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そこに意志はあるのか
何かの宣伝の文句のようですが、今回は真面目に私たちの仕事、介護についてのお話です。
おかげをもちまして、このコロナ禍の状況下においても、在宅というのはクラスターが発生しやすい施設環境に比べると比較的安心して過ごせる最後の砦でもあるからか、サービスの需要は少しずつ伸びております。
そういった中だからこそ、サービスのご依頼をいただいたお客様をきちんと守れているかどうかが重要です。
ここで言う「守る」とは、バカの一つ覚えのように繰り返し言い続けております、「お客様の活動量を増やす」ということです。
営利法人ですから、ご依頼が増えることはそれは本当にありがたいことです。
ただ、「先月はたまたまご依頼が多かった」「今月はまだちょっと分からないですね」というようにサービス提供をする側であるにもかかわらず、その結果に対していまいち手応えを感じきれていないスタッフが中には見受けられます。
私は、自分たちのやっていることに手応えを感じているかどうかということはとても大切な要素だと思っています。
そして、手応えを感じるためには何よりも「意志」が必要です。
何も考えなしで、受け身で得た結果なのか。それとも、「こうしよう」「こうしたい」という意志をもって行動した結果として得られた成果なのか。
「どうしてウチが選ばれたのだと思う?」と訊いてみると、「他所が取りにくいところを取っているからかも」という回答。もう少し掘り下げて訊いてみると、「すぐに対応しているから」や「遅い時間にも訪問するから」という状況に対しての反応をもって評価されているのではという解釈。
即時対応が評価されるのもひとつですが、私たちが強みとしたいことは対外的な対応だけではないはずです。
急いで対応しても、遅い時間に訪問できても、かかわったお客様の活動量が増えなければ、その方の状態は決して上向いたり維持されたりはされません。
もっと言えば、活動力を増やせないサービスを早期に導入したりすることはお客様の生活にとってはかえってマイナスの対応となる可能性もあります。
これまでも何度も何度も言い続けてきましたが、今年度は少し刺激のある言葉をつかっています。
お客様の活動につながらないケアの提供は、「毒薬を売る」という行為と何ら変わりはないでは、ということ。
身体虐待やネグレクトなどのことを「不適切ケア」なんて言い方をすることもありますが、お客様の状態が回復しなかったり、機能の維持につながらなかったりするケアの提供も、同じく不適切なケアになるのではないでしょうか。
毒薬を売るのは二種類の人間がいます。それが毒薬と分かって売る人と、毒薬と知らないまま売っている人。
毎日「忙しい、忙しい」と言って提供し続けているそのケアは、本当に成果につながっているのでしょうか。見直しができないのも急いで対応できないのも、忙しいから。だからといって毒薬を振りまき続けていい理由にはなりません。
また、自分たちのやっていることの意味合いを理解しないままサービス提供しているスタッフがいるとしたら、その人たちにはきちんと教えてあげなければなりません。
「なんのためにこうするのか」「なんのためにこうしたいのか」、意志をもって活動した人だけが、得られた結果に価値を見出して、しっかりとした手応えを感じ取ることができるはずです。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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