見出し画像

鳥を保護した際のSNSとの向き合い方とは?面倒なときはやめてもいい

鳥を保護して3ヶ月が経過し、無事飼い主になりましたが、正直最も難しかったことはSNSの運用です。

私は2024年10月から鳥を保護して、3カ月間、ほぼ毎日Xの更新を続けてきましたが、その中で感じたSNSとの向き合い方で重要な点を保護主さん向けにまとめておこうと思います。

保護主さん向けなので、少し過激な発言もあるかもしれません。苦手な人は自衛してください。

【私”はぎ”について】
物心ついたときから生き物飼育をはじめて30年ほどの生き物飼育おじさん。
魚類⇒両生類⇒爬虫類と順当に上陸し、2024年10月に迷子鳥を保護したことで無事(?)空まで飛ぶ。
保護ネコ×2匹も飼育しているため、魚~哺乳類までが我が家に揃う。
キャパシティを超えず、なるべくリッチな環境で飼うことが好き。
ペット以外の趣味は音楽・ゲーム・料理・お酒・野球観戦(De)。
Xアカウント⇒https://x.com/hagisunhagi


【結論】全ての助言に答えるのは物理的に不可能

鳥を保護してSNSに発信すると、たくさんのアドバイスや要望のコメントが殺到することになりますが、すべての助言に答えるのは物理的に不可能です。

例えば、私の場合は保護して約1ヶ月半の間に以下の購入や対応を行いましたが、もろもろ総合すると6~7万円ほど出費しています。

【購入したもの】
・ケージ
・保温器具(ヒーター+サーモ)
・紫外線ライト(ライト+ソケット)
・鳥のためだけのエアコン管理
・保温のためのアクリルケース
・アクリルケージを置くための台
・検診代
・おもちゃ
・様々な種類のエサ代
・エサ皿や菜挿し・脱走対策
・関連書籍の購入

個人的にはだいぶ頑張ったと思っていますが(書籍に関しては私の趣味でもあり)、結果的にここまでやっても助言が止まることはないです。

???「よく頑張りましたね。それでは次に遺伝子チェックをお願いします😊」

???「おっと、ここが不安ですね。動物病院を再度受診しましょう😊」

エサはペレット以外認めないおじさん「エサはペレット以外認めない😡」

と赤ペン先生(+エサはペレット以外認めないおじさん)よろしく、次々にタスクを上積みされていきます。

そのため、ご自身の中で「できるのはここまでだな」と線引きして、無理なものは無理と突っぱねて全然問題ありません。

だって無理ですから。

全てを赤べこのようにうんうん聞いていたら経済的にも精神的にも崩壊します。

何よりも一番大事なのは保護主さん自身の生活と健康です。

保護施設を利用するのもおすすめ

自分じゃ無理だし、そんな責任を負いたくないという場合は保護施設を利用するのもおすすめです。

というか、寒い時期に保護した場合は、積極的に利用した方が良いと今になって思います。

冬の時期はどうしても保温が必要になるので、想像以上に経済的コストがかかってしまうからです。

保温器具って数千円でしょ?と思う人も多いと思われますが、サーモスタット+保温球で概ね1万円程度となかなかの金額がかかります。

また、保温球をつけていても理想となる温度帯を維持するには、結局アクリルケースなども必要になるので、我が家は保温だけで2万円は使っています。(アクリルケースが大きいため、置くための台を入れたら3万円…。これでも安い方じゃないかな…。)

私は保護の段階で保護施設なる存在を知らなかったため自前で保護しましたが(結果的に保護インコとの生活はとっても幸せでした💙)、保護施設を上手に利用した方が一番確実で変なストレスを抱える心配もないです。

もちろん自分で保護すること自体は全く否定しませんし、鳥の飼育経験がある人であれば保護してくれた方が保護施設側から見てもありがたいでしょう。

鳥保護のSNS運用で助言を聞くべき発信者の特徴

鳥を保護した際には大量に助言やアドバイス・要望などが来ますが、正直、玉石混交です。

そのため、保護主側で助言内容やその発信者自身を判断する必要があります。

私が3カ月間運営してきたなかで、助言を聞くべきだなと感じた発信者の特徴は以下のとおりです。

・身分を明かしてくれる人
・信頼できる情報ソースを提示してくれる人
・自分の飼育環境や個体を見せてくれる人
・日常的に関わってくれる人

身分を明かしてくれる人

鳥の保護活動において身分を明かしている発信者は信頼性が高く、適切なアドバイスが期待できる存在です。

例えば、獣医やブリーダー、バードトレーナーなどの専門家はもちろん、個人で長年保護活動を続けている人や、ロスト対策の呼びかけを行う社会奉仕者、鳥関連のNPO法人でボランティアをしている人なども含まれます。

また、鳥関連グッズのクリエイターなど、鳥の世界に深く関わる活動をしている人も信頼できるケースが多いです。

こうした発信者は、自分の立場や実績を公開しているため、言葉に責任を持ち、保護主の状況に合った具体的な選択肢を提案してくれます。

もちろん、全てを盲信しろというわけではありませんが、専門性や権威性・信頼性はかなり高いレベルで担保されていると言えるでしょう。

わからないことを素直に相談すれば、ほとんどの場合、親身になって対応してくれる頼りになる存在です。

信頼できる情報ソースを提示してくれる人

信頼できる情報ソースを提示してくれる発信者も心強いです。

保護主は突然鳥を飼うことになり、適切な情報源を見つけるのが難しい場合が多いため、こうした人々の助言は大きな支えとなります。

例えば、保護鳥の健康や行動に関する疑問をSNSで投稿した際、動物病院や専門家が発信しているURLを紹介してくれる人は、正確な知識を提供する意識が高いと言えます。

自身が飼育者として体系化してきた経験や専門的な知識も惜しみなく提供してくれるので、保護活動の助けとなるアドバイスがもらえるでしょう。

提供された情報にわからない部分がある場合は「この部分ってどう解釈してますか?」と質問すれば、だいたい論理的に自分なりの考えを嫌味なく教えてくれます。

自分の飼育環境や個体を見せてくれる人

自分の飼育環境や個体を具体的に公開している発信者は信頼性が高いです。

具体的には以下のような情報を公開している人を指します。

・飼育スペースやケージの配置
・エサやおやつ・サプリメントの種類
・育てている個体の様子

上記のような情報を発信してくれる人は、鳥の生活環境に対して配慮が深く、実際の経験に基づいたアドバイスをしてくれる可能性が高いです。

発信者が育てている個体の様子を画像や動画で見せてくれる場合、飼い主としての責任感や実績も伝わりやすく、情報の裏付けにもなります。

また、コメントに貼り付けていなくてもポスト上で日々飼育個体の状態をアップしていたり、情報発信に積極的だったりする姿勢は保護活動の参考になるでしょう。

日常的に関わってくれる人

SNS上で日常的にコメントやメッセージをくれる人は大変貴重な存在です。

彼らはあなたの活動を応援したいという思いから関わってくれるケースが多く、その助言は信頼できることが多いです。

実際に鳥を飼育している人が大半なため、鳥飼育の先輩としてあなた以上の知識や経験を持っています。

また、日頃からポジティブなコメントをくれる人が「ここを改善したほうがいい」と指摘する場合、それは本当に重要なポイントである可能性が高いです。

こうした人々と良好な関係を築くことで、飼育環境を改善したり、保護鳥の異常にいち早く気付けたりするヒントが得やすくなります。

権威性などの有無に関わらず、このような存在はSNS運用の大きな励みになります。ほんとに励みになります。ほんとに。

鳥保護のSNS運用で助言を慎重に聞き分けるべき発信者の特徴

鳥を保護した際のSNS運用では、あなたを助けてくれる人がいる反面、助言を慎重に聞き分けるべき発信者がいるのも事実です。

具体的には、以下の発信者の話は情報を慎重に精査するか適当に受け流すか受け取らないか、最悪「不要です」と拒否してもOKだと考えています。

・選択肢を狭める人
・極端な意見を押し付ける人
・理想論だけを語る人

選択肢を狭める人

「選択肢を狭める人」のアドバイスには注意が必要です。

こうした人は自分の経験や信念を絶対視し、他の可能性を否定する傾向があります。

例えば、満を持して登場、ペレット以外認めないおじさんの「ペレット以外認めない」や「こうしないと鳥が不幸になる」といった断定的な言葉で保護主にプレッシャーをかけることがあります。

鳥の保護には個体差や状況に応じた柔軟な対応が求められるため、選択肢を狭める助言は適切でない可能性もあるのです。

また、断定的な助言が必ずしも間違いとは限りませんが、保護主が他の選択肢を考慮する余地を奪うことで、誤った方向に進むリスクも生じます。

事実、保護主さんが他の発信者からの「こうすべきだ!!」というコメントにプレッシャーを感じ、保護の発信を辞めたりSNSアカウントそのものを削除したりするケースがよくあるそうです。(界隈の過去ツイや鳥仲間さんからの伝聞)

こうした発信者からの情報を受け取る際は、冷静に判断し、信頼できる複数の情報源を参照して、柔軟な視点を持つことが大切です。

情報の信憑性があいまいな場合は、周りのコメントも精査して、とりあえず平均値にしたがっておけば間違いは少ないです。

独り言

そもそも生き物を飼っているとわかりますが、絶対的な事柄の方が圧倒的に少ないです。

よくジャンル問わず「飼育に正解はない」なんて言われますがまさにそのとおりで、種類や個体によって必要なケアは大きく変わります。

大体、造詣が深い人はその点もわかっているので、選択肢を『狭める指示』ではなく、『広げる提案』ができます。

「こうでなければ絶対にダメです!」という意見に出会った場合は、他のコメントとの整合性を図ったり、自分自身で信頼できる情報を探したりして信憑性を確認しましょう。

ただし、生き物を飼う以上は一定の「絶対」は存在するので、詳しくは「助言を見極めるために保護主自身がすべきこと」を確認してください。

「絶対」という主張が「その人の中で」の話なのか、本当に数少ない「絶対」に該当しているかを判断するには保護主自身も知識を付ける必要があります。

極端な意見を押し付ける人

極端な意見を押し付ける発信者もいるので注意が必要です。

例えば、「外にいる野鳥はウイルスを持っているから近づくな」や「ペットショップに行ったら必ずシャワーを浴びろ」といった、過剰に恐怖心を煽る発言は、その助言が正確かどうかを冷静に考える余裕を奪います。

極端な意見は、時に保護主を混乱させ、不必要な不安や負担を生む原因になります。

もちろん、鳥を守るために衛生管理や安全対策が必要なのは事実ですが、そのアドバイスが現実的で実行可能か、また科学的根拠があるかを見極めることが重要です。

こうした発信者の意見を受け取る際は、他の情報源と照らし合わせ、必要に応じて専門家に相談しましょう。

専門家に質問できる状況にない場合は、信頼できる鳥に詳しい人に「どう思う?」と聞いてみるのもおすすめです。

概ね「そりゃベタベタ触ったり糞が体についたりしたなら別だけど…」みたいな、現実的な反応をしてくれるはずです。

極端な意見を無批判に受け入れることは精神的にも疲弊するため、鳥の保護活動を続ける上での大きな障害になりかねません。

野鳥さんはその辺を自由に飛んでいるので確実に防ぐ場合は家から一歩も出ない方法しかなく、現実的ではないですよね。

まぁ、少し辛辣な言い方になりますが、外れ値の話は優先度がかなり低いので保護段階では「ふーん」と思って無視して問題ないです。

理想論だけを語る人

理想論だけを語る発信者の助言にも慎重になるべきです。

例えば、「保護した鳥は必ず遺伝子検査を受けるべきだ」や「すぐに専門的なケアを受けさせるべき」といった意見は、一見正しいように思えます。

しかし、保護主の環境や状況を無視して高いハードルを設定する理想論は、実現が難しく、結果として保護主を追い詰める可能性があります。

理想論はあくまで理想的な条件下での話であり、全ての保護主がその通りに実践できるわけではありません。

限られたリソースや時間の中で鳥を守るには、現実的かつ柔軟な対応が求められます。

理想論だけを語る人の意見を鵜呑みにするのではなく、自分の状況に応じて何が最善かを考えることが大切です。

参考程度に受け止め、他の実用的な意見や選択肢も積極的に取り入れましょう。

何度も言いますが、先述した「助言を聞くべき発信者」に状況を説明すれば、専門的な視点や鳥飼育の経験から最適な方法を一緒に考えてくれるはずです。

保護主自身が無理をせず続けられる方法を見つけることが、鳥と自分のために最も重要です。

助言を見極めるために保護主自身がすべきこと

鳥を保護する際、SNS上で多くの助言を受けますが、それを正しく見極めるためには、保護主自身が一定の知識を身につけることが不可欠です。

鳥を保護するのはあくまで保護主自身の選択であり、その選択には責任が求められます。

知識を持たずに助言を受けると、言われたことを全て信じてしまい、極端な意見や非現実的な理想論に振り回される可能性があります。

知識を身につける方法として有効なのが、鳥の飼育書を活用することです。

飼育書にはその種に対する平均的な飼養方法が記されており、それに沿って行動すれば大きく間違った方向に進むリスクは軽減されます。

また、飼育書を購入する際は、最低でも2冊を選ぶことがおすすめです。

複数の飼育書を読むことで、それぞれの情報の共通点や相違点を把握し、助言がその平均的な飼育法から逸脱しているかを判断する基準にもなります。

中古の飼育書なら1冊300円程度で手に入るため、600円ほどで命を預かる上での重要な知識を得られます。

さらに、情報は時代とともに進化するため、発行年数が比較的新しいものを選ぶことで、より最新の飼育方法に基づく助言を理解できるでしょう。

自身の知識を深めることで、「これは理想論に過ぎない」「この意見は現実的ではない」といった助言の信憑性や実現性を冷静に判断する軸が育まれます。

最終的に、自分自身で適切な方法を選択できる力を持つことが、保護主にとっても鳥にとっても最良の結果をもたらします。

命を預かる責任を果たすためには、まず知識を得る努力を怠らないこと。それが、助言を正しく見極めるための第一歩となるでしょう。

【最重要】面倒なときはSNSでの発信をやめてもいい

鳥を保護した際、SNSで情報を発信することは、飼い主さんを見つけたり、助言をもらったりするために役立つツールです。

しかし、発信を続けることが負担に感じられる場合は、無理に続ける必要はありません。

保護主として最も優先すべきは、鳥の健康と安全、そして自身の心身の健康です。

SNSの投稿やコメントへの返信が義務感に変わり、それがストレスや疲労の原因になるなら、一時的にでも発信をやめる判断をしても問題ありません。

SNSの利用はあくまで自由であり、保護活動そのものを支える補助的な手段でしかないからです。

特に、ネガティブなコメントや批判的な意見を受けた場合、それを無理に受け止めようとする必要はありません。

他人の意見に振り回されることで、保護主自身の判断力や行動に影響が出るのは避けたいところです。

そのようなときは、アカウントを非公開にする、通知をオフにする、または一切発信をやめるといった方法で、自分のペースを取り戻しましょう。

また、SNSを使わないことで得られるメリットもあります。

鳥との時間に集中できるようになり、気づきや観察が深まったり、鳥にとってより良い環境を整えられたりするかもしれません。

発信が負担になっている場合は、そのエネルギーを鳥のケアや、自分自身のリフレッシュに使うことも立派な選択です。

SNSは役立つツールではありますが、あくまで選択肢の一つです。

発信をやめることは、鳥の保護主としての責任を放棄するわけではありません。

自分の心の余裕を保つために、無理せず、自分のペースを大切にしましょう。

スルーできなくてもあなたの価値は落ちない

SNSでの発信や他者とのやり取りの中で、批判や否定的な意見に直面すると「スルーしなければ」と感じてしまうことがあります。

しかし、スルーできない自分を責める必要はありません。

自分のメンタル面を守るためには感情を抑え込むより、「自分は今、こう感じているんだ」と認めてあげることの方が大切です。

感情なんてもって当たり前なので、無理に耐えるよりかは認めて、ときには相手に伝えるべきことを伝えることも必要です。

そもそもよく言われる「インターネットはスルーが大事」なんてのは、インターネットがまだ一部の人による趣味だった黎明期の話だと私は考えます。

そもそもインターネットが特別な空間という認識そのものが誤解です。

現在のインターネットやSNSは、社会インフラの一部として実生活と密接に結びついており、リアルな人間関係と同じように捉えるべき場です。

そのため、ただスルーするだけの「スルースキル」よりも、相手と適切に向き合う「コミュニケーションスキル」が重要だと考えられます。

相手が意図せず、あるいは意図的にあなたを不快にさせているのであれば、それは「スルーできないこと」自体が悪いのではなく、相手のコミュニケーションスキルが欠けていることが原因の場合も多いです。

スルーできない自分を必要以上に責めることなく、ときには感情的に怒ってしまうのも人間として自然な反応だと認めてあげることの方がはるかに大切です。

「スルーできない自分は未熟だ」と感じずに、自分の感情に正直に向き合って表現することで、自分自身の価値を守れます。

感情はあなたの一部であり、それを否定する必要は全くありません。大切なのは、自分を尊重しながら適切に保護活動を続けることです。

あくまで私の経験ですが、善意でも悪意でも自分が嫌だと感じることは「嫌だからやめてください」と明言した方が楽になります。

嫌なことを嫌だと発信することで、あなたが嫌だと思うようなコミュニケーションを取る人も減っていくので、コミュニケーションコストを下げられます。

踏み込み過ぎた善意の全てにぶちギレていたり、適切な助言までないがしろにしていたりする場合は別ですが、さすがにこれはうるさすぎると思う発言は、むしろスルーしない方が良い結果を招けるケースもあるのです。

自分の気持ちと尊厳を上手に守りながらSNSと向き合いましょう。


いいなと思ったら応援しよう!