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間接部門としての理想的な関わり方
多くの組織で似たような体制をとっているとは思うのですが、当社においてはお客様に直接的なサービスを提供する拠点(現場)とその現場業務が円滑に進むよう支援する間接部門(本部・事業部)があります。
事業の目的は、お客様へのより良いサービスの提供であり、お客様にお元気になっていただくことですが、それは現場の目的であり、間接部門の目的としましては、現場のスタッフたちがお客様へより良いサービスを提供することに集中できるよう下支えをしていくこととなります。
一番良いのは、現場がやる気をもって主体的に動いてくれるようになること。
そんな仕組みづくりのためのヒントのひとつとなるのが、「サーバントリーダーシップ」という考え方です。
従来のピラミッド型の組織だと、リーダーはメンバーに指示・命令をします。
指揮系統としてリーダーは高い地位と大きな影響力や権力を持っていて、失敗に対しては罰で処分するというケースも見受けられます。
「サーバントリーダー」は、その反対になります。
サーバントという英語は直訳すると「召使い」となりますが、ここでの意味合いとしましては「部下を支え奉仕する」というようなニュアンスとなります。
ですから、リーダーとしてビジョンとその価値を部下に示したら、あとは組織のピラミッドを逆さにします。
そうした逆ピラミッド型の組織では、リーダーはメンバーの考え・意見を傾聴し大切に扱います。
部下や他人に奉仕することに喜びを見出し、また失敗を罰することなく、むしろ失敗からいかに学ぶかを重視して、成功へと導くことに注力します。
従来のピラミッド型のリーダーと逆ピラミッド型であるサーバントリーダーの大きな違いとしては「部下の納得感」があります。
ピラミッド型リーダーの場合、部下が納得していようといなかろうと、強引にやらせますしやっていただくこととなります。
サーバントリーダーの場合は部下を支配し服従させるのではなく、説得し納得して主体的に行動していただくこととなります。
そのためにも、日頃からの部下とのコミュニケーションの濃度や傾聴の姿勢が問われます。
そして、関係性と両輪で大切な要素となるのが「なんのために」という目的の共有化を図っていくことです。
そして、方針は繰り返し伝え続ける必要があります。
「一度言ったから分かれ」ではなく、「分かるまで何度も伝え続ける」ことが肝となります。
会社の経営方針などであれば、新入社員の入社時採用時研修で伝えたとしても、右も左も分からない状況下で詰め込んだ内容が果たしてその先どこまで相手の中に落とし込まれているかは怪しいものです。
そうすると、2年目以降も既存社員に向けて毎年一回以上は経営方針について伝える場を用意したり、会議やミーティングなどで事あるごとに伝え続けたりしていく必要があります。
自分の言葉で、新たな仲間に説明させてみるなんていうのも自身の中に腹落ちさせるには大事な行動かもしれません。
さて、関係性と目的の共有化が図れていることでそこで初めて現場の本物の意見を吸い上げることのできる準備が整ったこととなります。
今ある環境を更により良く変えていくには、現場のためになる「良いアイデアの提唱」と「決定(採択)」が不可欠です。
そのためには、職責や立場に関係なく言いたいことを言いたい人に直接言える組織文化や意見を述べてもらえる関係性が構築されていることで、アイデアや意見そのものの内容に焦点を当てて議論することが可能となります。
大切なのは「誰の意見かよりもどんな意見であるか」ということなわけですが、従来のピラミッド型の組織では立場のある人の意見が忖度されがちで、本当に有用な意見はかき消されてしまう恐れがあります。
腹落ちしている自分たちの有用な意見が採択されれば、そのためならば主体性を持って行動する気持ちになることでしょう。
もちろん問題によっては、皆の意見をいちいち集める時間などもなく、リーダーの決定としてトップダウンで落とし込まないといけないケースなどもあるかと思います。
ただ、そういった場合であっても、部下の納得感のためには、何を話すかよりも「誰が話すか」という要素の方が強いのかもしれません。
昔からの都都逸にも、
嫌いなお方の親切よりも、好いたお方の無理がいい
というものがあります。
嫌いな人に指示された「やらないといけないこと」よりも、好意を抱いている人に協力を依頼された「多少の無茶なお願い」の方が人は取り組みやすいのだと思っています。
人材採用が難しくなってきた今の時代、こうした強い信頼関係で結ばれた逆ピラミッド型の組織の方が、人は定着しやすいのではないかと考えています。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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