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編み物ともだちがいない

周りに編み物ともだちがいない。

たしか高校生の頃から編み物をはじめたが、周りには編んでいる友人はいなかった。大学に進んでも見つからない。

社会人になって同じ会社に勤める先輩が、編み物上手な人だった。なんとその方のおばあさまは編み物教室の先生だったという。秋になると編み図の交換をしたり、「三國万里子さんの新刊かう?」なんて話をしたり、編んでいる途中のものを見せ合ったりしていた。


なんて楽しいんだろう!

ようやく見つけた編み物ともだち!しかしこの頃の私はネオンきらめく東京で忙しく働いており、仕事漬けの日々。なかなか編み物に没頭できる時間はなく、先輩だけがみるみる上達していった。私は冬が始まる頃に作り目だけつくって、数段編んでいるうちに春を迎えることを何回か繰り返した。

退職して今また編むようになって、周りには編み物ともだちがいない。おかしい。Instagramで「#knit」「#編み物」というハッシュタグで探せばたくさんでてくる。なんだ、みんなこんな素敵なの編んでるんじゃん。なのになんで近くにいないんだろう?

そこで気が付いた。私は編み物するよって周りに言ってない。というか、聞かれないので言う機会もない。あぁ、もしかしてこんな人がたくさんいるのかも。なかなか言う機会ないよね、「私編み物好きなんだ」って。


編み物の楽しみって、編んでるときだけじゃないんだよ。やっぱり誰かに見せたいし、褒めてほしい。そして誰かが編んだ作品もたくさん見たいし、すごいねそれ!とっても綺麗!って言いたい。

編み物ともだちはちゃんといる。だから、編んでいる途中でも、完成したものでも、せっかくなので見せてほしい。私もへたっぴなりに編んでいる過程を出していくので。

2018年に編んだ手袋。左手の模様が間違っていることに気が付いたのは完成後。

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