企画展記念講演を開催しました【学芸員のバックヤード】
9月19日(月・祝)に、現在開催中の企画展『羽黒山と庄内藩ー天宥別当事蹟・芭蕉門弟と庄内俳壇ー』の記念として、山形大学名誉教授で民俗学者の岩鼻通明先生をお招きし、講演『近世の羽黒山と庄内藩ー出羽三山をめぐる関係ー』をいでは文化記念館レクチャーホールにて開催しました。
はじめに羽黒町観光協会(いでは文化記念館)事務局の方から挨拶及び講師紹介を行いました。
講師紹介
岩鼻通明先生は山岳信仰文化研究を行っておられる山形県在住の民俗学者で、村山民俗学会・山形県民俗研究協議会事務局に所属されています。著書も複数出されており、いでは文化記念館にも岩鼻先生の著書を収蔵・販売しています。出羽三山信仰の根源だけでなく、近年及び最新の出羽三山研究も著書で広く深く述べられています。
講演の様子
約1時間半の講演でしたが、大学生の方・古文書講座に参加している方・羽黒地域に在住の方など老若男女問わずご来場いただきました。
静かに耳を傾ける方、メモを取る方など様々いらっしゃいましたが、プロジェクターで投影した資料には絵図が豊富だったため、食い入るように見つめられている方も見られました。
講演会では、はじめに先生の現在の活動や思考を形作ったことを解説していただきました。本題では絵図を中心に、天台宗系(羽黒山・月山)と真言宗系(湯殿山)の境界や、羽黒山と庄内藩の領地の入会に関しての研究成果・見解を示されました。
今回は、出羽三山の女人禁制について・羽黒山と彦山についてなど、様々な質疑応答が活発に交わされました。
おわりに
講演会後にそのまま企画展示を鑑賞していただいた方も多くいらっしゃいました。実際に講演で登場して現在いでは文化記念館の企画展示室に展示されている絵図を確認し、羽黒山と他との境界争いの歴史を知る機会となったのではないでしょうか。
現在の企画展『羽黒山と庄内藩ー天宥別当事蹟・芭蕉門弟と庄内俳壇ー』は、11月21日(月)まで開催中です。見に行きたいけど見に行けてない!という方は、まだ期間には余裕がありますので、ぜひご来館ください。