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低評価作品を見よう! 第2回目【ドラゴンクエスト ユア・ストーリー】(★★★☆☆)

 意外と見れました

 かなり悪名高い作品だったが、その前振りが強烈すぎて、まあ見れないわけじゃねえな、という評価に落ち着いた。
 後述するが、公開当時にブチギレていた人たちとは前提がまったく異なるのも大きい。

 ボリューミーなDQ5を90分で全部やろう、というムチャな心意気を感じる今作。結果、感情移入というものを犠牲にした忌み子が生まれた訳だが、その甲斐あってスピード感については優れている。CGの質は良好で、アクションシーンのカメラワークなどは「あ、結構いいすね」と感じるほどにはよい。
 Netflixで作業がてら見る作品としては、意外にも飽きないラインは超えてきた。

 では何がよくなかったと言えば先述のとおり話のぶん回し方で、開始早々からSFCの映像によるダイジェストが始まり、不安やな、と感じた数分後にはヘンリーが捕まってパパスが死ぬ。そんな……。パパスの声優を山田孝之にしてるのも悪ノリと取られる確率をむやみに上げているな、と思ったり。
 一方でこの端折りは功を奏して、わずか10分程度で青年期冒頭に到達するという「あ、マジで行けるペースかも」となんだかRTAを見ているときと似た感慨を覚えた。そもそも原作をDS版でやったのみである俺は、この時点でユアストーリーを見る目を変えており、ここが『意外と見られる』と評したベースになってくる。

 以降のストーリーは省略するが、端々に「要らんなあ……」と感じるアレンジメントが施されていて、これを劇場で見るのはつらいだろうし、原作再現を期待していれば尚更だろう。
 今作はそうした、視聴中のストレスをトリガーとした最後の仕掛けがある訳だが、やはりムカつくのはムカつくし、期待が強い人であればあるほど更にブチギレる羽目になるはずで、そう考えると誰をターゲットとしたのか分からない。俺みたいなRTA目線の奴に「大人になれ」と言われても刺さらないし……

 ただまあ、片手間に見る分には「少年時代スキップ」「じこあんじ」「主人公の阿呆みたいに軽薄な言動」を一挙に回収したのは悪くなかった。そこまではただのストレスなのが重要だが。

 ドラクエでこれをやるな、という意見も見られるが、公式がOKを出した以上は仕方ない。ウイルスを混入したのは誰なんだよ、という意見も、まあ別にハッカーと対峙するのはより珍妙なストーリーになるだろうし、俺は問題ないと思う。あれ以上の尺は割けないだろう。

 ただ一点。明確にカバーできない欠点は、超スピードによって確保した尺を存分に使った、めちゃくちゃどうでもいい恋愛パート。だって、そりゃそうだろう。ここまで感情を移入するところが一つもないんだから。ビアンカとフローラとは同じ町で急に再開(いつフローラと顔見知りになってたの?)した訳で、開始30分まで保たれていたスピードが、どうでもいいヤキモキ結婚パートで急落するのだからストレスは半端ではない。
 てか急に結婚すな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!知るか!!!!!!!!!!!!!!!!!ゲマも!!!!!!!!!!!!!石化したら砕け!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 あ、ゲマ役の大ベテラン、中尾隆聖さんの演技はやはりよかったですね。ハマり役かと。ビアンカのFFみたいな髪型も好きです。

 ということで、【ドラゴンクエスト ユア・ストーリー】でした。次回は未定。

  

 

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