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人間関係の構築について
私たちの業界はいつでも人不足です。
需要に対して供給が追いつかないというのは大変ありがたいことではありますが、実際の当事者としては何とかしていきたい問題でもあります。
そして、人不足の要因は二つに分かれます。
ひとつは採用難。応募者、入ってくる人数に限りがあるということ。
もうひとつは離職。せっかく入社されても、バケツの底に穴が空いていれば働く人の人数は増えません。
そこで大切になってくるのが、離職率を下げていくこと。
現在のように国策の悪手もあり、コロナ禍が想定以上に長く続いている状況では、今まで以上に気を遣ってお客様対応をしている介護現場で働くスタッフたちは疲弊してきており、このまま続くとモチベーションやモラルの低下が危惧されます。
そうした事態を避けるためには、これまで以上のコミュニケーションが不可欠だと考えています。
そして、このコミュニケーションで一番重要な要素は、「物理的にどれだけ一緒にいられるか」だと思っています。
かつて九州で社長をしていた時に、一番近くで支えてくれた部下であり現在は社長同士として付き合いのある同僚がいるのですが、この人とはとにかく長い時間一緒にいました。
九州全域を担当していますから移動時間も長く、5時間以上一緒にドライブすることなどもよくありました。
5時間も一緒にいると、ずっと仕事の話だけということにはなりません。お互いの家庭のことから、過去のことまで、隠し事なく何でも話し合ってきた6年間でした。
10歳も年上であるにもかかわらず、よく向き合ってくださいましたし、今でも良い関係性であるのは、あの濃密な時間があったからだと思っています。
世界的な企業であるグーグルには、「150フィート・ルール」というものがあり、オフィスのどこにいても150フィート(45メートル)以内に食べ物にありつけるように設計されているとのことです。
この設計には、「人間関係はどのように構築されていくか」という1950年にマサチューセッツ工科大学の大学寮での調査結果が根拠として反映されているとのこと。
この調査では「親友は誰か?」という質問に対し、41%の人が「隣の部屋の住人だ」と答え、部屋が遠くなればなるほど、その数は減っていったそうです。
導き出された調査の結論としては、
一般に、人が友人になるのは、互いの考え方が似通っていたり、共感できたりするからだと考えられていますが、実際には、人は顔を突き合わす回数が多いと、互いの考え方が似通ってきて友達になるのではないか。
ということです。
グーグルではこの実験を根拠に、食べ物をフックとして、習慣ベースで多くのスタッフたちが交流できる環境を用意しています。
社内においてスタッフ同士が雑談したり、顔を突き合わせる機会をどれだけ増やせるかというのは、円満な人間関係の構築、ひいては離職の少ない職場環境へと直結するのだと実感できる事例です。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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