見出し画像

酔った私を見詰める私

きみを、呪うことにも慣れてきてオチのない夢をみて、あたりまえの日常が、やっと掴んだ穏やかなふつうが、真夜中に交わした最後の言葉が、まぁ結局会わないほどにあの時は幻影のうつくしさをより濃く、濃く煮詰めて強く芳香を漂わせてくるのだけれども、解毒の仕方だけが分からなくて中途覚醒、最近疲れを覚えることに敏感になって人と会うこと自体に確かなフェーズの変化とキャパシティを感じてきた。


夢の中はいつもぐちゃぐちゃになる前で
広い映画館の中、私の妄想だけが都合よく辺り一帯優しく惑わしてくれる。
冬の空気で感傷に浸って、わざわざその感性を気取ったようにぶつけてくる男、本当は私鼻について嫌いなんだ。
地に足着いていなくて、いつまでもそのような幼さに甘え、ひたっていられる精神が少し羨ましくて意地悪な視線を向けてしまう。
冬だけじゃなくて秋や、春や夏にもその豊かな感性とやらを手向けてやればいいのに。
大人になれなくて羨ましい。
大人になってしまった自覚があるから妬ましい。

一方的にされた被害について訴えられていた頃が1番自分を中心に世界が回っていて、視野が狭くてある種生きやすいと言えた。
傷つくことは同時に傷付くに至るまで信頼していたということで、宇多田ヒカルの
「誰かを求めることは即ち傷つくことだった」
という歌詞は端的に表していると思う。

穴が空いた分、無様に代用を探し歩いている自覚と擦り切れることを認識した後の人生のアンビバレント。
何かを期待して邂逅するも、別々の道を選んだ時点でもう人生の階層が違うことを深く深く理解する。
聞いたことがある言葉、過ちを犯す前の脇の甘さ、もう全部しっている。
知ってるから違う道を選んだ、そんなことを分かっているのに確かめずにはいられないなんて人間の感情で動いてしまうことの非合理さと甘さ。
あんなに、あんなにときめき台風倶楽部だったのに!
その炎がもう完全に落ちてしまいそう。

ここから先は

1,109字 / 1画像

二人だけの秘密だよ

¥1,000 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?