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人の相談に乗る
昔からよく街で声をかけられます。
今では頭髪もほぼ無くなりましたし(泣)、筋肉もついて身体の見た目もいかつくなりましたので以前ほど声はかけられなくなりましたが、かつてはそれはよく声をかけられておりました。
逆ナンの話とかではないですよ。
「すみません、写真撮っていただいてもいいですか。」
「ちょっと、道を訊きたいのですが。」
といったお手伝い的な役割もあれば、ねずみ講的な勧誘をするきれいなお姉さんや、「あなたの幸せを祈ってもよろしいでしょうか」と頭に手を当ててくるようなお姉さんからも度々声をかけられた覚えがあります。
声をかけられる人と、全くかけられない人の差って何なのでしょうね。
おそらくは、隙だったりカモ感が出ちゃっていたのかと思います。
ともあれ、いざ社会人になった際には、この「声をかけられやすい隙」というのは対人関係においてはどちらかというとプラスに作用しています。
業種や立場から人の相談に乗ることも多くありますが、こうして情報発信していることもあるからか、プライベートでもよく相談されます。
共感を持って聴くことに徹することは心掛けていますが、なかなか難しいのが人と比較して、その状況に対して不満を言ってこられる場合。
以前も触れましたが、不平不満には際限がなく、またその原因を他人に置いているかぎりは問題解決はできませんから、せめてできるのは「大変だねえ」と共感することくらい。
例えば、この間あったのは、同時期に入った若い同僚の娘が仕事中に寝てばかりいる、という話。
不満はこの「寝ている」という状態についてかというとちょっと違っていて、「眠いのであれば簡易ベッドで寝なよ」と若い娘を擁護してしまう社長がいるということ。
そして、寝ることが許されてしまう状況の中で、「やることをやっている自分と寝ているヤツとの給料が変わらない」という点への不満が一番大きいようでした。
「大変だねえ」と共感できても、寝ている人を擁護するトップがいる組織で働き続けるかぎり状況は変わらないでしょうから、今のままでは当人の不満は解消されません。
共感以外でできることはと言えば、一般論ではなくて自分の身に置き換えて、これまでの経験を語ることくらい。
この時は、次のような話をしたのを覚えています。
任される仕事の分量や担当する範囲が誰かよりも多いということはありますが、誰かと比較して「あいつの方が楽をしているのでは」なんて考えてしまうとやってはいられないです。
ただ、その人たちと比較して「自分の方がいい経験を2倍も3倍もさせてもらっている」と私は捉えるようにしています。
楽な道を行くことが、本当に自分のためになるかどうかは分かりませんし、それであれば比べて仕方のないことを嘆くよりも、今ある環境を自分でより良くすることに集中した方が健全かなと。
ましてや、寝ていてその間成長していない相手のことなんて考えていても時間の無駄ですし。
そして、例え誰も見ていてくれなくても、その苦労を評価してくれる人がいなくても、偽らずに現実に立ち向かってきた自分をちゃんと見ている自分自身がいます。
自分に嘘をついてこなかった人、誠実に生きてきた人が積み重ねてきたものは、その人の強みとなり自信にもつながるはずです。
そもそも、何度注意しても昼休み以外に寝てしまっている人がいたら、上司がしっかりしていれば、その都度声をかけて起こすか、もしくは指導記録をつけて改善されなければお引き取りいただくか、寝ている時間は就業時間に含めないようにするなり、と本来であればいろいろと打つ手はありそうです。
普通に考えたら、寝ている人を許して、真面目に働いている周囲の社員のモチベーションを下げることを容認するような人間が経営している組織など、さっさと見限った方がいいのかもしれませんけどね。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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