中国の奇食をレヴィ・ストロースに寄せて。
インスタでよく交流してもらっているアメリカに住んでいる人がいて、その人は馬を飼い、犬猫も飼っている大の動物ずきである。私も現在ネコ二匹、昔は犬を飼い、かつ乗馬も習っていたのでけっこうな動物ずきな部類に入ると思うのだが、(獣医になりたかったけど、高校数学がダメで早くに挫折。)先日、「中国の犬肉&猫肉祭り反対運動をシェアしてほしいと」言われた。気持ち的にはものすごく反対である。犬も好きだし猫も好きだから、食用と言われてしまうとしんどい。でも、日本には捕鯨もイルカ漁もあるし(私はクジラは食べないけども。)、日本人という立場から言って、それはいえんなーと思い、煙に巻いている現状です。
食の問題ってすごく難しい。かわいそうだなと思うけど、日本人の私達には見えないところで、犬肉猫肉で生計を立てている人だっているかもしれないし、ここからは想像だけど、その生業がなくなったら子供が売られるとかいうこともあったりするのかななんて思ったりもする。
哲学者のレヴィ・ストロースが昔「野生の思考」という本を出したけど、「野生」という概念が現れたのはたしか、科学という学問分野が成立してからというのを聞きかじったことがある。科学それ自体と、科学で検証しえないものを野生という風に分けたようだけど、科学という学問分野自体、西洋を基盤に成り立ったものだから、こういった西洋圏でないところに残る奇習・風習のようなものを西洋の慣習に従わせようという流れは、科学の成立から現在までずっと連綿と続くものなのだなあと思うわけで。
まあなんとも言えない難しい問題です。
-おわり-