CEO日記 2023年5月24日「編集者って?」
今日は毎週1回の週例会議でした。弊社は、以前書いたようにほぼフルリモート勤務なので、社員が一堂に会するのは、この週例会議しかありません。また、毎月最後の週例会議を月例会議と称しています。
そして、週例会議と月例会議では、やってることが若干違います。
週例は各自が抱えている業務の報告と調整、加えて経営サイドからの指示と伝達の場で、月例はこれらに加えて、当月売上高と来月売上目標を示します。そのほか、会社をどうするか(したいか)というような意見集約(雑談)も行います。
しかし、週例と月例の最も大きな違いは、ランチです。月例では、仕事の話はそこそこにして、みんなでお昼ご飯を食べに行きます。
先月は韓国料理を食べながら、韓流ドラマの話や推し韓国男優の話で盛り上がりました。
フルリモート勤務だからこそ、こんな場が大事だと思ってます。
社員に告白しました
今日の週例会議で、どういう脈絡かは忘れましたが、PRの話になったとき、私がこのCEO日記を書いていることを話しました。みんな、驚いて大笑いです。
「私たちが、A社とB社のいずれかに仕事を頼みたいとき、A社は社長や担当者が書いているブログがあり、B社にはサービス説明しかない。どっちに頼みたくなる? 私は相手の人柄が分かるA社に頼みたくなるな」
私がこう話すと、一人の社員が言いました。
「前の会社のブログで、タコ焼きの作り方を書いてたら、記事制作の依頼があったんですよ! 先方がブログを読んでいたみたいで」
それを聞いたある社員が笑いながら、「だったら○○○(推し韓国男優)のこと書きたい!」と言えば、ほかの社員が、「それで仕事をとって、韓国に取材しに行こう!」と合いの手を入れます。
ということで、今後は私の日記のだけではなく、社員の日記も載せていきたいと思います。タコ焼きから韓流ドラマ、ネコと、いろんな話が出てくるかと思いますので、楽しみにしていてください。
編集者の定義とは?
さて、日記のタイトル「編集者って?」という話に移ります。先ほどご紹介した、タコ焼きの社員、韓流ドラマの社員も、みな編集者です。
みなさんは、編集者ってどんな仕事をしているイメージですか?
私は、この業界を知る前、(出版社の)編集者って、原稿の誤字や脱字、言葉の使い方のチェックしたり、原稿の内容を手直しする人だと思っていました。ですが、この思い込みの前者は校閲者の仕事だったんです。
では、なぜ私が編集者と校閲者をごっちゃにして理解していたかと言えば、「編集」という言葉にあると思います。
手元に広辞苑がないので、PCで「編集」とググると、次のような解説が出てきます。
1.出版物、文書、記録、録音資料、映像資料などの本文や項目あるいは素材から取捨選択し、書き直したり、書き加えたりして一つの著作を生成すること。(図書館情報学用語辞典第5版)
2.出版の過程において、企画を立てて、執筆者を選び、依頼し、原稿を集め、これを完全なものとし、さらに日程を管理するなど、原稿を制作部門に渡すまでの全ての活動。(同上)
1を読むと、誰かが自発的に用意した素材を選んで、手を加えて、作品を作るイメージですが、2を読むと、そもそもの企画を立てるところから始めて作品を作るイメージです。言うなれば、1のイメージの編集者は「従」の立場ですが、2は「主」の立場と言えるのではないでしょうか?
私の経験では、大手出版社で有名な作家さんに付いている編集者は1かもしれませんが、雑誌や書籍、WEB媒体を作る編集者は2だと思います。
編集者≠エディター、編集者=プロデューサー
編集者と言っても、立場や携わる仕事によって、立場が異なることが分かっていただけましたでしょうか。
では、ここで、ちょっと明治の先達に噛みつきいてみます。
おそらく「編集者」という言葉は、newspaperを「新聞」と訳したのと同じ頃、editに13世紀から使われている「編輯」(へんしゅう)を当てはめ、それを行う人を「編集者」(=deitor)としたのではないかと思っています。
しかし、ちょっと調べたところによれば、そもそもeditはeditorから派生して動詞となった言葉だそうです。そして、editorはラテン語の「外に与える」と言う意味から派生して、「出版する」という意味を持つようになったと。
つまり、本来はeditorというラテン語由来の言葉があり、後からeditという言葉が生まれたのに、日本語ではedit(編集)→editor(編集者)という流れで言葉が生まれたのではないかという、仮説です。恥ずかしい話、私自身、エディターって「editer」と綴ると勘違いしている時もありました。
なぜ、編集者の語源について長々と書いたかと言うと、私は上述「主の立場」の編集者は、editorではなく、producerだと思っているからです。
例えば映画の世界では、プロデューサーって、監督や主演俳優、配球先の決定、資金の管理、ファイナルカットまで全ての権限と責任を持っていますよね。
私は、外部から出版・制作の世界に足を踏み入れてみて、編集者の仕事って、映画のプロデューサーと役割が変わらないと思いました。皆さんは、どう思われますか?
人柄は作品に現れる
編集者が作品を生み出す者であれば、その編集者がどんな人間なのか気になりますよね。出版社や制作会社、編集者を探している方にとっては特に。
先に、私は「私たちが、A社とB社のいずれかに仕事を頼みたいとき、A社は社長や担当者が書いているブログがあり、B社にはサービス説明しかない。どっちに頼みたくなる? 私は相手の人柄が分かるA社に頼みたくなる」と書きました。
弊社は、A社を目指したいと思います。もちろん、お客様からご依頼をいただき、作品を作り上げることもあります。でも、そういった受注業務であったとしても、編集者のプライドを持って、どういう企画やスタッフにしたらお客様の魅力を最大限引き出すことができるのかを常に考えて欲しいのです。もちろん、弊社の編集者は、みなその気概を持っています。
当たり前の話ですが、製作者の人柄は作品に現れます。いま、noteには私の日記しかありませんが、これからは社長以下で書き進めていきます。そこから、この仕事を編集者の●●に頼みたい!と思っていただけたら、今日の長い日記も一役買ったと一人ほくそ笑むことにします。