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なぜだか相手をイラつかせたままにしてしまう人
あまりジェンダー的なことを話題にすると、また物議を醸してしまうかもしれませんが最近あった出来事について触れてみたいと思います。
他部署に新しく配属になった男性スタッフがいるのですが、なぜだか周囲の女性スタッフたちと関係性が上手く構築できていません。
どうやら部下である男性スタッフたちとはちゃんと関係性が出来ているようです。
私の部下が以前の彼のことを知っていたので、当時は女性スタッフとの関係性はどうだったのか訊いてみると、やはり言葉のやり取りなどで上手くいっていないことがままあったとのこと。
気になっていたので他部署ではあるのですが、早速飲みに連れ出してみました。
仕事の絡みもないですし、お互いの経歴について触れながらむしろ飲み過ぎたくらい楽しく過ごしたのですが、酔いが醒めてから居酒屋での会話を振り返ってみるといくつか気になる点が見えてきました。
ひとつ会話の中で気になったことが、相手との話の場において言いたいことを言える機会がもらえたということで、これまで自分の中に溜めてきたものを全て吐き出したとのこと。
当たり前ですが、その後相手の女性は烈火のごとく怒って、未だその火は消えることなく燃え盛っているとのこと。
ところが本人の感想はというと、「でも言いたいことを言えたのでスッキリしました」とのこと。
この場合に念頭に置く必要があるのが、「なんのために」という目的意識でしょうね。
プロジェクトを上手く成功させることが目的なのか。
それとも、自身の気持ちをスッキリさせることが目的なのか。
その目的設定によって、とるべき姿勢や態度、遣うべき言葉が決まってきます。
チームとしての目的を優先させるのか、それとも個人の感情を優先させるのか。
例え相手が感情的になっていたとしても、それでも関係性は鏡です。
相手の負の感情を不用意に引き出してしまうのは、自分の方の配慮のなさ、もっと言えば目的意識を持たないからこその自身の感情の暴走によるものです。
そしてもうひとつ気になった点は、女性スタッフと一緒に仕事をしていく中で、指摘を受けたり指示を受けたりしてなるべくきちんと向き合おうと思ってはいるが、「これは違うな」と思ったことについては思わず言ってしまうことがあるという話がありました。
まだこれから仕事を覚えていく立場ですから、果たして本当に「これは違う」のかどうかもそれはまずやってみてからだと思っています。
それより何より気になったのが、会話のラリーの在り方について。
最後の最後に自分が堪えていたことを吐き出してしまうということは、そのラリーの最後の球を投げたり打ったりするのは自分の側になってしまうのですよね。
ここが今回ちょっとジェンダーの話題で抵触するのではと気になっているところなのですが、以前のコラムでも触れましたとおり脳科学的には「女性脳はまず共感を求め」「男性脳はまず問題解決を求める」という性差について。
私は人間関係を円滑にするためには、ラリーの最後の球については自分自身の方が受け手になった方がいいのではないかと考えています。
ましてや、相手の女性が感情的になってしまっているとしたら、最後の球をこちら側がスマッシュで返して決めてしまったらどうなるか。
おそらくは、感情的なしこりを相手の中に残したまま放置することになってしまうのではないでしょうか。
その後の関係性はこじれて、おそらく修復するのも難しくなるような気もします。
例え相手が卓球やテニスのようにジャンピングスマッシュを打ってきたとしても、こちらはあくまでもキャッチボールをしている体で捕手として優しくその球を受け止める。
これがその後も変な軋轢を起こさずにその相手との関係性を保つ秘訣ではないかと思っています。
すべての共感は、まずは相手の球を受け止めるところから始まります。
そもそも、キャッチボールのラリーなのか、それともテニスの試合のようなラリーなのか。
これも目的を定めることで適切なラリーの在り方が分かるはずです。
彼には後日、「会話のラリーの最後の球は相手に打たせて、自分はそれを受け止めること」、そしてそれを受け止めることで自身の中に溜まるものについては「また飲みに行こう」と伝えています。
吐き出す相手は何も直接の相手でなくてもいいはずです。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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