服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.34~パッと見で判断できるダメなパターンの服~
気付けばもうすぐ10月、今年ももうすぐおしまい~
(使いたかっただけですw)
ほんとに今年、とくに4~5月はどうなるかと思いましたけど、最近は色んな意味で治まるところに治まった感じですね
このまま順調に経済が回復してくれ、まじで!!
はい、本題にはいります
今回は
「パッと見でわかるダメなパターンの服」
を紹介します
店頭でハンガーにかかってる商品を見たり、試着したときにチェックしたり、コレクションのルックですぐ見抜ける簡単なポイントを説明します
前置きとして、紹介するのは紳士服の基本的ルールであって、
昔からの紳士服の美意識からくる共通認識みたいなものです
(デザインとして意図的にそれをしている場合は除きます)
またパターンではなく縫製が悪くてそうなっている場合もあるので悪しからず
<項目>
・衿先のハネ
・衿裏ののぞき
・袖の内シーム(縫い目)
・袖のフリ
・タスキじわ
・後身頃の裾ハネ
【衿先のハネ】
これはそのまま衿先がハネているものですね
理由は基本的には衿の外周(衿端)の距離が足りてないからです(というより内周と外周のバランスが悪いからなんですけど説明すると長くなるので割愛します)
このように衿先が自然に身頃に付いて収まっているのが理想的
このように衿先がハネているものは良くないです
画像はシャツですが、トレンチコートなど台衿付きの衿すべてに言えることです
【衿裏ののぞき】
赤丸に注目
このように裏がのぞいてしまっているのはよくありません
これもジャケットだけでなくステンカラーコートやピーコートの衿にも言えることです
(シャツはアメカジのシャツとかそんなこと気にせず作られたものもあるので一概には言えません)
【袖の内シーム(縫い目)】
いわゆる2枚袖(ジャケットのように二枚で構成された袖)の内側の縫い目が、正面から見えているのは良くありません
↑これは見えてない良い例
↑このように見えてしまっては良くないです
(ピンで留めてかなり強引に見せていますw)
【袖のフリ】
人間の腕は、降ろしたときに緩やかに前に振っています
それにあわせて袖も前に振っているのが自然なので、後に振れているものはよくありません
これが前に振れている袖ですね
これが後に振れている袖です
ぶっちゃけこれが店頭に出てたら相当そのブランドはヤバいですw
それくらいありえない袖ですw
【タスキじわ】
タスキじわとは衿ぐりから脇下にかけて、字のごとくタスキのようなシワがでることです
↑これはでていません
↑これがタスキじわです(無理やり作ったので大げさですがw)
ジャケットで毛芯や肩パットが入ってるものは肩回りがガチガチに固められているので、まずタスキじわはでませんが、
ナイロンやポリエステルのペラペラの生地で、肩パットなどなんにもなし(いわゆるアンコン)だと非常にでやすいです!!!
これに頭を悩まされたパタンナーは数多くいると思います!w
【後身頃の裾ハネ】
後身頃が自然に下に落ちていますね
これが然るべき状態です
これが後の裾がハネている状態
さすがにこれはダメだとなんとなく直感的にわかりますかね…
後裾がパカパカです
ただ裾廻りの寸法が大きいコートはどうしたってこうなる傾向がありますので注意です(古着のモッズコートとかややハネてるものが多いと思います)
以上になりますがおわかり頂けたでしょうか?
ダメな服はビシバシ愛の鞭でdisってくださいw
それが業界のためになると思います!
なぜ今回このテーマにしようとしたかというと、
ここ数日、「他所でパターンをお願いしてサンプルあげたら袖が後に振っているのでパターンひいてください」とか、「他所でお願いしたらサンプルの後裾がハネているのでパターンひいてください」って話があって
なんというかこれひいたパタンナー大丈夫かよ?!ってことが重なりまして…
まぁ自分の知らないところで作られたものなので、一概にパタンナーがすべて悪いわけではないかもしれませんが(苦笑)
服が売れないっていう前にパタンナーの技術力が落ちていたのではどうしようもないですからね(爆)
反面教師として自分はちゃんとしないとなって思った次第です
最後は湿っぽい話をしてしまいましたが(^^;)
ご覧いただきありがとうございました。
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