そして「毛抜き合わせ」
二枚の布を縫いわせて、ぴったり縫い目で返すことを言います
って、ふつうのことなんですけど、毛抜き合わせって言われるとわかりづらいですよね(苦笑)
毛抜きのようにぴったり二枚の布を合わせるからそう呼ぶらしいです
続いて「天地ミシン」
「裾びき」とも言います
ポツポツとステッチが見えますね
裏はロックがかけてあって掬ったみたいに留まっています
専門的に言うと生地を折って１本針オーバロックで縫われてます
詳しくは↓こちらを
天地ミシンは最近縫えるところが少なくなってるらしいですね…
ちなみに語源はわかりませんｗ
次は「松葉カンヌキ」
これです(リングジャケットさんから拝借)
その名のとおり松の葉に似ているから松葉カンヌキって言うそうです
（似てるかな？ｗ）
ジャケットのこだわりの仕様ですね
（ちなみに大阪で松葉っていうと串カツ屋ですｗ）
そして「もみ玉」
揉む玉ってなんやねん？なんですけどｗ
これです
両玉縁を究極の細くしたって感じです
幅は3mmくらいです
多分、玉縁を作るとき、玉縁布をくるくる揉みながら作るからこの名前なんだと思います
ジャケットの内ポケットで見ることが多いです
これもこだわりの仕様のひとつですね
続いて「台場仕立て」
ジャケットの裏の、この形のことを台場といいます
語源はあのお台場に形が似ているかららしいんですけど、
ぶっちゃけ今のお台場の地形をみてもピンとこないんですけど…
昔はこんな形だったとか…（ペリー来航の時、砲台が置いてあった場所とか）
それから「パンチェリーナ」
これです
イタリア語で腹巻という意味です
たしかにパンツェッタと同じ語感ですよねｗ
ちなみに、反対側のボタンにとめます
ホックでとめてパンチェリーナでとめて、絶対パンツをズラさないっていう強い意志を感じますねｗ
次は「天狗」
パンツのファスナーを開けて右側に付いているコレです
天狗の鼻に似てるからこう言うんでしょうね（右に出ている部分が天狗の鼻ですかね…）
最後に「メンコ」
「前裾鼻」とも言います
MA-1とかみたいに裾がリブになっていて、前端だけ切り替えて表地になっている四角の部分です
たしかにメンコの形ではありますねｗ
なぜあえてメンコをチョイスしたかは謎ですがｗ
前裾鼻はもっと謎ですｗ
以上、画像多めでサクサクと書きましたがいかがでしたでしょうか
アパレル業界以外の方は、へぇ～～って感じですよねｗ
作る側としては他にも変な呼び名があって大変です
でも、覚えていないと会話になりませんからねｗ
知らなかった業界人の方は覚えてくださいねｗ
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
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