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決定するという意思
人当たりもとても良くて、傍から見ていると円滑なコミュニケーションが図れているように思うのですが、なぜか部下と上手くいかなくなる人がいます。
相談してくる相手の話は親身に聴きます。人柄も良いですし、共感する能力も高いです。
それでも相談した相手からは後々不満の声を上がってきます。
それはなぜか。
決定していないから、決めてあげていないからです。
愚痴のはけ口となり、共感するだけで解決する問題なのであればそれでもいいと思います。
ただ、本来は問題が発生しているから相談するのであって、そこで中途半端に話を聴くだけで終わってしまったら、それは問題解決をせずに放置しておくのと同じことです。
決定する際には、なにも全てを自分の中からゼロベースで生み出さなくてもいいと思います。特にもともと共感能力が高ければ、相手の想いを引き出すことができますから、「あなたはどうしたいの?」と相手の考えを行動レベルまで具体化することは十分可能です。
相談した本人の中から発現したその内容を、「そうしたらあなたはそれをしなさい。こうしなさい。」と上長として決定してあげればいいのです。
決定したと同時に、それは上司の責任となり、今後の部下の行動を確認する項目ともなります。
決定は、その決定を下した際には、果たしてそれが正しいのかどうかは、結果が出るまでは正直分かりません。ただ、決定する習慣をつけて、多くの決定の経験をして、その結果や経験に向き合うことで、「決定の精度」を高めていくことはできるはずです。
一緒に寄り添ってあげる、一緒に悩んであげるというのは、一見とても素晴らしいことのように思いますが、問題解決につながらなかったり、行動の変化を伴わなければ、環境も変わらないままです。
そもそもその環境に不満を抱いているわけですから、部下からしたら、あの上司に相談しても何にも解決しないという結論になります。
もちろん寄り添うことも大切ですが、中途半端に関わるよりは、「こうしよう」「こうしなさい」と明確に決定すること。
決定が部下の行動を変え、環境を変えていきます。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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