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モチベーションは上げるものなのか
先日のコラムにて、「意志の力」について触れましたが、おそらくはその意志がとても強かったであろうイチロー選手の言葉には、興味深いものが沢山あります。
その中で、今回は「モチベーション」につながるものをいくつか拾ってみました。
SMBC⽇興証券のWEBコンテンツにて、「もしもイチローが社⻑だったら」という企画の動画が配信されており、その中で「モチベーションを上げるためにどうしてきたか」という質問に対しての回答が下記になります。
モチベーションを上げる方法はなかったです。
下げないようにしていた。
あまり状態が良くないときに、それ以上下げない。
「もしもイチローが社⻑だったら」
イチロー選手でさえ、モチベーションを上げる方法は持っていない。
その代わり、下げない努力をするというのが目から鱗ですよね。
過去の記事を探してみると、面白いことにイチロー選手も「練習や勉強は嫌い」とはっきり言われていますので、なんだか安心しちゃいますよね。
ただ、その練習や勉強といった費やした努力の末に得られる結果は嬉しい、とも話されているのが特徴的です。
高い目標を成し遂げたいと思うなら、常に近い目標を持ち、できればその次の目標も持っておくことです。
近い目標を常に立てて、目先の小さな目標達成に喜びを見出す。
その喜びを見出すまでの一連の過程が、結局モチベーションを維持していくことに繋がっているのだなと思います。
考える労力を惜しむと、前に進むことを止めてしまうことになります
試合だって、もちろんヒットを打って塁に出ることがバッターに求められる結果なのでしょうけれども、「毎打席、何かしら、学ぶべきこと改良すべきことがあります。満足は求めることの中にあるんです。」というイチロー選手の言葉からは、求めるものは単なる数字ではなく「自らの成長」にあるのだなということがよく分かります。
最後に侍ジャパンの監督をされた小久保選手のエピソードを紹介します。
イチローについて忘れられない思い出がある。
私はプロ2年目の1995年にパ・リーグの本塁打王になった。
勘違いして、てんぐになった。
おかげで翌96年のシーズンに入ると成績は散々。
一方でイチローは3年連続の首位打者にばく進していた。
その年のオールスターゲーム、外野を2人でランニング中に彼に聞いた。
「モチベーションが下がったことないの?」。
するとイチローは私の目を見つめながら
「小久保さんは数字を残すために野球やっているんですか?」と言った。
「僕は心の中に磨き上げたい石がある。それを野球を通じて輝かしたい」。
自分はなんと恥ずかしい質問をしたのかと、顔が赤くなった。
彼の一言で「野球を通じて人間力を磨く」というキーワードを得た。
モチベーションを下げないようにするためには、やはり「成りたい自分のイメージ」を一貫して持ち続けておくという前提があってこそなのだとあらためて感じ入ります。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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