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【号外3】ひと・町つながるシリーズ

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ひとや町がコーヒーを介しつながっていく、創造のブレンドコーナーです。売上の一部を関わりのある地域や子どもたちに寄付をいたします。
運営しているクリエイター

#棚番号1

「摩耶ブレンド」とアイデンティティ

私たちは、昭和3年(1928年)に、和田市場(現:JR灘駅・北側)で創業した。 当初は、「萩原商店」として、市場の一角で缶詰や穀物などと共に、コーヒー豆を販売していた。(萩原珈琲の歴史 http://www.hagihara-coffee.com/ ) 店構えは、市場の一商店。小さいながらに、ずっと「上」を向いていた。 1961年に現所在地(神戸市灘区城内通)へ移動し、萩原珈琲株式会社を設立。やはりこの時から現在までも、90年間ずっと私たちは「上」を向いている。 和田市場

灘の下町ブレンド A面

市場の前を通る。喫茶店ダックの中を覗いて、手を振る。「○○くん、今日も一人?」私は小さくうなずく。小学生ながらに、「独り」の方が都合がよいことを知っていた。それは独占欲に近い感覚。 そんな、30年前の話。 私の生まれは、市場から北東に300mくらい行ったところ。 現在、この地区で「市場」と言うと水道筋(全般)をさすが、当時のこの地区の一部の人には和田市場(現・JR灘駅北側)が馴染み深くて、記憶と思い入れが深い。もうないけど。 まず、笑顔が「すぎる」おばちゃん、Tさん(うど