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ローランドとガクトの炎上対応、なぜ差がついたのか

ローランド氏とガクト氏がプロデュースしたブランドのデザインパクリが発覚して炎上したが、その後の炎上対応にかなりの差がついた。それぞれ自身のYouTubeチャンネルにて謝罪動画を出したところ、ローランド氏は6割が高評価だったが、ガクト氏はわずか2割。8割が低評価となってしまった。
なぜ同じ炎上案件を抱えつつも、これほどの差が出てしまったのか?

※ローランド氏は高評価6.5万・低評価4059、ガクト氏は高評価1.3万・低評価4.4万(2020年12月25日現在)

そもそもの経緯は以下のとおり。(以下、敬称略)

ガクト(GACKT)とローランド(ROLAND)によるドレス・ランジェリーブランド「G&R」を運営するデイジー(dazzy)が、商品デザインの模倣疑惑を認め、公式サイトで謝罪コメントを発表した。商品の販売を中止し、購入者に対しては商品の回収と代金の払い戻しを行う。
同ブランドではガクトとローランドがプロデューサーを担当。女性を"一流"にするためのブランドとして、第1弾企画のディレクターに元キャバクラ嬢の門りょうを迎え、ドレスとランジェリーを展開していた。12月16日に発表会を開催し、公式オンラインサイトで販売を開始。19日にはSNS上でドレスの一部が海外ブランドのデザインを模倣しているのではないかと批判が相次いでいた。
デイジーの発表によるとガクトとローランド、門りょうがコンセプトやデザインの方向性を同社のデザインチームに伝え商品を製作していたが、ドレス担当のデザイナーのひとりがデザイン考案に行き詰まり、既存商品とほぼ同一と思われるデザインを提案したという。ガクトとローランド、門りょうの3人はそれぞれのSNSで謝罪文を投稿。今回の騒動を受け、ローランドは同社との契約を解除した。
引用:https://www.fashionsnap.com/article/2020-12-21/gackt-roland-gr/

それぞれの謝罪動画の内容を見てみると、違いがよく分かる。

ガクトの動画は、まず怒りの感情を表明してから「なぜこの仕事を受けたか」の経緯説明をし、デイジー社への怒りとダメ出しが続いたものの、デイジー社に再度チャンスを与えたいと言って締めている。自身の感情については冒頭で「残念」と表現しており、最後に「申し訳ないです」と謝罪をした。

それに対して、ローランドは終始謝罪をしており、自分の責任能力が欠けていたと反省の意を述べている。自分が確認不足だった、契約解除をしたが返金対応などは追って監修を続ける、今後の行動で誠意を伝えていきたいという流れだ。

ちなみに、ディレクターとして参加した門りょうも謝罪動画を出したが、こちらもデイジー社への怒りの感情が露わになっていて、結論は「もうプロデュース業はやらない」だった。高評価が5957、低評価は3.7万と振るわない。

■他人のせいか、自分のせいか

全員謝罪はしているのだが、何がここまで印象を変えたのか。理由はいろいろあるが、最大の理由は言いわけの有無だ。「なぜこんなことが起きたのか」という点において、ガクトはデイジー社の未熟さを、ローランドは自分の未熟さを挙げた。

確かに今回のパクリ騒動はデイジー社側に原因があり、タレント側は巻き込み事故に近いものがある。デザインに精通していない人間が模倣かどうか判断するのは難しい。

それでも、たとえ自分が悪くなくても頭を下げるのが一番信頼される謝り方だ。理不尽ではあるが、日本社会においては責任を持って頭を下げることが誠実さだと判断され、信頼につながるのだろう。そして、言いわけが主軸になっている形式的な謝罪は偽りとされ、評価されない。

■一人語りか、質疑応答か

動画の形式も、ガクト・門りょうとローランドでは異なっている。ガクト・門りょうは一人語り形式だったが、ローランドはYouTubeチャンネルのプロデューサーからの質疑応答スタイルで、さながら記者会見だ。

本来、身内であるはずのプロデューサーからは厳しい質問が飛び、ローランドに味方していない点もミソである。視聴者が感じるだろう疑問を代弁して「インフルエンサーVS視聴者」の代理戦争をさせ、それに対してローランドがきちんと謝罪することで不満や怒りを解消させる構造になっている。炎上の火消し役となるパートナーは、直後の表舞台では適役に徹するのが重要なのだ。

ちなみに、この代理戦争はYouTuberのてんちむも「街頭インタビューでボロカス言われた後、本人登場」という動画で行っており、高評価は低評価の2倍。心象としてはプラスで成功している。

■理不尽を飲み込む度量があるか

仕事では自分が悪くなくても頭を下げるシーンが多々ある。
「なんで自分が」と疑問がよぎる。
頭を下げるたび、何かがすり減り零れ落ちていく気がする。

その是非はさておき、
「謝ってうまくいくなら、いくらでも頭を下げますよ」
と思える人がのし上がっていく。

理不尽も自分の糧として飲み込める人が成長していくのだ。
その度量を持つのは、なかなかどうして難しい。

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秋カヲリ@星天出版代表
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