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何が相手を怖がらせているか
人は怖いものには近寄りたくないですよね。
今回はお化けの話ではなくて、上司の話です。
皆さんの周りに、温厚な人ではあるのでしょうが誰に対しても自分を崩すことなく常に仮面を被っているような感じの人っていないでしょうか。
勝手な偏見かもしれませんが、私はこういう人にはもうひとつのイメージを持ってしまいがちです。
そう、「この人、キレたら怖いのだろうな」というイメージです。
いつも崩すことがないというのはプラスの要素もありますが、その反面、誰に対してもいつも一定の距離感を保ったままなので、本当の姿が見えにくいということでもあります。
第一印象は良いのかもしれませんが、同じ部署などで長い年月を過ごしたとしても、最初の距離感から一向に関係性が縮まないなんていうのは結果的にはマイナスの要素の方が大きいのではないでしょうか。
こういう人が相手との距離感を縮めない理由としては二つあって、
ひとつは自らが一線を越えていかない、つまり自分を曝け出さないということと、
もうひとつは相手を近づけさせないための見えない予防線を張っている
という要素があると思います。
今回のテーマは、この「見えない予防線」について。
社長をやってみてつくづく感じましたが、自分は皆と同じ目線になったつもりで接していたとしても、自分がどう振舞おうと相手からしたらやはり向き合っている人の立場や肩書というのはなかなか外すことのできない要素なのですよね。
そういった意味合いにおいても、部下というのは上司のことをこちらが思っている以上に観察していますし、こちらが思っている以上に様々な要素を感じ取っています。
相手に言うつもりもなく何気なく口をついてしまう「嘆き」や「ボヤき」、そして舌打ちなどは聞き洩らされることなく部下に感じ取られていると思っておいた方がいいです。
そして、それらの要素は例えるのであれば、「上司が懐からチラつかせるナイフ」のようなものです。
相手に見せるつもりがなかったとしても、相手から見えてしまえばそれは抑止力となってしまいます。
この場合だと、上司から距離を置くための要素となり得ます。
同様に何気なく不用意に発した言葉も、予防線となってしまいます。
「実は結構キレやすくてさ」
「今はストレス溜まっているんだよね」
本人としては、ただ単に自分の改善しないといけない性格とか、今自分が置かれている状況を部下に説明しているだけなのかもしれませんが、こういったことを聞かされた部下の内心は穏やかではありません。
「ああ、この人に意見を言うとキレられる可能性があるのか。」
「ああ、今なにか相談しても忙しそうだし余裕がないのだな。」
こうして相手を不安にさせたり心配させたりすることで、気づかぬうちに上司である自分に対して意見をしづらい環境を部下に与えていることとなります。
自分の使う言葉、自分のとった態度や姿勢、そのうちのどんな要素が相手から距離を置かれるキーワードとなり、どんな要素が相手との距離を縮めてくれるキーワードとなるのか。
特に、どんな言葉遣いや話の内容が部下を怖がらせたり心配させてしまう要素となってしまうのかを上司であればしっかりと意識をしておいた方がいいと思っています。
関係性において部下と透明性を持って接するというのはとても良い姿勢だとは思いますが、胸の内の「相手にとってナイフとなる要素」については見せる必要はありません。
もっと大事なのは、部下から透明性を持って接してもらえる距離感の関係性を築くことではないでしょうか。
今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。
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