エモクロアTRPG「君のダイヤル2600」
本作は、「ダイスタス・チーム」が権利を有する『エモクロアTRPG』の二次創作作品です。
・このシナリオについて
このシナリオは都市伝説『メリーさんの電話』をモチーフに作られたものです。
メリーさんの電話では捨てられた人形が戻って来るまでの様子がおどろおどろしく描かれていますが実際のところ語り部の心境やメリーさんの狙いは謎のままです。
今回はそんなメリーさんのその後のお話を皆さんには紡いでもらいます。
推奨人数:2・3人
推奨技能:生存系技能・調査系・マッピング・戦闘系技能
・《怪異》
メリーさんの電話
厳密に言えばメリーさんの本体である人形は付喪神や人形霊の一種であり、メリーさんの電話はメリーさんとは別の怪異である。
人形が様々な形でこちら側に接触しようとした結果生まれてしまう歪みであり、本体にその意図がなくとも怪奇現象として表れてしまう。
その怪奇現象の一例がこの怪異の正体である。
▼共鳴感情
[悲しみ(情念)][甘え(関係)][孤独(傷)]
▼憑依時の異変
シナリオ中に〈∞共鳴〉レベルが10以上になり共鳴者が【離脱】してしまったら即座に【憑依】され電話をその場に残して消えてしまう。(キャラロスト)
▼共鳴表
1・バイブレーションシンドローム:携帯を持っている、持っていないに関わらず電話がかかってくる幻覚に襲われる。1D6×10分(もしくは1D10ラウンド)判定の成功度-1
2・視線:誰かがこちらを見ているような幻覚に襲われる。一人で行動できなくなる。
3・チラつく影・視界の端に常に人形がチラつくようになる。【精神】の判定を行い失敗すると[∞共振]レベル+1
4・迷子:一人で行動した場合即座に発動する。何らかの判定に成功するまで迷い続ける。
5・失くし物:持ち物一つ失くしてしまう。何かしらの判定を成功させるまで使用不可。
6・白昼夢:自分が人形になる夢を見る。〈生存〉〈自我〉で判定し失敗した場合【失神】する。成功した場合怪異についての情報を得ることができる。得た場合[∞共振]レベル+1
導入
都市伝説
日本においては1990年代から2000年代前半にかけて子供たちやインターネットの住人達の間でささやかれてきた民話・寓話の総称である。
現代において新たな都市伝説を聞くことは少なくなってきたが、この手の話はいつの時代も人々をその怪しい魅力でひきつけてならない。
そんな都市伝説はこの世界においては案外あなたのすぐ近くで起こり得るものかもしれない。
シーン0
君たちの共通の知人であるところの古林智子(ふるばやしともこ)とある日を境に音信不通になってしまった。不審に思ったあなたたちは時間を合わせて彼女が暮らすアパートの一室の前に集まることになります。時刻は午後四時ごろです。
ところが彼女は鍵を閉めて開けようとしない、窓の様子を見ても明かりはついていない。
扉に備え付けてあるポストはスッキリしているところを見ると部屋には居るらしい。
ここで〈調査〉判定に成功すると扉の下に手紙が差し込まれていることがわかる。
古林が君たちにあてた手紙の用だ。ここから筆談による会話が始まります。
(PLが強硬的にNPCと接触しようとした場合部屋に上げても構いません、何らかの手段を用いて古林が敵になることは無いと説明してください。)
・二、三日前から携帯に不審な電話が届くようになる
・着信拒否しようにも番号がコロコロ変わる
・その挙句、最近は公衆電話に近づくだけで電話が鳴るようになった
・周囲から視線を感じる
・ストーカーなどの心当たりはない
・SNSやクレカから情報が抜かれたとは考えにくい
・これらのことが重なり体調を崩したという
これらのほかに最近変わったことはと聞かれると
・祖母がやってきたらしく家具の配置が換わっていたらしい
(君たちは選ぶことができる、彼女を助けてもいいし助けなくてもいい。)
上記のこと聞くと、ゴミ捨て場と彼女の祖母に話を聞くことができるようになります。
時刻は5時をとうに過ぎ黄昏時と呼ばれる時間になります。
本格的な調査は翌日になります、ゴミ捨て場には行けますが特に変わった様子はないです。
夜一人になったタイミングで共鳴判定・強度4[孤独(傷)]上昇1
シーン1
タイムテーブルとしては午前中・午後・夕方にそれぞれ一回行動できる
このタイミングで調査できるのは「ゴミ捨て場」と「祖母に対する聞き取り調査」です。
また、いつでも手番を消費して図書館やスマホで調査することが可能です。
・ゴミ捨て場
君たちがゴミ捨て場に訪れると女の子がいることに気が付く何やら探し物をしているらしい。
三日前くらいの朝にくまのぬいぐるみが捨ててあるのを目撃、かわいかったので持って帰ろうとしたが親に止められたという。
社交成功→ホントは雑貨屋のお兄ちゃんが欲しがってたと教えてくれる。
調査成功→ゴミ処理場の電話番号も入手することができる。
・祖母への聞き取り調査
電話による聞き取り調査になるのですが社交性の関連判定に成功しなければ聞き取り調査ができません。
この調査で分かることは確かに不法侵ny…お邪魔して掃除をしたという。
そのうえでボロボロになった熊の人形は捨てた。とも供述する。
・ゴミ処理場
日付を伝えると担当者が出てくるが人形を回収した覚えはないという。
シーン2
・雑貨屋
蛍光灯はついていないがどこかから差し込む日の光のおかげで店内が暗くなることはない、
事情通そうなお兄さん、もとい店主が店の奥に陣取っている。
共鳴判定・強度6[所有(欲望)]上昇1
男はメリーさんと断定、対処法を知ってはいるがまずは自分で調べてこいと無茶ぶりされる。
神社に行くこともおすすめされる。店主の知り合いの神社を紹介される。
・神社
不思議な雰囲気を持つ場所に迷い込む感覚に陥る、神聖な場所であるがゆえに一度足を踏みいれたら二度と戻ってこれないような危うさを感じる。
共鳴判定・強度1[崇拝(理想)]上昇1
巫女さんに声をかけると神主さんが出てくる、事情を話せば色々教えてくれる。
「そもそも人形供養とは文字通り人形やぬいぐるみを供養する日本独自の文化で一説には室町時代には人形供養を行うお寺があったようです。この神社では人形だけではなく長い間使われた道具を供養するための儀式を執り行っています。」
(しっておきたい葬儀の知識より)
「そもそも皆さんが思う人形霊と付喪神って明確な区別がないと私は考えていて・・・」
・図書館
都市伝説について、都市伝説とは近代もしくは現代に広がったとみられる口承の一種。
この概念を広めたアメリカの民俗学者ジャン・ハロルド・ブルンヴァンによると、都市伝説とは「民間説話」の会部類に属し、ここで言う「伝説」とは「口承の歴史」であり「疑似的な歴史である」とされている。
都市伝説は「普通の人々」によって語られ信じられている。(Wikiより抜粋)
ある本によれば都市伝説とは、人々の集団的無意識が生み出した怪異であり別の怪異と同一視(および混合)されることも多い。
ゆえに都市伝説や怪異によっては同じ種類でも能力が異なる場合があり対峙することがあるならそれを見極める能力が時に求められる。(本シナリオ独自解釈)
・検索
個人ブログの記事に目が留まった。
メリーさんといえば電話を取り扱う女性的なイメージを持つ都市伝説であるがその性質のためかインターネット上ではネタにもされやすい。メンヘラ、ツンデレ、方向音痴に大食い、果ては不憫系ヒロインまで。まったくもって日本人のたくましい想像力には脱帽である。
どうでもいいが筆者はメリーさんが全国行脚の食べ歩き旅行をするSSが好きです。
そんなメリーさんの対抗策を今回は紹介しよう。
物理的にシャットアウト・シュークリームを与える・逆探知を行い確保。等々
一番現実的なのはシュークリームか逆探知だがいわゆる創作物準拠のメリーさんならともかく原作準拠のメリーさんなら接触した時点で間違いなく殺されるためこれらの対策をとっても無駄かもしれないが。
(いずれも筆者個人の見解であり本記事に書かれたことを試した場合に出る損害には一切対応しません、自己責任でお願いします。)
以上の情報を集めて再び雑貨屋を訪れると《メリーさんの電話番号》を入手できる。
シーン3
夜のターンになります、ここからはラウンド性になりメリーさんを捕獲するための戦闘シーンになります。
PLの勝利条件は【メリーさんを袋小路に追い込む】か【捕獲判定に成功する】ことです。
イニシアチブは【身体】+〈スピード〉技能レベルになります。マップは後述。
共鳴判定早見表
強度・3 自分の携帯で《メリーさんの電話番号》を使った。[甘え(関係)]上昇1
強度・5 メリーさんから電話がかかってきた[悲しみ(情念)]上昇1D2
強度・7 メリーさんが後ろに立った[孤独(傷)]上昇1D3
メリーさんの行動パターン(優先度は上から順)
・メリーさんは基本的には1ラウンドごとに1マスずつしか移動できない。
・誰も電話をかけなかった場合ランダムなPLを選び電話をかけ三マス離れた位置にワープする。
・電話をかけた人に対して接近する
・メリーさんは電話をかけた人以外には2マス以上距離をあける。
・メリーさんと同じマスに誰かいる場合、再びイニチアチブ判定を行った後にランダムに対象を選んで電話する。
・メリーさんから電話をかけた場合〈自我〉の対抗ロールを強要しPLが敗亡した場合共鳴判定が発生する。
・必ず最後に移動する
PL用ルール
・基本的には1ラウンドごとに1マスしか移動できない。
・乗り物を使った場合は乗り物ごとに移動ボーナスが付く代わりに捕獲判定が難しくなる。
・戦闘開始前に〈マッピング〉で判定し成功度の数だけ「1~3マス自由に動ける権利」を与える。
・メリーさんとはすれ違えない
・メリーさんと同じマスに入った場合捕獲判定を試みることができる、ただしメリーさんが先に行動すると捕獲判定は行えない。
・捕獲判定は〈ストレングス〉の対抗ロールになります。代用判定は可能ですがDLの許可は必ず取ってください。
・捕獲が難航した場合、DLが許可した判定を成功すると、メリーさんの行動パターンが一つ開示される。判定難易度・開示する情報はDLの判断に任せます。
・メリーさんを視認することはできない
エンディング
捕獲に成功した場合、周囲に子供のような声で「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」という声が響きやがて気配とともに消えていきます。そこにはかわいらしいテディベアが残っているだけです。
皆さんはこの人形を好きにしてかまいません。古林の元に返した場合彼女は快く受けとってくれますし、PLの誰かがもらっても構いません。例の神社に持ち込み供養してもらうのもいいでしょう。
NPCステータス
「メリーさん」
HP 16
MP 8
身体 6
器用 2
精神 6
五感 6
知力 2
魅力 2
社会 1
運勢 4
∞共鳴 Lv.1
直感 Lv.2 8精神
危機察知 Lv.2 8五感
魅了 Lv.3 5魅力
スピード Lv.2 8身体
MAP
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