社畜新学 #3 社畜が我が子に唯一教えると決めたこと
私には小学校3年生の一人息子がいる。
正直、可愛い。
親バカと言われるかもしれないが可愛い。可愛くて仕方がない。
彼が生まれてから2回、単身赴任期間があったせいか、自分の中で少し息子の年齢に対する認識がずれてしまい、実年齢よりも幼い扱いをしてしまうことがある。
きっと、彼からしたら鬱陶しいだろうが、まだ付き合ってくれている。優しい息子だ。
一方で親というものは都合がいい。
生まれてきてくれた時は、健康であればいい、元気であればそれだけでいい。そう思っていた。
だが成長とともに、
自分の子どもは運動ができてほしい、
勉強ができてほしい、
イケメンになってほしい、
スタイルよくなってほしい、
身長高くなってほしい、
女の子からモテてほしい、
クラスの人気者であってほしい、
聞き分けのいい子であってほしい、
食べ物を好き嫌いしないでほしい、
活発であってほしい、
ちゃんと決めた時間でゲームをやめられる子であってほしい、
etc…
数え上げればキリがない。
実に強欲だ。
そして自分のことをどれだけ棚に上げるのか。
自分が息子のことを幼く扱い甘やかしている自覚があるせいもあり、その反動で理想に向かわせて、厳しく細かく指摘する時期があった。
いや、正直に言おう。
期待しているから、できないとイライラするのだ。
だからつい、一度言ったことができていないと注意してしまう。
計画通りに進まないと怒ってしまう。
幼い時に一緒にいる時間が少なかったから怒られなれていないからか、私の言い方の問題なのか、私が注意するといまだにボロボロと泣いてしまう。
妻が怒っても、へっちゃらなのに・・・
これは結構辛い。言われている息子は辛いのだが、言っている自分も辛い。
これではただの八つ当たりだ。
できていないことを理由に小言を言って、時に怒鳴って萎縮させているだけ。まじでだめだ・・・
躾の面では普段妻がかなり細かく言ってくれている。
勉強も見てくれている。
運動もさせてくれる。
ゲームの時間からお風呂の時間まで確認している。
食事やおやつの時間・量もチェックしている。
たまにしか話する時間がない私も、
思ったことを全てぶつけてしまうと逃げ道がなくなる。
話が重複することもあるだろうし、、
だから私は取り決めをした。
私は「これだけは」、というものを1つ決めて、それ以外については、妻から「これについて叱ってほしい」とお願いされるまで怒らないことに決めた。
幸い、そう決めてから今のところ、妻から「叱ってほしい」と言われることはない。
僕が「これだけは」、と思っていることはただ1つだけだよ。
「挨拶を元気よくすること」
シンプルでしょ。
どれだけゲームしてもいい、
勉強もできなくてもいい、
なんなら行きたくないなら学校に行かなくたっていい。
僕が子どもの頃を思い出したら、君は十分やっている。
君は必要だと気づいたら自分で行動できる人間だ。
ただ、挨拶を元気よくすることの大切さ。
これだけは君が社会に出る前に教えておかないといけない。
そう思っているんだ。
もし君が挨拶を元気よくできないまま、社会に出たとしよう。
それが「あ。まずいかも」と自分で気づく頃には、すでに君の周りの人間関係は修復不可能なものになっているかもしれない。
大袈裟に聞こえるかもしれないが、そう言ったことが起こりうるのが社会なんだ。
将来大切な存在になるかもしれない、そんな素晴らしいご縁を逃すかもしれない。
仮に気づいて元気に挨拶するように修正できたとしても、第一印象で挨拶できない人というイメージを取り返すのには、ものすごく時間がかかるんだ。
世の中の多くのトラブルは「ごめん」「いいよ」で済む。
これはもう知っているし、すでに経験しているよね。
でも「ごめん」がきちんと言えない人に「いいよ」とは言ってあげられない。
それと同じように、挨拶がきちんとできない人を、社会は受け入れてくれいないんだ。
唯一、挨拶がきちんとできなくても受け入れてくれる存在。
それは君のママとパパだけだ。
だけどこれから先、君はママやパパの元を離れていく。
一人の男として、巣立っていくのだ。
その前に、「挨拶が超大事である」、ということだけはどうしても伝えたいんだ。
そして、元気よく挨拶できるようになってほしい。
モジモジして声をかけられるのを待っている人にはチャンスは来ない。
自分から挨拶できる人にチャンスはやってくるんだ。
君には無限の可能性がある。その可能性は僕にも計りきれない。
その可能性が活かせるチャンスをしっかり掴んでほしいんだ。
そのために、僕はまず自分がきちんとやる。
背中を見せる。お手本になるよ。
だから真似をしてほしい。
「おはよう」
「こんにちは」
「こんばんは」
「おやすみなさい」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
「いただきます」
「ごちそうさま」
「おかえり」
「ただいま」
「ありがとう」
「どういたしまして」
「ごめんなさい」
「なんもだよ」
「愛してる」
「今日もかわいいね」
まだ、他にも挨拶ってあるけど、ここではこれくらいで。
だから、我が家では、いつも元気よく挨拶をしよう。
ただ、どうしても元気よく挨拶できない時もある。
体調が悪い時、悲しいことがあった時、誰かに嫌なことをされた時・・・
普段、元気よく挨拶している君がそういったトラブルを抱えていたら相談に乗ってあげたい。
いや、思春期を迎える頃には、親になんか相談したくないこともあるだろう。それはそれで構わない。
今はなんでも話してくれる君が、そのうち秘密を持ち始めるのは、成長している証拠なんだから。
ただ、君が挨拶を元気よくできない時に、ちゃんと察知して寄り添ってあげたい。
そして僕たち夫婦がそうやって君に接するから、君は将来付き合う恋人・親友に対して、そうやって接してあげてほしい。
結婚して新しい家族を持ち、子供が生まれたら、同じように挨拶が大事であることを教えてあげてほしい。
だから普段から、挨拶だけは元気よくしていこう。
そうやって家族でいろいろなことを乗り越えていこう。
じゃ、家族全員が笑顔でいられる時間が長く続くように、俺は今日も明日も複業社畜、頑張るわ。