もうすぐ確定申告!『これ経費?』税理士がぶっちゃけるリアルな答え。
税理士の仕事をしていてダントツでよく聞かれる質問が、「これ経費になりますか?」という質問です。
しかし!
この「これ経費になりますか?」の回答をインターネットで調べても、形式的で当たり障りのない情報しか出てこず、自分のケースにあてはまるのか最後までハッキリせずに不安になることも多いと思います。
そこで!
今回は、私が「これ経費になりますか?」と事業主の方に質問されたときに、実際にどう回答しているのかを公開したいと思います。
そもそも「経費になるか」は誰が決める?
結論から先に申しますと、
『経費になるかどうか』を決るのは、税理士や税務署ではなく『あなた次第』なのです。
いや、そんなこと言ったら元も子もないし、税理士必要ないじゃん!何だよ!となりそうですが、これからその理由を説明しましょう。
たまに勘違いをされている方がいらっしゃいますが、もし税務調査があったとき、「これは何の経費ですか?」という質問に対して回答するのは、原則、税理士ではなく事業主の『あなた』になります。
なぜかというと、税理士は事業主と毎日一緒に働いているわけではありません。そんな中で、税務調査に立ち会った税理士があなたのレシート1枚1枚がどういった経費なのかを調査官に詳細に説明していくのは非常に不自然ですし、そもそも「不可能」なはずです。
つまり、調査官の質問に対して、正確にその詳細を回答できるのは事業主の『あなただけ』と言え、そのレシートが『経費なのかどうか?』を決めるのは、結局、税理士ではなく事業主の『あなた』になるのです。
例えばある日、税務署の調査官があなたのところに来たとします。
その際、経費に入れたレシートを調査官が見て、「これは何の費用ですか?」とあなたに質問したとします。
例えばマクドナルドの領収書であれば「○○という取引先と打ち合わせを兼ねて食事をしました」とか、ユニクロの領収書であれば「仕事をするときに着る作業着です」とか。
事業主の方がそのレシートが仕事に関連した支出である合理的な理由を他者に説明できるのであれば、基本的に私は経費に入れて申告できると考えています。
そんなのいくらでも「言い訳」できるのでは?
そんなこと言ったら、言い訳できるものなら何だって経費に入れられちゃうじゃん!というご意見もあるでしょう。
税理士の中には、そういったグレーゾーンの経費は絶対NGという税理士さんも多数いらっしゃいます。
「税理士がNGと言ったから経費にはできない」と思われ、言われるがままに経費に入れずに処理している方もいると思います。
しかし、あなたが経費だと税理士や調査官にきちんと説明できるのであれば、私は『それは経費になりえる』と考えています。
その支出が経費になるかどうか、国税庁等が公表している一般的な『見解』というものは存在しますが、この世に多種多様な事業が存在する以上、全ての経費がその『見解』で判断できるわけではありません。
ゆえに冒頭で述べた『曖昧な解釈』が生まれ、「これ経費になりますか?」と言う質問が発生してしまうのだと感じています。
仮にもし調査官がそのグレーな経費を「それは経費ではない!」と主張するなら、税務調査官はそれが経費にはならない明確な理由をあなたに提示する必要があります。
相手が税理士だろうが調査官だろうが、それが経費になるのかどうかを、『事業主の”あなた”が明確に説明出来るかどうか』がポイントなのです。
「これ経費になりますか?」の私の答え。
最初の話に戻りますが「これ経費になりますか?」という事業主の方の質問に対して私は、
「あなたが調査官にこれが経費であることをきちんと説明できるのであれば経費です」
と回答しています。
逆に言えば、私が事業主の方に質問しても経費である理由をきちんと説明できない「あやふやな出費」は、当然ですが経費に入れていません。
実際、過去に世間を賑わせたこんな事例がありました。
『外れ馬券が「経費」で認めるか否か』という裁判です。
結論から申しますと、競馬の馬券を継続的に大量購入していた男性は、外れ馬券代を経費と認めるよう求め最高裁で勝訴し、「外れ馬券代を経費に算入できる」と認められました。
つまり『外れ馬券は俺にとっては経費なんや!』と、合理的に第三者に説明できたから、裁判所もそれを認めたということです。
実際に私が今までに調査を受けた事業主の方々も、同様の基準で処理していれば特に指摘を受けることはありませんでした。
改めて、そのレシートが経費に入れられるかどうかは、もし税務調査があったときに、『あなた』が『経費であることを調査官に合理的に説明できるかどうか』、それによって決めていただくのがよいのではないでしょうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24696880V11C17A2CR8000/
追伸
上記はあくまで税理士一個人の「私見」であり、あくまで経費になるかどうか悩んだ時の判断材料にして頂ければ幸いです。
他にもこんな感じのぶっちゃけた話が聞きたい!と
いうことがもしございましたら、コメント欄に記載して頂けると嬉しいです。
自分に答えられる範囲内で、回答させて頂きます。
最後に・・・
これからの確定申告シーズンに向けて、みなさんのお悩みの一助になれれば幸いです。