カワイイ賞味期限

もう飽きたんだよ味のしないガム
派手なビジュアルに客は並んでる
カワイイ、可愛い、可愛いものでずっとずっとおなかいっぱい飽和してたいよー。

「よ」を「ょ」って書けなかった。
バカだって思われるから
一人称は訂正される度、大きな惑星「私」へと収集される
名前で自分のこと、呼んでみたかった。
二文字の名前だけにかかった魔法みたいな愛嬌
3文字、まだまだ可愛くない
桜、ちひろ、みゆとみう、あゆと乃愛
ピンクのランドセルは背負えなかった あの時はまだ、まだちょっとだけ赤が主流だったから
爪先立ち 春のくすぐったさ バルーンスカート 白いランドセル 色付きリップ

カワイイものはすぐに飽きる。
トキメキはカワイイじゃ収まらなくて、
じゃあそんなのってつまんないねって掃いて捨てて、
つまんねー。つまんない、つまんない。
何も楽しくない まつ毛は下がって、カワイイからは遥か先
鏡を睨んで全然可愛くないじゃん。

photo shiori kawamoto

大破したクシ