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CES 2025:レーザーTVからロボットアームまで、最も注目すべきテクノロジー

  • レーザーTVやMini LEDディスプレイなど映像技術が大幅進化し、超短焦点プロジェクターが注目を集めた

  • ロボット掃除機はAIやアーム搭載モデルなど多機能化し、ホームオートメーションが加速した

  • SteamOS搭載携帯機や空飛ぶモビリティなど近未来感あふれるデバイスが数多く披露された

毎年ラスベガスで開催されるCESでは、テクノロジーの多様さと壮大さが改めて示されます。2025年のCESでも、AI駆動のアーム付きロボット掃除機から驚異的なmini LEDテレビまで、多彩な製品がお披露目されました。本稿では、ホーム用プロジェクターから最新のディスプレイ技術、近未来的な個人用デバイスから新型モビリティーまで、複数カテゴリーにわたる注目作をまとめています。


プロジェクター&レーザーTV

  • JMGOの超短焦点機
    JMGOは最新のスタイリッシュな超短焦点レーザープロジェクターを披露。4K解像度、高輝度、そして統合オーディオを搭載し、壁からわずかな距離での設置が可能。専用のALR(アンビエント光拡散)スクリーンと組み合わせれば、日中でも鮮明な映像を楽しめます。

  • HisenseのTriChroma Laser TV
    HisenseはTriChroma Laser TVシリーズをアップデート。3色レーザーでさらに明るい映像や広色域を実現し、BT.2020カバー率が飛躍的に高いモデルを発表。短距離プロジェクターとALRスクリーンを組み合わせることで、“巨大サイズのTV”のようにリビングで使える点を強調しています。

  • レーザーTVパートナーシップ
    多くのレーザーTVは、著名なオーディオブランドと提携したスピーカーを内蔵。新しい「オールインワン」スタンドには多数のスピーカーが搭載され、専用サブウーファーやオーバーヘッドチャンネルも備えたDolby Atmos対応が目立ちました。


テレビ&ディスプレイ技術

  • Mini LED RGB
    多数のメーカーが、従来の白色LEDに代わるRGB(赤・緑・青)ミニLEDを使ったバックライトをデモ。これにより、フィルター依存を減らし、約96%のBT.2020カバー率に到達するディスプレイも。色彩、輝度、消費電力の各面で従来方式を上回るとされています。

  • Micro LEDの大型ディスプレイ
    中小ディスプレイ企業が、150インチを超える巨大なMicro LEDパネルを展示。パネル継ぎ目もほぼシームレスで、広い空間でも高輝度・高色域を実現。ハイエンド消費者や商業利用を狙う製品が多かったです。

  • 透明&ワイヤレスTV
    透明OLEDはさらに薄くなり、インテリアへの組み込みが容易に。一方、「完全ワイヤレス」を謳うバッテリー内蔵TVも姿を見せ、一部企業は吸着式の壁掛けコンセプトを披露。バッテリ駆動でケーブルフリーを目指すアイデアが注目を集めました。


ロボット掃除機&ホームロボット

  • Roborock Saros Z70
    おそらく家庭向けロボットのトップ話題は、機械アーム付き掃除機。Omni Gripと名付けられたロボットアームがソックスなどを拾って除去。Z70はさらに、家具下をくぐれる可動式LiDARや強力な吸引、さらに強化されたAIでケーブルの巻き込みを防ぐ、と非常にハイテク。

  • Dreametech X50 Ultra
    Dreameは強力な対抗馬を発表。車輪高さを調整し段差を乗り越える“Pro Leap”機構を備え、オプションのアームで細部まで掃除可能。モップを自動で交換する新型ベースステーションも披露し、部屋ごとに異なるモップを使い分けられるように。

  • SwitchBot K20 Plus Pro
    SwitchBotは“モジュール式”掃除ロボK20を紹介。小型掃除機がベースプラットフォームにドッキングし、トレイを運んだり、空気清浄機を乗せて巡回させたりと多用途。ファンや監視カメラを積んで家庭内を巡回するなど、ユーザーの発想次第で色々実現可能。

  • Narwal Flow
    Narwal最新フラッグシップFlowはローラータイプの強力モップで床を念入り洗浄。側面モップで壁ぎわもカバー。カメラ2基の双眼AI検知で障害物回避を向上し、大量の水タンクと自動給排水ステーションを備えて、手間を省きつつ床をプロ並みに磨き上げられます。


スマートホーム&家電

  • Mova電動歯ブラシ
    Movaは優雅なデザインと「デュアル振幅コントロール」で話題に。ヘッドの振幅とスピードを調節可能。アプリ連携で使用履歴やブラッシング圧を検知し、リアルタイムで強さを自動調整。デザインも高級感があり、充電ドックとのセットでスマートバスルームを演出。

  • Casta by Lutronシェード
    LutronはCastaシステムと連動する電動ブラインドを追加。ローラー/ハニカム、遮光or非遮光などシンプルな選択肢ながらバッテリー内蔵で配線レス。Castaアプリや壁スイッチPicoリモコンとシームレスに連携し、高級感と操作性を両立。

  • Aqara、TP-Link、SwitchBot

    • Aqara:mmWave付きプレゼンスセンサー、G4ドアベルの後継、さらにMatterへの積極対応。

    • TP-Link:Tapoブランドを拡充、ドアロックに手のひら認証導入。双眼カメラ搭載ロボット掃除機も披露。

    • SwitchBot:新作ドアロックやビデオドアベルがMatter対応。統合ハブでDIYオートメーションを拡張。

  • 次世代Wi-Fi 7ルーター
    Gigabit超を無線で安定供給するルーターが多数登場。もはや2.5Gbpsや10Gbps WANなど、ハイエンド構成が標準に。Z-Wave Long RangeやMatterなど他プロトコルとの共存も進行。


個人モビリティ&EV/空飛ぶコンセプト

  • XPeng Air HT
    XPengはミニバン後部にドローン式eVTOLを積載した概念車を公開。シナリオとしては観光地に車で移動し、そこからドローンを展開して空中散策。2026年ごろに約30万ドルで販売予定。

  • BMWパノラマiDrive
    BMWのパノラマiDriveはウインドシールド下に広がる巨大HUD。速度やルートをリアルタイムに投影し、ステアリング周りや音声AIも一新。EV/ガソリン問わず新型車に順次搭載される見込み。

  • Sony-Honda “Afeela”
    SonyとHondaの協業は、LiDAR中心にレベル3自動運転を志向する「Afeela」コンセプトを発表。AIインフォテインメントがコックピットを支え、大型ARディスプレイや音声連携が注目ポイント。


ロボット&AIコンパニオン

  • RealBtics「Arya」
    顔表情を豊かに再現し、生成AIでリアルタイム対話する人型ロボット。17個のモーター駆動で、首や頬、唇など微妙に動く。ヘッドモジュール換装も可能で、多様な見た目・人格設定を柔軟に実装。

  • Figure、Unitree、TeslaBot対抗
    TeslaBotは不在も、FigureとUnitreeが2足/4足ロボの動きや最新進捗をデモ。Unitreeは小型ドッグ「Goto」の6輪変形型も公開し、高い機動力を見せつけた。

  • ニューロバンド&思考読取?
    幾つかのスタートアップが脳波計測バンドをアピール。簡易的に「コマンド」を脳波で送るとされるが、現時点では限定的デモに留まる。将来はAIとの直接インタラクションへの期待を示唆。


スマホ、タブレット、ゲーミング

  • TCL 60 XE NXTPAPER 5G
    バッテリー節約モードや読書に適したカラー電子ペーパー風ディスプレイをオフラインでも使えるユニークモデル。側面キーで「インクモード」を即座に起動し、連続1週間程度の読書が可能とか。

  • Lenovo Legion Go S
    携帯ゲーム機の新展開で、WindowsではなくSteamOSをプリインストール。Steam Deckとの差別化としてオフセットスティックや高容量バッテリーなどを搭載。AMD Z2チップで高性能を目指す。


サステナビリティ&AIサービス

  • Expressing AI
    多様な出展ブースにて、ローカルボイスAIや生成系AIが示す新たな展開が見られた。プライバシー保護のためのエッジAIや、在庫最適化など法人向けAIソリューションも。

  • ソーラーパネルや柔軟PV
    車両やパラソル、ジャケットなどへのフレキシブル太陽電池がトレンドに。常時の微量給電や緊急電源として、ファッション・スポーツ用品にもソーラー内蔵が進む。


まとめ

CES 2025は例年通り、驚きの新技術が数多く披露されました。超短焦点レーザーTVはより明るく鮮明になり、ロボット掃除機にはアームが付いて家事をさらに自動化。ミニバンがドローン型航空機を内蔵し、家中のデバイスがMatterで連携する未来が現実味を帯びています。

この先、どれほどのコンセプトが普及するかは未知数ですが、選ばれたプロダクトが今後数年間で私たちの生活や仕事の仕方を大きく変えていくのは間違いないでしょう。

AIが当たり前になり、家中がスマートに連携し、かつてはSFだった“空飛ぶ移動手段”が製品化される—CES 2025は、そんな次世代の在り方を具体的に示した年とも言えそうです。

「超温和なパイソン」へ

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