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当たり前は求めない
お客様からサービスの対応に対してのお叱りをいただきました。
本部で受け付けた際に言われたのは、これまでも拠点の方には再三言い続けてきた、とのことでした。
当社には、お客様からご指摘を受けた内容はクレームとして捉えて、そのクレームは必ず報告するという方針があり、「クレーム報告書」という書式も用意があります。
ところが、この件については、これまでに拠点から上がってきた履歴はありませんでした。
拠点長に確認してみると、「私はそれをクレームとしては捉えていません」との回答が。
これは明らかな方針違反なので、この拠点長に対していろいろと思うところはありますが、今回の本題は別のところにあります。
こちら側にとっての当たり前と、相手側にとっての当たり前、この両者の当たり前に齟齬が生じた時に、問題は発生します。
あらためて、当たり前って何でしょうか。
調べてみると、辞書には「そうあるべきこと、そうすべきこと。また、そのさま。」、「普通のこと。ありふれていること。また、そのさま。並み。ありきたり。」とあります。
「分かりきっていること」や「明白で紛れもないこと」ということになりますが、これらは同じ価値観のもとにおいて、はじめて共通事項・共有事項として認識されるもののことでもあります。
規範、与えられた役割、義務、習慣、方針。
これらは、国や文化、組織が変われば全く別のものとなります。
ということは、仕事において当たり前を適用して問題がないのは、あくまでも自社内や自分に当てはめた場合なのではないでしょうか。
お客様は社外の方ですから、同じ規範、同じ役割、同じ義務、同じ習慣、同じ方針のもとには判断をされていません。
こちらの当たり前をあてはめてはいけない対象と捉える必要があります。
また、クレームというのは、こちらの「当たり前」がおかしいということをご指摘いただいているということでもあります。
それを「ありがたい(有り難い)」ことと捉えて対応していくことが、自らの当たり前の価値観をより良く上書きすることにもつながります。
まとめますと、当たり前は、同じ価値観が共有できている状況において、自らの在り方にあてはめるもの。
お客様対応に際しては、「相手に当たり前は求めない」という姿勢が大切です。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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