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組織と個人、誰の責任と考えるか
組織においては、仕事に従事する人数が多ければ多いほど、その分不祥事の発生頻度も増加していきます。
恥ずかしながら、当社においても多かれ少なかれ不祥事は発生しています。
不祥事の中身はそれぞれ違えど、実は根っこは同じだなと感じるケースも多く見受けられます。
それは何かと言いますと、やはり「考え方」を間違えているから発生するということ。
そもそも、不祥事とは「好ましくない事柄、事件」という意味です。「一定の社会的な地位を持つ個人または団体などが起こした、社会的な信頼を失わせるような出来事」という解釈もあります。
会社として対外的にしでかしてしまったことは、その時点では不祥事ではなく「問題発生」なのだと捉えています。
その問題を特定して、真正面から向き合って取り組んでいけば、問題解決に向けて進めていこうとする個人や組織の姿勢を示すこともできますから、これを不祥事と言ってくる人は少ないような気がします。
不祥事と言われてしまうのは、問題が発生した際の対応が誤っている場合。嘘をつき、隠し事をして、それが後から発覚した場合。その時に周囲の人たちや世間から「ああ、これは不祥事だな」というレッテルを貼られてしまうのだと思います。
社員がプライベートで起こしてしまった問題については、通常は組織としては関りを持ったり庇ったりすることはしないかもしれませんが、これが仕事の中で生じさせてしまった問題については「全て会社の問題」と捉えています。
ところが、ここが不祥事の根っこの部分となるのですが、人によっては起こしてしまった問題を上司に伝えると「怒られる」と判断して、報告をしない人がいます。
隠し立てをしてなかったことにするのですが、結局は隠し通すことができずにどこかでバレてしまい、結果不祥事となります。
また、報告をしないだけならまだしも嘘をつく。つまり、虚偽の報告をするというケースもあります。これも虚偽と分かった時点で不祥事となります。
「怒られる」のが嫌で、隠したり嘘をついたりしてしまったことで、結果としては後から叱られるどころか責任を追及されて処分を受けてしまいます。
考え方をあらためていただかないといけないのは下記の点です。
仕事を通して発生した問題は、全て会社の問題であるから「会社の責任」であるということ。つまりは問題発生の原因をつくった当事者への責任追及をする必要はないということ。
ここで責任追及をしてしまう企業文化では、次から報告をするのが嫌になって、余計嘘をついたり隠し立てをしたりするような社員を増やす要因となります。
では、どんな時に責任追及をするかというと、もうお分かりだとは思いますが、問題発生の報告をしなかったり、嘘をついたり、隠し事をした時です。
それまでは会社の問題、「会社の責任」であったことが、個人の判断で報告しない、虚偽の報告にすり替える、隠し立てをして何も無かったことにする、となった場合は、その時点で「当事者の責任」となります。
当事者の責任は、当然ながら当事者にとっていただくのが筋です。
報告・連絡・相談(ほうれんそう)をするのは、つまりは責任を上司や会社に振るため。
それをしないで自分勝手な判断をすることが、そもそもの不祥事の原因となるのだと思っています。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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